バード・ボックスのレビュー・感想・評価
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「クワイエット・プレイス」との類似点は興味深いが
映画.com記事の見出しに「“縛り”映画がブーム」という表現があって、なるほどと感心したが、「バード・ボックス」(以下BB)もそんな一本。ただ原作は2014年出版なので、昨今の流行を先取りした着想と言えるかも。声を出せない「クワイエット・プレイス」(QP)の脚本が2016年執筆開始というから、制約ある状況で親子がサバイブしたり出産したりといった共通項は、小説のBBがQPに影響を与えた可能性もある。
でもなあ…QPの敵は視力のない地球外生命でSFとして成立していて、設定された世界観の中で納得できるロジックがあり、それがリアルなサバイバル劇の面白さを生んだのに対し、BBの敵は目にした人間を自殺させる、でも心に闇を抱えた人間は平気という、きわめて恣意的な設定の超自然的存在で中途半端。敵の正体を描くでもなく、人間の闇とは何かを深掘りするでもなく。ラストのオチらしきネタも微妙で、もやもやが残った。
私は好きでした。
ネトフリでたまたま鑑賞しました。私は大好きな類の映画でした。
構成もアクションもスリルもすべて良かったです。
何故かものすごい低評価が多いのですが、それぞれ確認するとすべてにおいて「敵がわからない」「敵が描かれてないから」「パクリだから」などと書かれていますが、私は脳死で観れる敵味方ハッキリのお決まり展開系映画が大嫌いなので納得しました。
この作品は五感のどこかを閉じさせる系ジャンルのみであれば上位の方ではないでしょうか。
カメラワークもTPS視点もあり、まるで自分が目隠ししているようで常に臨場感ある絵でした。
ここからは個人的解釈です。
精神病院の患者や精神疾患を抱えた人間が目隠しをしなくていい世界、そして平穏な人間がいきなり突如自殺させられてしまうという展開から敵は「自殺欲そのものの具現化」なのかなと思いました。
主人公が「妹は自殺なんてする人間じゃなかった」と言っていますが本当にそうでしょうか。
例えどんなに親密でも相手を100%理解でき、自殺しないことを確実に保証できる相手なんて誰にでもいますでしょうか。
作中では風や鳥の反応などでバケモノとして表現されていますが、その精神的なテーマであれば姿もなく非常に曖昧にされていることの理由にもなります。
作中に出てくる精神病質者やヤク中の疑いがあるような攻撃的な人たちからすれば幻覚や幻聴が一般論でいう日常です。
そしてそれを強制したがっている様子からすると同じ世界を見てほしい、自分たちの気持ちをわかってほしいという表現なのではと思いました。
スーパーの前科持ちの同僚との遭遇シーンも、殺されたのか自殺したのかはたまた無理心中だったのか、流れてくる血のみの表現で非常に曖昧でした。
閉じ込められていた部屋の中が一瞬写りますが、そこは死体だらけ。でも前科持ちの同僚だけは生きていて、つまりひたすら周りだけを巻き込んだ本人は死ねない無理心中を表現したいならここかなーと。
また、作中では「私は甘やかされて育って恵まれていた」と話していた主人公の妊婦仲間の女性がいますが、出産したばかりの女性でも産後うつというものがあり、このテーマに合致します。
ガールが森ではぐれて幻聴に騙され目隠しを外してしまうかもしれない時、主人公に抱かれたボーイが「ガールはママに怯えてる」と言い、そして激しい渓流で見る当番(死ぬかもしれない係)を求められているのは自分だと理解し、ガール自ら見る当番に立候補したのはボーイに比べて心が弱っていたから無意識下に自分がママから嫌われている(と思い込んでいる)ことへの絶望や生への諦めがあってあの三人の中で一番自殺させやすかったのかな、と悲しくなりました。
結果的に主人公が本音(愛していると伝えることなどのいわゆる説得)で引き止められてよかったですけど、現実で自殺志願者を必死に止めようとしている姿なんてほとんど見れないですし、そこもどこか現代の仄暗さが暗喩されているような気がします。
他人からの愛を自認できるような人はまず自殺なんて考えませんので…そこも裏表現がうまい点だな、と思います。
全体的に考えさせられる映画でした。
ひとつ残念だったのは「こいつそろそろ…」という予想を裏切ってほしかったです。
全然面白くない
最後まで明かされなかったけど
Netflixのおすすめに出てきたので何となく視聴したけどそれなりにハラハラドキドキして面白かった。
冒頭、あのシーンから始まって、5年前と5年後をカットバックしてクライマックスに集約していく構成は上手いと思った。
ただあの設定を生き延びる主人公のメンタルが強すぎて、クワイエット・プレイスやドント・ブリーズ、その他謎の何かに襲われる系の作品と比べると多少展開が強引かな…という気がする。
劇中で明言されなかった謎の「何か」、頭のおかしい人たちの病院から脱走した人たちは大丈夫だったことと、あの頭のおかしいおじさんが描いてた絵を見るにおそらくクトゥルー的なものかなと想像。狂ってる人は見ても影響がないSAN値が下がるやつ?
目隠しして知らない場所を逃げる恐怖も相当だと思うけどその中を5年も生き抜いてる主人公のメンタルが凄すぎ。
絵描きという設定は特にいかされてなかったね。
あと川下りである子供に「観察」をさせようとするところが怖かった。回避してくれて良かったです…
似た映画が何個かあった気がする映画
「人類の滅亡」✕「出産」!? 原因が不明なのでシャマランの『ハプニ...
現代と過去パートが交互に展開されるので、単調な川下りパートも退屈せずに観れた
現代と過去パートが交互に展開されるので、単調な川下りパートも退屈せずに観れた。現代ではマロニー、オリンピア、トム3人の登場。他の人物は死亡してるの確定なので、誰が生き残るかといったハラハラ感はない。それでも川下りパートをずっと見せられるよりはマシ。
マロリーが子供たちに「どっちが目を開けるか決めて」と言うシーンは、どちらかを犠牲にするんじゃないかとヒヤヒヤ。最終的には「誰も目を開けない」と3人で生き残る道を選んでくれてホッと一息。
気になったのは、見えない元凶の正体が最後まで分からなかったこと。何が原因で人々が狂うのか、ゲイリーたちのように目隠し無しでも平気な人はどういう原理なのか。これらの謎は分からず終いでモヤモヤが残る。
印象に残ったキャラはダグラス。ジョン・マルコヴィッチの人を子馬鹿にしたような憎たらしい演技が腹立つ。口を開けば嫌味ったらしくて印象は最悪だ。
しかし、マロリーとウィスキーを飲むシーンで何人かの妻と別れたエピソードを聞き「この人も孤独でさみしいんだな」と思いすこし可哀そうに思えた。「クソ野郎」呼ばわりを連発するマロリーは棘があるけど微笑ましい。ダグラスがもうちょい生き残ってくれればマロリーとは友人になれたんじゃないかと思うと残念だ。
怪物とは
完成された作品のひとつ
徹頭徹尾、最後まで一貫したストーリーでした。無駄に脇道にそれたり、変なアクション要素を詰め込むこともせず、無難な形を維持し続けた内容と言えます。同ジャンルの作品としては、ひとつの完成された在り方であるとも評価できます。
バードボックスというタイトルも秀逸です。見てはいけないもの。認識してはならないもの。それを見てしまったが最後、この世から往生するほかなくなる。それはある種の真実であり、我々人間は鳥籠のなかの鳥のように外界を、真実を知らぬまま生きている井の中の蛙。
作者が何を伝えたいのか明確化された、非常に完成度の高い映画であったと思います。
母親のタフさを感じた映画だった
Netflixのオリジナル作品ということで、予告を見て面白そうな作品だと思い視聴。
内容としては、ある日未曾有の異変に世界中が襲われ、人類滅亡の極限状態のなか幼い命を守るため主人公が決死の覚悟で避難所へ向かう姿を描いた作品。
内容としては、「クワイエット・プレイス」に似てる感じで音たてたらではなく、目を開け“あるもの”を見てしまうと、自殺する行動をとってしまうというもので、外を歩く時は目隠しをしないといけない。
音を立てるよりも、目を閉じたまま行動するという点では「クワイエット・プレイス」よりも難しいなと感じたし、また精神に異常がある人は目を開けて行動しても大丈夫だが、この作品では無理やり目を開けさせるといった行動をする人がいるなど、なかなか重い内容でした。
主人公で母親役を演じた、サンドラ・ブロックの演技はとても良く子どもたちを守ろうとする母の精神的な強さを感じたし、親子の絆という事も考えさせられる作品でした。
複雑怪奇で何も語るべからず。消されるよりもマシである
5分で睡くなるホームズ見終わったので、この映画を見てみた。5分で見た事があるのを思い出した。でも、内容を忘れてしまったので、最後の5分間を見て、あっそうか!と思い出した。まぁ、大団円で良かった良かった。
ネタバレあり。
ではないんだね。最初と最後の子供が?
2023年7月10日(月)に鑑賞しているけど、愛の無いAIのNGワードで消される。
見えない恐怖、見せない恐怖
昔のホラー映画って「化け物」を見せなかったよね。
「ジョーズ」とか「エイリアン」とか「プレデター」とか。
この見せない、見えないことが恐怖を煽る演出だった。
(まあ予算も技術も無かったってのが本音なんだけど。)
近年ではVFX技術の向上&低コスト化により、
「見せるのが当たり前」になった。
じゃあ、作品の質が上がったか?と聞かれれば???となるワケで。
で、本作。
化け物の正体は見せない、分からない、これが徹底されている。
「声」「影」「木々のざわめき」で表現されるのみ。
これは「新しい」と思うと同時に「懐かしい」とも思った。
ただ、ラストには正体が明らかになるかと思ったが、違ったが、分からないままで良かったと思う。
「正体を突き止める」のが目的の映画じゃないからね。
舞台は家と川の2カ所のみ。
なので、低予算に出来そうだがどうだろうか?
サンドラ・ブロックのギャラ以外にカネがかかる要素が見当たらないが。
終始、M・ナイト・シャマランが作りそうな映画、と思いながら見たが、シャマラン作品のようなどんでん返しは無し。
でも独特の緊張感があって面白かった。
前半は悪くない
『クワイエット・プレイス』やゾンビものの二番煎じ、三番煎じのNetflix拡販材料
『クワイエット・プレイス』が公開され、絶賛されたのは2018年4月のこと。それからわずか8か月後の12月、Netflixは本作の配信を開始した。
主演にサンドラ・ブロック、脇役にジョン・マルコヴィッチという一流どころを揃えているし、人間を狂気と自殺に陥れる謎めいたバケモノとか、元から狂気の精神病者は自殺しないで、健常人に襲いかかるとか、何十時間も川下りして安全地帯に逃げ込むとか、ドラマとしては退屈させないよういろいろ盛り込んでいる。ところが、それらのすべてがどこかで見たような既視感満載なのである。
それも当然だろう。本作の骨組みは『クワイエット・プレイス』や『ハプニング』の二番煎じなのである。そればかりかゾンビものや『ミスト』等、売れたホラー映画を手あたり次第につまみ食いして適当にぶち込んだように見える。
映画はビジネスだが、一応は表現物なので、関係者の意図、意欲のようなものが伝わってくるものだ。しかし、こと本作に限ってはそんなものがほとんど感じられない。ただNetflixの加入者拡大の売り物とすることだけを考えた宣伝材料と言っていい。
そのせいだろうか映画ではいろいろばら撒いたネタをろくに回収しないまま、適当に投げ出して終わる。ま、別に期待しないからどうでもいいのだがw あるいは暇つぶしにはちょうどいいのかもしれない。
サンドラブロックが出てると観る
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