「いいとこもわるいとこもあった」惡の華 夜更かしつらいさんの映画レビュー(感想・評価)
いいとこもわるいとこもあった
原作かなり読み込んでて思い入れの強い作品です。あえて初日には行きたくなかったくらい笑。
自分の中で確固たるイメージがあったせいか、また、原作覚え過ぎてて変えてるところが気になり過ぎたせいか、あまり楽しめなかった…。
(いいところ)
・祭りのシーンが印象的だった。思春期の強烈な思い出、記憶という感じ。映像としてかっこよかった。
・キレてるときの仲村さんの演技がよかった。
(許せないところ)
・教室のシーンで仲村さんが眼鏡をかけるタイミングがおかしかった!
原作だと、仲村さんはがっかりして眼鏡をかけて=心を閉ざしてさようならしたところを春日が引き止めてそのままあのシーンになる。けれど、映画だと、さようならしてから春日くんが引き止めて、もっと!ってなってるのに眼鏡かける。その流れだったら心情的にむしろ眼鏡かけなくていいんじゃない? ここでわざわざかけるのに違和感。原作を読む限りでは眼鏡がないときの方が仲村さんの心が解放されているのだと思っていたのだけど、それは漫画的記号表現だから実写映画ではなしってことなのかな。もやもやした。
(仕方ないところ)
・桐生市舞台じゃないんかーい。ひかり市? で、祭りのとき「お隣桐生市のみなさんでしたー」ってなってた。大人の事情なの?笑
・そもそも原作で写真を背景にしてて(特に前半。高校生編くらいから手書きが多くなる)、漫画の場所が実際に桐生市にあるから(なくなった場所もあるけど)、既視感のある場所がたくさんでてくるんだろうなー(桐生市行ったことある)と思ってたらそんなになかった。
・だって原作に完全に忠実につくられてたアニメは全部桐生市だったからさ…。
(大概尺が足りないせい)
・仲村さんがただのイカれた女の子から魅力的な大事な存在に変化する過程が描ききれてなかった。女優の美しさで飛び道具的に春日の恋心を成立させてるみたいだけど、私には合わなかったかな。
原作読んでない人に勘違いしてほしくないのだけど、春日くんが仲村さんを好きになったのは容姿や仕草の可愛さからだけではないと思うんだ。(いや、仲村さんは可愛いんだけど、仲村さんの魅力は外見の可愛さだけではない)(外見だけなら佐伯さんでもよくない?)(関係ないけどアニメの仲村さんも可愛いと思ってます)
仲村さんが抱える孤独へのシンパシーとか、彼女の純粋さ、弱さとか、お互いとしか理解し合えないであろうという共依存とか、そういうの? せわしなくシーンが流れていくから、ひとつひとつのシーンだけ観るといいんだけど…。気持ちの流れがぶつ切り。
・自分が好きなマイナーシーンが端折られてるのは、仕方ないので諦め。そういうもんだよね…。亜衣ちゃんとか…だんだん早足になる仲村さんとか…わかってたよ…。
・まあ全部丁寧にやったらアニメくらいの進行スピードになるもんね。前半の端折りっぷりに笑いそうになった。
(春日くんが作った映画)
・仲村さんを神々しい存在として神格化してる派の人が作ったんだと思う。私は、そうは言っても仲村さんも普通の女の子で、だからこそ愛おしい派なので…。あんまり仲村さんに人間味を感じられなくて作り物みたいだと思ってひいてみてた。なんか気持ち悪い。
・仲村さん神格派は大喜びなんだろうな…って、そんな派閥は私が勝手に言ってるだけで無いんだけど。
・自分とは解釈違うけど、どっちも正しいんだよな。仲村さんはこうなんだ!って、理解しているようで本当には理解できてなくて、それが春日くん的で作り方としては正解なんだと思う。私も含めて誰も仲村さんのことは理解できてないけど理解した気になってるだけだよ。
(最後のあれ)
完全なる蛇足。それより大学生や社会人になったみんなをみたかったな。夢でみたやつ。