「漠然とした行き止まり」惡の華 にょむさんの映画レビュー(感想・評価)
漠然とした行き止まり
原作未読
玉城ティナちゃん注目で観に行きました
どちらかと言うと演劇テイストな引っ張り方で、やはりこの映画は全体的に詩の朗読を思わせる
春日の父親を仲村さんがバットで叩いて転がし、手を差し出して春日をお祭りに連れ出し、その観衆の中で2人で焼身自殺する…と思いきや仲村さんが春日を突き飛ばす
しかも彼女一人での焼身自殺も失敗する
これは手段としての結末(死)だから、制止した父親の腕に噛み付くとか自らの舌を噛み切るとかはしない
でもこれに共感できる人がどれだけいるのだろう
肥大した自意識と、使い道がわからない持て余した青春エネルギー
物心ついて"この人生がたいそう退屈である" と早々に気付いたらそれは不幸だなあとは思うけど、それに絶望を感じるのは人間の特権ですからね
とにかく冗長
人物の人間関係が限られてるので話の広がりようがないしそういう話じゃないのもわかる
ただ演技力を必要とされる中で、玉城ティナちゃんの演技をどう評価するか
そもそも中学生に見えない
これは批判というよりかは、見えないものは見えない
映画の雰囲気や展開の運びは良かったけど、主人公が「状況に流されての変態プレイを享受をしていたのか」「本当に変態願望があって渡りに船的な口実をもってして脅迫を甘受していたのか」は明確にしてほしかった
仲村さんにしても他者の心を弄ぶ一方で自身が生きている事に苦悩しているのなら、単に屈折した暇人でしかないし、取り敢えず中学校には通っていた時点でなんとなく察する
最後、バックベアード様的な目玉が出てきて体育座りしてる女の子の元を去る仲村さん…のシーンは唐突で正直わかりませんでした(知りたい)
ただこの目玉に関してはもっとリアルに描写してほしかった。こういうとこでCG使ってそれがチープに感じたら全部台無しになるので
数年後、佐伯さんが春日に仲村さんの事を教えた(唐突)のは、何故それを知ってたか含めて分かりませんでしたが、仲村さんのアフターはある程度以上のおばさんになった時代を描いてくれないと着地点としては弱い
普通の人になったのか、ならずに世間で言う狂人枠で生きてるのか、この手の話でそれ見れなかったらもやもやするじゃない
数年後ではそんなに大きな変化なんてないだろうし、いっそ完全に普通の人になってて春日の気持ちを置き去りにするオチがよかったかな^^;