「優れた習作」惡の華 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
優れた習作
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作り手にものすごく言いたいことがあるんだなというのは解るんだけど、それが何かは解らないの。
もちろん観る側の感性が合わないせいもあるけど、作り手側の責任もあると思う。
何か一つ突き抜けて「あ、そういうことか」と、感性が合わなくても解る作品が観たい。
玉城ティナの演技いいのね。これ系の役をやってくれる美形女優はいないから、いいよね。でも狂気は宿ってない。ミニスカートで教室で狂ったように墨汁まきながら、パンチラはしないの。そんな狂い方あるかな。
伊藤健太郎はかなりうまい。玉城ティナの演技を受けながら、存在感を出してくるのが凄い。
井口監督は、演出がところどころそれっぽいんだけど、《少女ピカレスク》のようなムチャクチャさがなかった。メジャー作品で色々と考慮することが多いと難しいのかな。
何か凄く言いたいことがあって「よっしゃ、メジャー作品でやってやろう」と決意の作品ではあると思うんだけど、もう一つ伝わってこない。「この作品をやって、色々なことが解って、それが《……》に活きてます。だから《惡の華》は凄く重要な作品なんです」と後日、監督も俳優も言いそうな習作感のある作品だったよ。次が楽しみ。
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