劇場公開日 2019年1月18日

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「素材はそれほど悪くないのに」ミスター・ガラス tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0素材はそれほど悪くないのに

2024年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

[辛口]
飲み放題を頼んだら「生ビールピッチャー全部とフライドポテトボウル一杯山盛り食ってから他の注文頼めます^^」と言われた時を思い出す。
そんな映画。
そこそこ期待に答えてくれるけど大部分が無味乾燥

『アンブレイカブル(2000)』は視聴済み、あの作品は徐々にヒーローとして目覚めていく様子とヒーローとヴィランの関係について描いたところが面白かった。ヒーロー映画としてはトーン抑えめで、地に足のついた展開なのも良かった。
『スプリット(2016)』は未視聴だが高評価らしい、だが、本作を見たらもういいかな・・・

M・ナイトシャマラン監督といえば『シックスセンス』『サイン』『ヴィレッジ』『ハプニング』などなど、どれも嫌いじゃない、映画としてはそこそこのレベルで仕上げてくるし、印象深いオチを必ずつけてくる。
いつも「楽しめたけどまぁ二回は見なくていいかな」という感じだが、本作は視聴中もしんどい

ヒーローとヴィランがそろっていて、なんで舞台のほとんどを精神病院みたいなところに缶詰にしたのか・・・正直展開が読めたので「いつになったらこの場面終わるのかな」と思ったら割と終盤までそのままだった。おいおい

本作世界のテーマのひとつは「バランス」にあると思うんだが、その辺を理解しているようで理解していないのがなんなのか、シンプルにがっかりな展開だし、過去作への決着の付け方の中では安易な方法をとっているのも好みじゃない。
オチも某有名SF小説の超能力者が発生する経緯と同じような感じで、個人的にはやや面白みに欠けるし、演出不足。
続編として作品世界に奥行きをもたらすこともなく、浅い設定が増えただけでは不満

あのオチに持って行くなら、そのための伏線として、周囲の人間への影響を描くべきだったし、その結果世界が混乱に陥るということをもっと演出するべきだったのでは・・・(まぁこの監督らしい表現ではあるが)

この素材ならもっとずっとうまく料理できただろう、惜しい

tabletap