「手前勝手な希望をどう受け取るか」ミスター・ガラス ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
手前勝手な希望をどう受け取るか
シャマラン特有のリズムにはノリ切れず熱狂はしないが、それでも最早MCUやDCEUにはできない、ヒーロー映画のユニバースを「完結」させたことは新鮮に映った。ヒーローを解体・再構築し、希望を提示しているようだが、その希望はあまりにも歪んでいる。物議を醸すのも頷ける
ミスター・ガラスにとって最高のハッピーエンド。彼の母、ジョセフ、ケイシーも同様。自分だけが知っていたことをようやく大衆が気付き始める、満たされる承認欲求。なんと手前勝手な歪んだ希望か。それでもこれはミスター・ガラス及びシャマランのシナリオ、正直でよろしい。その正直さ、俺は買った!
だってミスター・ガラスはテメエの都合で大量殺害テロを起こしまくってる奴よ?そんな奴があんなメッセージ付きの動画をバラまいたら世界は恐怖におののくよ!プロフェッサーXみたいに車椅子に乗りながら、やってることは思いっきりマグニートー。しかしこの矛盾こそが、ミスター・ガラス
アクションは主観カメラの多用が気持ち悪かったけど、全体的にスケールがこじんまりしてるのはチャーミングで良かった。耳に残るのにメロディは思い出せない音楽が印象的。『アンブレイカブル』の未使用フッテージを本作で使用していたのにはグッと来るものがあった。なかなか楽しんだよ
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