劇場公開日 2019年6月21日

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「スティーブ・マックイーンと言えば「パピヨン」が忘れられなかった」パピヨン Jasmineさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スティーブ・マックイーンと言えば「パピヨン」が忘れられなかった

2019年7月1日
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鑑賞方法:映画館

子供の頃に観て怖くて忘れられなくなった映画「パピヨン」
オリジナル版より上映時間が短いということもあり、パピとドガの友情の描きかたに若干の物足りなさはあったものの、フィクションを越える実話の重圧感や人間の真の残酷さや恐ろしいほどの我欲などは映像を通して十分に伝わるものでありました。
オリジナル版があまりにも有名過ぎて、チャーリー・ハナムもやりにくかったとは思いますが、実際にげっそり痩せていたり、やつれた雰囲気など演技には相当の努力の後が見られました。ドガ役のラミ・マレックは気負わず、オリジナル版の雰囲気を保ちながら、素晴らしい演技を見せてくれていたと思います。
どちらにせよ、始まった瞬間から重い映像の連続で知らず知らずに集中してしまうため、最後まで観た後はぐったりとしてしまいます。
もし濡れ衣や人違いにより、身分も証明できない状況下に連れていかれたら
人間の尊厳なんてどこにもありはしない。
生きては出られない監獄の労働と飢え。それでも
可能性を信じて生きようとする人間の強さっていったい何なんだろう・・・。
そんな時こそ奇跡は味方するんだろうか・・・・。
法の支配や国家の支配
お金の支配など、どんな場所にあっても私たちは何か大きな力に支配されている。
そんな理不尽な社会の闇のなかで本当の自由なんてありはしない。それでも愛とか友情とかが決して失くならないのは何故❓
ふと私は、パンドラの箱の話を思い出してしまいました。一番最後に残った
「希望」
きっとそれが答えなんだと思います。希望は残酷なものですね。生きることは使命に満ちた業なのかもしれません。

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Jasmine