「4コマの良さを生かしつつ、リンクする映画の物語」殺さない彼と死なない彼女 shironさんの映画レビュー(感想・評価)
4コマの良さを生かしつつ、リンクする映画の物語
まさか、こんなに泣ける映画だとは思っていませんでした!
久々に目が腫れるほど泣いた(T-T)
とりあえず原作本を即買ww
もし私のように何も知らずに見る方は「原作は4コマ漫画」これだけは知っておいて観ていただきたいです!
それを知らないと、エピソードがブツブツ切れる感じや、女子高生の独特な言葉遣いやモノローグが気になってしまうと思うので。
私なんて序盤から、ソフトフォーカスがかかったような画面が気になって、
「“殺す”とか“死ぬ”とか、とっかかりだけ過激な、いい雰囲気美男美女青春ラブストーリー映画かぁ?」と思ってしまいました。すみません;
それもこれも、4コマ漫画っぽさと、原作の持つ世界観を大切にした表現だったのだと思います。
しんどい物語を、みつはしちかこ先生のチッチとサリーをヘタウマにしたような絵柄で語る原作の魅力を映像化。すごいチャレンジです。
そしてラストの多すぎるブラックアウトは、4コマ漫画の読後感を表しつつ、映画としても観客が心で余白を補う間となっていて、より主人公の気持ちに寄り添えた気がします。
3組みのヤバくてクソ面倒な登場人物たちが繰り広げる、クソ面倒くさいエピソードを見せられるのですが、会話の中にハッと気付かされる瞬間があり…
いつの間にか、みんなが愛おしくなっていました。
そして、ちょっと唐突に思えるセリフやエピソードは、全てラストに繋がっていて…。
3つの物語が繋がることで、改めて語られるのは
誰かと一緒にいること。ただそれだけでお互いが影響しあって生まれる化学変化な気がします。
「死にたい」「愛されたい」「スキだと伝えたい」それぞれ自分の主観のなかで生きてきた少女達が、他者と一緒に時間を過ごすことで影響を受け、他者に目を向ける事ができるようになり
何でもないけど、かけがえのない時間だったと気づく日が来る。
彼から受けた影響で彼女は変化して、それがまた他の人に影響を与えていく。
絶望した人を救う希望の言葉となって、出会った人のなかで生きていく。
撫子ちゃんは、未来を作る為に何度でも八千代くんにスキだと伝えるでしょう。
私も彼女たちの青春と一緒に居て、彼女たちから影響を受けたと思えます。
追記:撫子ちゃんが超絶可憐で、八千代くんビジョンの連続告白シーンに悶絶(≧∀≦)
でも、自分に自信があるはずも無いのに、あんな可愛いコに告られたら、何かの罰ゲームかと思うわなσ^_^;
CBさん、コメント有難うございます。
チッチとサリーが通じる世代は少数派だと思うので、すごく親近感(=´∀`)人(´∀`=)
自分自身が若い頃は、むしろ苦手なジャンルでしたが
歳を取ると涙もろくなると言いますか…この年になったからこそ、余計に染みる気がします。
好みも考え方も違う二人だけど、違うところも嫌なところもダメなところもひっくるめて、お互いの存在を認め合っている。
「地味子ちゃん」と呼ぶキッカケになった、二人だけのエピソードが、きっとあったんだろうな…と思わせてくれる素敵な関係でした。
逆に「きゃぴ子」と「地味子」は、そのままでしたね。
4コマ漫画としてなら記号として読めても、実写で面と向かって「地味子ちゃん」と呼ばれると、普通だとデリカシーの無さが強く出過ぎる気がしますが、むしろ二人の信頼関係の深さがうかがえる愛称になっていましたね。
琥珀さん、コメントありがとうございます。
確かに映画を見ている最中「八千代くん??苗字?名前?」が気になりましたf^_^;
原作を読んで「なるほど!」とスッキリしたと同時に、琥珀さんがおっしゃる通り、あえてこの名前をつけた、作者の心意気も受け止めました。