「映画ではない。弱った人を消費する偽善。観た後収まらないムカムカ。」牧師といのちの崖 くーさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ではない。弱った人を消費する偽善。観た後収まらないムカムカ。
題名や予告編からは、辛い目に遭った人を支え、助け合って進んでいく、みたいなのを思い描いてた。
そんな、人の善意やあたたかさみたいな話ではなかった。
映画から読み取れたのは、他に行き場のない孤独な弱者を、自分の意に沿うか否かで振り分けて、善人ぶった牧師が強権的に振る舞う場所が、自殺の名所のそばにありますってこと。
最初からびっくりした。
牧師さんの言動やスタンスに…
外から来た人が大勢いる場所での話し方と、自分の元に身を寄せる人と一対一で話すときの話し方の落差。
後者は完全に、牧師=強者が、自分の価値観を一方的に強権的にぶつけていて、言われた方は従わざるをえない雰囲気。顔を覆ったり、投げつけられたひどすぎる言葉に茫然としたり、ひどすぎです。
これみて感動とかしない、できない、私は。
なんであんなに上から強くものが言えるのだろう。
自分に庇護求めてる人に対してあんな態度で接することができるのはなぜ?
人として対等に接してない。
ダメな人間としての烙印を押すみたいな。
途中から腹立たしい思いで見ていたら、森くんとのやりとり。
悪意?
え?そんな言葉で、返事につまってる人を責めたてるの?
あれが牧師か?って信じがたかった。
森くん、すごいショック受けてたよ。
追い詰めてたよ。
牧師さん、あなた、森くんをあちらに追いやった一因じゃないの?救えなかったみたいなことよく言えますね
何度でも戻ってこれる実家みたいな場所になりたいみたいに言ってたけど、本当にそういう場所を目指している人なら、あんな接し方はしない。絶対。
スーツケースを引きずる女性のことだって、本気で助けよう、向き合おうとしてない。
「バス乗りますねー、あ、乗りました」とか、単なる実況中継で他人事感がすごすぎて、自殺の名所に向かうであろう人を止めたいようには見えなかった。あれが命の電話の先にいる人なのか?
そういう人は他人の命も真摯に考え、死にたいほどの苦しみやしんどさにとことん向き合って受け止めてくれる人なのかと思っていた。
少なくとも、この牧師はそういう人ではない。
繰り返すけど、自殺の名所に足を運ばざるをえないほど追い詰められた人の実家を目指す人の言動とは思えないものが多すぎた。
あんたは何のために自殺を考えるほどに追い込まれた人のすがるようなひょっとしたら最後のSOSになるかもしるない「いのちの電話」を受けてるんだ?
もしもしもしもーしもしもーし
あの苛立ちが漂う雰囲気で対応して、自分はこれだけの覚悟でやってますとか言うな。
不機嫌じゃない普通のトーンで言えないのか💢
あんな態度でいのちの電話に出て、行き場のない人の実家になりたいとかよくいえるな💢
私はああいう電話の相談員とかじゃない。
それでもああいう電話を受ける立場ならあんな対応はありえないと思う。
今どちらですか?よかったら少しお話ししませんか?
それくらいのことすら伝えることもできなくて、いのちの電話を受けていますなんて言うな💢
映画としてもありえない。
エンドロールのあと、息をのんだ。
エンドロールのあとの数分は、何のために入れたの?
あそこで明かされた事実がなくても、映画として世に出しましたか?
あの数分がなかったら映画として成立してない。
遺族の許可は取ってます、とかそういう話じゃない。
苦しんで自死を選んだ人を消費してるように感じた。
0点です。
劇的なストーリーになったから映画に仕立てた人や、自分はこんなことやってる偉いと酔ってるであろう人のために映画館に足運んでお金払って観るものではありません。
0だと投稿できなかったので0.5にします。