「明かされる謎に燃える。過去には萌える。」キャプテン・マーベル きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
明かされる謎に燃える。過去には萌える。
主人公のキャロルが強く真っ直ぐな性格で、見ていて気持ちがいいです。男だから、女だから、という理由だけで決めつけられるなんて真っ平だ、という昨今の時勢を上手く取り入れていて、共感しやすいなと思いました。『ブラックパンサー』を観た時も思いましたが、MCUは社会情勢を物語の中で昇華させるのが上手いですよね。
ジュードロウが上司という時点で若干怪しさは感じていたものの、記憶と共に真実が明らかにされて、本当の自分を取り戻す流れは熱かったです。序盤にも何気なく伏線があったんですね。「過去は忘れろ。」とか、スクラル人が一方的に倒されちゃうのとか。
首に付けられた機器が能力を与えるものでなく、実は制御装置だったところも上手いなと思いました。
異星人と協力する展開大好き。スクラル人は見た目が怖いからこそ中身とのギャップが効いていいですね。キャロル達と敵対している時でもちょっとコミカルさを見せていたのも伏線だったのだろうか。擬態能力をイジられるのもおもしろかった。
フューリーが疑いのために放った言葉が後に信頼のための言葉になるのが凄く良かった。ああいう演出好きなのでにやにやしちゃいました。
グースも何かスーパーパワーを持っているのかなとは思っていましたが、パワーの方向性が予想外すぎて驚きました。でもかわいい。今まで見られなかったフューリーの一面もかわいらしく、おもしろかったです。
フューリーといえば、眼帯の謎が明かされましたが、しょうもなさすぎて笑いました。今まで秘密主義でかわいげのない印象だったのですが、本作で親近感が湧いて一気に好きになりました。
コールソンも久々の登場嬉しかったです。新人にもかかわらず有能さの片鱗が見えましたね。
キャロルの力は見た目的に『ファンタスティック・フォー』のヒューマントーチを思い出しました。無敵感が強すぎて終盤はハラハラしなかったですね。目が光る演出はちょっと苦手でした。漫画的すぎるというか…。
四次元キューブのエネルギーから得た力なのでやはり瞬間移動ができるのでしょうか。エンドクレジット時のおまけ映像では瞬間移動で登場しているように見えました。
ロナンは何をしに来たのか…。昔からクリー帝国とは別の立場を取っていたのがわかりましたし、過去の姿を見られるだけでも嬉しいのは嬉しいのですが。欲を言うともうちょっと何か格好つけさせてあげて欲しかったです。
あと、ヨンは結局あの後どうなったのか気になります。
四次元キューブはあっちこっち行きすぎて混乱しますね。本作では明確な描写はなかったですが、『キャプテンアメリカ/ファーストアベンジャー』後にシールドが保管していたものを、米軍の研究者であるローソン博士(マー・ベル)がエンジン開発を名目に(実際にはスクラル人を逃して戦争を終結させる目的で)借りていたということかと思います。
マー・ベルの生い立ちも気になりますね。米軍に所属した経緯や、どうしてスクラル人に同情的になったのか。
最後に"アベンジャーズ"計画の命名の由来もわかって、次作は遂にエンドゲーム…
楽しみな反面、終わってしまうと思うと辛いです…。
しかし、終わらない旅はない、ということで大好きな作品を映画館で観られる幸運に感謝しつつ、全力で噛み締めたいと思います。