「表情や仕草」mid90s ミッドナインティーズ crisさんの映画レビュー(感想・評価)
表情や仕草
主人公スティービー役の子が、愛らしいすぎる。笑
表情ひとつひとつが子どもの可愛さを凝縮してて、しかも嘘くさくない。
水々しい。だから見てるこっちも素直な感情で受け取っちゃう。
彼が喜んでると「良かったね〜〜」ってなるし、
悲しんでると「くう...」と胸が苦しくなるし。
なんか、
「スケボーおしゃストリート映画見てる」というよりも
「ちっちゃい子の頑張ってる姿見守る〜」みたいなスタンスで気付けば見ちゃってた。笑
それくらい、この作品では彼の表情や仕草が重要だったように思う。
弟が、怒られちゃうんだけれども兄の部屋に入っていろいろ見ちゃう。
気になる。「兄」というものに対する憧れ、そしてそんな兄と仲良くしたい、気に入られたいという気持ち。それが見てて愛おしかった。
兄にCDをプレゼントするシーン。胸がきゅうっとなる。切ない。
でも兄弟(姉妹)、家族ではよくあったりすること。
兄弟だから、家族だからこそ、雑に扱ってしまうこと、ある。
あるあるだけど、これって切ないよなあ。
セリフで説明するような映画ではないので
主人公スティーブンを中心に、彼ら、というものを眺めさせてもらってる感覚になる映画。
結構スケボー映画ってそういうもんなんだと思うけど。
いろんな状況・環境のヤツらが、「スケボーする」ということだけで集まって。
で気付けば、大変なことがあったら力になりたいと思うような、いや、そういう気持ちを言語化するのがむずがゆいような、そんな近くて大事な関係になっていて。
そういうもんだよな、って。仲間、みたいなのができるのって。
意外とそういう感じだったりするんだよなあ、って。
言葉で確かめあったり、いろんなプロセスを踏んだり、っていう仲間のなり方もあるけども、彼らみたいに、「気付けば大事な仲間」みたいなのもあるな〜って。今作は、そういうのを見させてもらう映画だったな。
軽すぎず、重すぎず。その程度が全体的にちょうど良かった。