岬の兄妹のレビュー・感想・評価
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凄い作品を観てしまった
演技がはちゃめちゃ凄い!
こんなに自然に障碍のある人を演じられるなんて!
「お仕事」シーンも全く嫌な感じがせず、
存在することが許される、愛される、必要とされている「幸せ」を強く表現している
(と思った)
福祉的な事を書かれている方もいらっしゃるが
そんな事に頭が回るならこんな現状ないと思うのです
お金が入っても贅沢はお持ち帰りマクドナルド
恐らく兄の方も知能的にグレーゾーン
頼れる人もいない環境で救いは「お仕事」と二人きりの「家族」という繋がりだけ
なるほどこの作品を観た後に30分の作品を観るとがっかりしちゃうかなぁ
障碍なのか障害なのか
ちょっと見て微妙ならやめようと思っていたのですが、自閉症の方の演技がとてもリアルだったので、最後まで目が離せませんでした。なんでもない時の動きや、視線や、発言などとてもよく観察されたのだと思います。
障害者年金の手続きとか、みんな教えてあげよう。
じめっと
した印象の映画
実は僕が知らないだけで、このような家族はあるのかもしれないが、余りにも余りのじっとり粘りつく世界観が続く映画だった。
個人的には縁あって監督作品にエキストラ参加させて貰ったが、この映画を貫いた湿り気は感じなかった。
きっとこの後香ばしいキノコ生えてるんだろうなぁ🍄
以上現場よりw
禁忌に挑んだ野心作
底辺社会に生きる兄妹の悲惨な状況をシリアスに綴った作品。
製作、監督、脚本、編集を務めたのは片山慎三。氏にとっては本作が長編監督デビュー作ということだ。これだけ衝撃的な内容の作品を、しかもほぼワンマン体制で作り上げてしまった所にこの監督の凄みを感じた。
後で調べて分かったが、片山監督はここに至るまでにたくさんの助監督経験を積んできたということだ。「TOKYO!」や「母なる証明」ではポン・ジュノ監督の下で、「マイ・バック・ページ」や「苦役列車」では山下敦弘監督の下で助監督を務めている。これらの監督の名前を見れば分かるが、いわゆるエンタメ路線とは一線を画した、作家性の強い監督の下で経験を積んできたことが分かる。
障碍者を描くということは日本映画ではある種タブー視されているようなところがある。そこに挑んだ片山監督の意気込みを自分は大いに評価したい。中には、未成年者との性交や障碍者同士の性交といった刺激的な描写も登場してくる。障碍者と言えど同じ人間なのだから、彼らにだって普通に性欲はあるし、普通に人を裏切ることだってあるはずである。本来であれば映画の中でそれを描いても間違いではないはずなのだが、どういうわけか表現自粛という謎のフィルターに阻まれて禁忌とされてきた風潮があるように思う。そこに切り込んだ本作は、かなりの野心作と言えるのではないだろうか。
しかも、今作の配給にはイオンエンターテインメントが協力している。これまでであれば、この手のインディペンデント映画は都内のミニシアターでひっそりと上映して終わりであったが、本作は全国のイオン系のシネコンにかかったのだ。シネコンはいわゆるライト層のユーザーが利用する劇場である。そこでこうした映画がかかるというのは、それだけで実は画期的ではないかと思う。
原一男監督の長編デビュー作「さよううならCP」は、今でこそソフト化されVODでも配信されて誰でも観れるようになったが、長年幻の作品としてされてきた。それだけ障碍者を扱った作品というのは日本映画史では隅っこのほうへ追いやられていたのである。
尚、昨今では「37セカンズ」も単館ロードショーから口コミで評判が広まり、徐々に公開規模を増やして最終的にはシネコンでもかかるようになった。今後もこういう傾向が増えて行けばいいなと一映画ファンとして思う。
物語はいたってシンプルである。上映時間も90分足らずとコンパクトにまとめられている。内容がヘビーなだけに、この短さはある種ありがたいとも言える。
そして、そのヘビーさを和らげるためか、片山監督は随所でユーモアを配している。例えば、下ネタも交えて描かれる学校のシーンなどには思わず声を出して笑ってしまった。真理子と独居老人のやり取りにもクスリとさせられた。
映像も、序盤こそ兄妹の極貧生活を反映してか、薄暗いトーンで覆われているが、真理子の売春が徐々に軌道に乗り人並みの暮らしを送れるようになってからは陽光が降り注ぐ明るいトーンに切り替わっていく。やってることはヒドイ話なのだが、画面全体がそれを和らげる効果を生んでいる。
また、ピンクチラシを空にばらまくシーンには、新人離れした洗練された映像センスが感じられた。
余韻を引くラストも良い。監督の問いかけのようなものが感じられ、兄妹のその後の人生が色々と想像された。
確かに演出に粗削りな部分は見られる。例えば、真理子とヤクザの行為を良夫に見せつるシーンで、突然カメラがズーミングをする個所があるのだが、これには違和感を持った。
ただ、そうした拙さを補って余りあるパワフルな演出と作劇は、今の日本映画界にはない勢いと新鮮さに満ち溢れており、片山慎三監督の今後の活躍が頼もしく感じられた。
兄妹を演じたキャストの好演も見逃せない。特に、真理子を演じた和田光沙の体当たりの熱演なくして本作は語れないだろう。障碍者を健常者が演じるというのは大変難しいと思うのだが、それを堂々と演じきって見せたことで作品の説得力を生み出している。
重くのしかかり突き刺さる映画
1時間半ずっとしかめっ面で食いしばりながら観ていた。苦しすぎる…居た堪れない…
そのギャップで花火のシーンがとても温かく印象的だった。
社会問題を提げリアリティのある脚本と演出。主演の兄妹ふたりの悲壮感漂う演技が素晴らしい。
ラストは深い。
私たちは他人にどこまで優しくなれるか
2021年11月14日
知り合いから勧められて鑑賞。
あらすじを読んで、『誰も知らない』や『万引き家族』、『マザー』とテイストが似ている作品だと思いました。
以下、作品の感想です。
◆和田光沙の名演、迫真の演技
和田光沙さんは本作で初めて知りましたが、自閉症のある真理子役を完璧にこなしていました。本当に自閉症の方を起用したのかと思うほどにリアルでした。
濡れ場シーンも違和感がなく、観ている側も引き込まれてしまいました。
◆良夫が憎めない
良夫は自閉症の妹・真理子に売春をさせて、生活費を稼ぐという、鬼畜・外道の極みな性格です。
しかし、彼自身にも罪悪感があり、真理子が妊娠したときには、真理子が慕っていた客に夫になってくれないかと、必死に訴えるシーンが印象的でした。
どんなに外道なことをしても、やっぱり家族・妹を捨てることはできない優しい心が個人的に刺さりました。
真理子が、良夫に叩かれているにも関わらず、売春してもらった1万円を「家に入れる」と言うセリフは、健気すぎて辛かったです。
◆福祉サービスの存在を知らない
兄妹はなんで生活保護などを受けないのか、映画の設定が非現実的だというレビューがちらほら見受けられました。
私の知り合いに市役所で生活保護の業務に就いている方がいますが、生活保護を知らない層は一定数存在しているそうです。また、知っていても、「生活保護の世話になるなんて恥ずかしい」という思いから、福祉のサービスを受けずに、自滅していく層も存在しています。
豊かになった日本でも、最底辺層は福祉サービスまで辿り着けないのです。
自分とは無縁の世界だと決め込んで、そこに目を向けようとしない、見たくない、綺麗なものだけを見ていたいという我々一般人に、現実を突きつけてくるような感覚でした。
◆真理子の最後の表情は?
正直、ラストの真理子の表情の意味は分かりませんでした。
ただ、携帯の着信音に振り返った様子から、真理子は「お仕事」の合図を感じたのではないでしょうか。それを察した良夫の表情も印象的でした。
◆明日から自分は他人に優しくなれるだろうか
日本は世界の中では豊かな国ですが、未だに最低限の生活を保障してくれる福祉サービスにすら辿り着けない国民層がいます。また、犯罪を犯し、刑務所で罪を償った者が頑張って社会復帰をしようとするも、「国民感情」が彼らを社会から追い出す現実もあります。両者は生きたくても生きられない底辺という意味では同じ存在です。
私たちは、そのような人たちにどこまで優しくなれるだろうか。手を差し延べてあげられるでしょうか。
それを問われているような映画でした。
生きてくって大変だ
兄・良夫がとにかく浅はか。だけど見ていて嫌な気持ちにならない。愛嬌があるのかな?
生活保護とか、仕事探すとか、もっとやることあるだろと言いたくもなるが、
「なにもかもお前のせいだ」
と言いたくなるくらい追い込まれているというのがよくわかった。
そして何より、真理子役の女優さんが凄かった。何も違和感が無かった。丁寧な役作りが感じられた。すごい。
肇、お前が一番介入しなきゃダメだろ、っていう感じ。良夫に言われた「偽善者」という言葉が綺麗に当てはまるキャラクターだった。これは観ている側にもグッサリ刺さる言葉だったと思う。
以下、印象的なシーンなど。
ヤクザの客の後、目張りをはがすシーン。
解放感や、吹っ切れた感じもするが、そこには諦めもあったのかもしれない。
妊娠のことを客に知らせに行くシーン。
真理子の本当の気持ちはわからないが、あの大泣きには胸が締め付けられた。
ラストのシーン。
電話が鳴る。台詞は無い。二人の表情がとても良い。
真理子はあの動きと話し方が知的障碍者としての彼女の特徴を表しているけど、喋らずただ黙っていることで、一人の人間、一人の女性としての彼女の気持ちが全部表情に出ている感じがした。すごく良いラストだったと思います。
それから、忘れてはならないのがプールのシーン。
奇想天外なウンコバトルには大いに笑わせられました。
真理子と周囲の会話が嚙み合っていないところは、微笑ましくもささやかコメディが忍ばせられていて、そのお蔭で暗くなり過ぎず、あくまでもあの兄妹が逞しく生きている様を切り取った映画になっていると思います。
私は偽善者なんだなと悲しくなる作品
この兄妹の演技凄かったです
平和ボケしてる私に存在すら分からなかった
社会的弱者を見事に見せつけてくれたんだなと
兄妹のしてきたことは目を覆いたくなるような内容
生々しくてちょっとキツかったです、、
でも、笑わせにきてるシーンもちらほらと。
妹が健常者だったら、こんなこと望んでないと思うし
普通に恋愛をしてたんじゃないかなと
悲しくなってしまいました
こういうお仕事されてる人もいますが
皆さんそれぞれ事情がある人がほとんどだと思います
作中で利用する男性たちもこういうことはダメだよと
止めてくれる人もいなく、世の中そんなに
綺麗じゃないんだろうなというのがリアルでした
肇くんは仕事して家庭持ってて、兄妹たちを気にかけてあげてた方だと個人的には思います
プライベートなわずかな時間を人に割くって難しいと思います
肇くんの奥さんなんかは子供が生まれから
余計に関わりたくないだろうなと感じました
真理子に対しても、冷たくするで終われるシーンも
人として切り捨てると冷たいから少しだけ相手をする
偽善者の嫌々感があるのもリアルでした
でもこの奥さんの対応も間違ってないと思います
脚が悪い、頭が悪い、性格が歪んでる
お兄さん1人を責める気にもならないです
あの人格になるまで苦しかったろうなと思います
ループして終わるのが映画らしいなと思いました
この兄妹はここから抜け出せない
社会で受け止めないといけない
ノンフィクションなんだと思います
でも何もできない
知ることしかできない
仕事を選んで働ける、好きなように生きれる
幸せを感じるしかなかったです
自分が偽善者と分かる後味の悪い作品です
ひどい話だ。
こんなことがあっていいのか。
生活していくのにはお金が必要。
障がいのある妹を養って行かなければならない責任がある。けど、自分は足が悪い。
妹は嫌じゃなさそう、それならお金入るし
いいかって、普通はならないんだけどな。
普通じゃないんだよなー。学生たちに
金を奪われそうになったとき、自分の便で
攻撃、これも私は考えたこともない反撃だった。
妹はわかっていない。けど、
わからないなりにも、何かを感じ取っていて
泣きわめいたり、ちょっと不安定になったり、
そこらへんがすごくリアルだった。
見終わった後、なんだかズーーんと気持ちが重くなる。
兄弟に障がい者がいたら、
頼れる人がいなかったら、どうなってしまうのだろう。なにか救ってくれる補助やら何かがあるのか。難しい問題だ。
主演女優の和田光沙さんが凄い!!
内容が衝撃的過ぎて倒れそうでした。
日本の何処かに良夫と真理子のような境遇の兄妹が存在しているかもしれないと思うと涙が止まりませんでした。
良夫は足も悪いし障害を持つ真理子を抱えているのだから、ちゃんとした手続きをすれば生活保護を貰えるだろうし、真理子は障害者なのだから手続きさえすれば国からのサポートもしてもらえるだろうに…
警察官の友達は良夫と真理子の状況を見て市役所に相談するとかしてあげないんですね。
それが引っ掛かりました。
それより真理子を演じた和田光沙さんの演技が凄すぎて感動しました。
途中でDVD止めて配役を確認しましたもん。
本当に障害者を使っているのかと思いましたよ。
素晴らしい女優さんだと思います。
調べたら2020年の日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞は「新聞記者」のシム・ウンギョンさんが受賞してますが、この映画を見たからには私の中では2020年の最優秀主演女優賞は和田光沙さんです。
日本では、このような素晴らしい作品が日の目を見ないので悔しいです。
そして日本が本当に生活に困っている弱者に優しい国になることを願います。
片山慎三監督の今後の作品にも注目していきたいと思います。
人間は変わらない話
終わり方が深い。
人間は変わらない。
なぜ妹を殺せなかったのか、なぜ高い金を払って中絶させたのか、ということが終わりを見るとわかる。
物語が進むにつれて、最初はただ生きることの障害でしかなかった妹の心情が見え、主人公も心が少しずつ動いていく。
貧しい生活の中にも心は見えるけど、心よりも当面のお金を優先する主人公。
それがとても人間臭い。臭すぎて、顔をそむけたくなるくらいなんだけれど、それが魅力的にすら見える。
これはやるせない話なんだろうか。価値観の多様性の話なんだろうか。
よくある底辺の人を取り扱ったストーリーとは一風変わった終わり方を見せてくれたので、この独特な気持ち悪さに満足できた。
救いがなくひどい映画なのにひきこまれる
救いがなく、ひたすら暗い?映画なので、好きではないです‥が、みはじめてから見終わるまで、終始引き込まれてしまいました。こんなこと思ったこともないですが、俳優人の演技がすごい!!
暗い映画とかきましたが、本当に暗いのかはよくわかりません。私の価値観では妹に売春させる最悪の兄ですが、妹は不快ではないとすると、被害者がいない?
ともかく、和田さんと松浦さんの演技がやばい!
最初の数分で冷めました
え?生活保護は?障害者支援は?
二人だけで家に籠もってるのならまだ分かりますが警察の友人いるでしょ?なんで誰も行政を勧めてあげないの?昭和初期の日本なら理解もできるが現代だよね、これ。
韓国映画ばりの現実感を期待しましたが、最初からリアリティに欠けた設定で興ざめしました。この状況ならさすがになにかしらの手当ては受けられると思いますよ。
たまに貧困ゆえの悲しいニュースなどありますしお話として観ればおもしろいと思うので星はつけました。
でもなぁ~海外で観られてこれがザ・日本だと思われたら迷惑だわ。。
とりあえず、自殺だけはしないで、生き抜きたい‼️
ストーリーだとか、展開だとか、演技だとか、どうでも良くなる映画です、いい意味で。
死にたくて、苦しんでいる人は、観た方がいい、とりあえず、生きたいと思うから。
かなり演技力が凄すぎて、底知れない恐ろしさがあります、知らない俳優たちですが、それが、プラスになる、恐ろしさ。
ストーリー自体は月並みですが、演技が凄いので、鑑賞も極限に近くなります、吐きたくなります、いい意味で、名作です。
映画ファンなら、必ず観るべきです、価値観が変わるでしょう。
一度死にたくなり、どうしても死なないで生き抜きたい‼️そう、思わせるような映画です。
二人の生き方は正解なのか…この問いに悩み苦しむ1本
ここまで感情の整理がつかない映画は初めて。
捉えるのが難しい一方、描き方に芯を感じるので見ごたえがある。右足に障害を抱えた兄と、自閉症の妹が苦しみながら光を求める姿は苦しく胸が痛い。自閉症の妹に欠けた理性を利用するしかない事への辛さに、生きていくための足掻きが重なる痛みが刺さる。
彼らなりの答えと周りの人間の移ろう心模様。「人間らしさ」が露骨になるとき、生きることの儚さをつくづくと感じる。
ブラックだよ!
うーん
まず唸りますけど
障害年金や生活保護はどうしたん?
ほんで、風俗やなく売春って
しかも無許可ですよ。
犯罪です。
いまでは風俗店もちゃんと営業しており
少し知的の女性も働くことができます。
お店が管理してくれるので取り分は少なくはなるでしょうが危険な目にはあいにくいでしょう。
そうこの映画の1番の問題点は
支援を受けることさえしらない無知
その一言に尽きます。
だから妹の性でお金に変えようとしますがそれもあのやり方はいけない。
ただ、救いは妹が幼い頃に自慰行為をしていた事からもわかるように性に積極的といいますか、好き者なんですよ
それが不孝ではないと
妹がHな事がダメなタイプならもっと悲劇です。
性的虐待になります。
実際には、こんな感じで本当に支援が必要な人には支援が行き渡らなくて、グレーゾーンからブラックか?ってな詐欺まがいで、丈夫な体に利口な頭脳をずる賢く使える輩たちには簡単に申請が通る世の中なんでしょうね。
そんな事を思いながら結局最後まで観ました。
重い映画なのですが、なんとなくコメディタッチな部分もあり
笑うのは不謹慎か?と思いつつ、クスッとします。
その不謹慎か?と思ってしまう自分が差別か区別を生んでいるのかも。
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