劇場公開日 2019年3月1日

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「これまた雰囲気映画…」岬の兄妹 芥さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0これまた雰囲気映画…

2024年6月30日
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鑑賞方法:VOD

単純

映画評論家の方々がこぞって高く評価しておられましたし、題材としても惹かれる物はありましたので、満を持して見させて頂きました。
僕個人の映画に対するハードルを上げすぎたのでしょうか。近年でよく作られる、「社会に見放された弱者」系映画ですね。これといって突出したストーリー性も無しに、牛歩で場面が進んでいきます。

リアリティというか、感情の繊細さが微塵も描かれていませんでした。役者さんの演技で補っている印象ですね。
兄が妹を“使って”金儲けをするという題材で、兄にも妹にもヘイトが向かいすぎないようにしなければならないと勝手に僕自身が思っているのですが、にしても兄の苦悩も妹の苦悩も薄っぺらく感じてしまいました。
確かに、兄は身体障害者、妹は知的障害者、という社会的にはハンデと言われる特性を持ち合わせていますが、これは現実の話ではなく映画の話です。映画としてのキャラクター性に欠けていると、何故か感じてしまいました。
もう少し兄が幼少期に感じているトラウマだったり、妹の介護をしなければいけない苦悩であったり、そこら辺の“どうしようもない苦痛”を描きたいのであれば、感情移入がしやすい映像描写がもう少しあっても良かったのかなと。

何を伝えたくて描いているのか分かりません。
同じ系統の映画で言えば、佐藤二朗監督の『はるヲうるひと』がありますが、断然あちらの方が登場人物の心理描写は細かく、繊細に描かれています。そして、人生とは何なのかを丁寧に問いかけられていると思います。
この映画は少しも、その問いかけが無かったように感じてしまいました。監督の自慰作品の様な気もします。

これを「深い」と言えない自分は『映画好き』と語れないのでしょうか😭
世知辛いです😭

芥