「くそくらえ。」岬の兄妹 エクさんの映画レビュー(感想・評価)
くそくらえ。
港町、ドス黒い港町、黒い海、曇天。
貧しさの極限。絶望するような無知。
なのに、なのにちょっぴりエンターテイメント。
たくましい。食べる、食べる。
まぐわう、まぐわう。笑いもある。
生きようとする。生きる意思がある。だからズレる、生きようとするから、常識から逸脱する。
スクリーンに写し出されるのは、たくましい、いや、間違いなくたくましい兄妹。
社会的弱者?くそ食らえ!ほんとに食わせてるし!
生きようとする意思が画面にみなぎる。
食って食って、まぐわってまぐわって。
ジタバタジタバタする。
まったく困った兄妹。でも生命が生きようとうごめいている。
生活保護?ふざけるな。血の通わない制度で
この兄妹を抱えられるものか。
もうちょっと別の喜びも兄妹に伝えてやりたくなる。同じ人間として。限られた命を持つもの同士として。一歩間違えれば同じような境遇に陥りかねない暮らしを営むもの同士として。
貧困と無知と矛盾を題材にして、しっかりしっかり映画になっている。
すごい手腕だと思う。
衝撃の映画体験だった。
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