蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
全81件中、21~40件目を表示
世界が鳴ってる
ピアニスト達が、触発し合い
見えざる領域への扉を見つけ、
自分達の世界へ旅だっていく
お話しでした。
人の五感でよいと感じると
こんな感じですが
味覚→美味しい
視覚→美しい
触覚→気持ちいい
嗅覚→いい臭い
聴覚→?
心地いい?
どういう言葉がしっくりくるか
選べないんですが、
音によって感情が
揺さぶられるんです。
本作の音は、
聴覚に直接届いて
訴えてきます。
主演の4人にそれぞれ
国際的なピアノ奏者が
いて人物の背景や現状を
音で表現しているのが
わかります。
一般社会では、
ちょっと変な人が
何かが欠落しているが故に
天性の才を身につけていて、
その天才達しか
到達できない領域で
お互いが反応しあって
成長し、彼らの奏でる音の
美しさに心が奪われます。
観ていて、純粋に音の美しさに
浸れるのは、
彼らが足の引っ張りあいなど
をせずに、
お互いを高めあう空気が
こちらにも伝わってくるから。
演者の感動が観客に広がるんです。
ライバルを助け、最終的には、
場のレベルが上がり、
自身の演奏も一皮むけていく4人。
演奏は自分との戦いという
コンセプトを
ライバルとの不毛な駆け引き場面を
映さないことで際立たせています。
だから
栄伝亜夜の
最後の演奏は鳥肌もの。
庭には植えたつもりが無いものの
方が多く育つという
ことわざのように、
刺激しあって
予想しない才能の引き出しが
増えていくのを
スクリーンを通して
共有するのが心地いいです。
美しい音の旋律が
頭を駆け抜けていく
快感を体験できます。
原作が好きな人にはがっかりかも。ただし良い改変箇所もあるので賛否両論。
自分は藤倉大さんが「蜜蜂と遠雷」の架空の課題曲作品の音楽を担当することを知って、原作を購入し読みました。
原作はクラシック音楽に関する調査が非常によくできており、素晴らしいなと思いました。ぼくは作中だと奏ちゃんが好きです。
さて映画では…あれ、奏ちゃんどこ?
といった感じで自分の好きなキャラクターが映画に出てなかったり、原作にはないシーンがたくさんあったりと「はぇ〜すごく解釈違い…。」って感じでした。
ただし、原作ではマサルが結局、1次から本選まで何の気苦労もなく、まぁせいぜい女の子と遊んだ程度で優勝をかっさらっていった、いわゆる「モノホンの天才型」として描かれている(もちろんそれはそれで、元来、芸術分野における天才とはそういう悪魔的な性質を少なからず帯びているので、ある種、非常に皮肉的というか、写実的で、鋭いなぁと思い、そっちも良いのですが)のに対して、そんな天才でも指揮者にいじめられたりして悩むシーンを挿入したのは、まぁそれはそれでマサルに対して感情移入ができて良い改変だったなぁと思いました。
だからまぁそういう意味では原作にはない改変が多数見られるので、自分のようにそういうのに対して耐性がない人には絶対におすすめしたくないです。原作を読んで奏ちゃんを推そう。(布教)
またそういうのに耐性があり、その違いを楽しめる人にはとてもおすすめです。奏ちゃんは良いゾ。(布教)
剥き出しの天才たち
いやあほんと素晴らしかった。
冒頭から只者でない感を出してくる風間塵が最高で、ずっと釘付けに。ここで彷彿させたのは「ソーシャル・ネットワーク」。天才たちとの壁を感じてる、生活者レペゼンの桃李くんが天才をめざめさせるきっかけを作るくだりも感動的。
松岡まゆは台詞は少ないのだか、存在感が圧倒的であり、最後のシーンはブラックスワンのナタリー・ポートマン思い出しました。そして最後、森崎ウィン君が勝ったというのが素晴らしい。アンチクライマックスな作りでありながら、クライマックス以上の深い感動が身体に沁み渡る感覚。。差し込まれる馬もやたらかっこいい「愚行録」も大好きでしたがやはりこの監督すごいです。
ブルゾンちえみの違和感と、存在自体素晴らしかったが残念な説明台詞をしだす斉藤由貴以外はほんと最高でした!
音楽の素晴らしさ
好きなことを続けるか止めるのか、
ピアノを通じて様々なメッセージのある4人の物語。
松岡さんの表情の一つ一つに心を奪われました。
最後のプロフィコフ本番で
トラウマに立ち向かい少しずつ克服するところで
母を亡くした少女の心情を思い浮かべてしまい
涙が止まらなかった。今年一番泣いてしまった。
時間が合わなくて見れないかと思っていたが
観ることができて本当に良かった。
天才にも沢山の戦いがあって努力している。
自分も何かで輝けるよう頑張りたい、続けなきゃと
勇気をもらいました。
自分でも思っても見なかったタイミングで感情がさらわれて涙が出る
本選のマサルの演奏、明石とあやがピアノが好きという会話を交わすシーン、ラストのあやの演奏で涙が出たんだけど、どうしてかと言われても、なんか勝手に出た、という感じ。ヒューマンドラマに感動してとかじゃなくて、各俳優のふとした表情と音楽を見て聞いてたら、何かが琴線に触れてこっちも自然と音が出ました、みたいな感覚。原作を読んだ時に、凡人が、天才の片鱗に触れられる本だと思う、と感想を持ったけれど、その世界観が見事に切り取られて立体的になった映画だった。なんか分かんないけど、見終わって映画館を出た後もまだ泣きそうになる、感覚の奥がまだ震わされてるような気分。あとは、海で遠雷を眺めるシーン、塵が木製の鍵盤で練習するシーン、マサルとあやの連弾のシーン、あやと母親が世界の音を一つ一つ見つけていくシーンが好き。海のシーンでは凡人代表、ブルゾンちえみと明石のやりとりも良かったな。
ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない
原作未読。
松岡茉優が可愛いので観に行きました。
演技、またストーリー共に素晴らしかったです。
そして可愛いかった😍
「蜜蜂と遠雷」というタイトルの意味がクライマックスで理解出来た気がします。(解釈の問題かもしれませんが)
主要人物それぞれに抱えている殻というや壁があり、お互い譲れない想いを持って挑んだ登竜門とされる大会でお互いの演奏などを通じて刺激を受けてそこから脱皮していく様はまさに蜜蜂が花から花へ花粉を運んで咲かせるよう。
遠雷は言わずもがなでしょう。
さながら「ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない」という言葉のような言葉だなと思いました。
私は音楽は門外漢ですが、きっと音楽(クラシック)が好きな方には堪らない作品だったのではないかと思います。
とてつもないプレッシャーの中で人生の殆どの時間をピアノの演奏に費やすピアニストたちの孤独や葛藤、また刺激し合って高みに至る姿はクラシックをよく知らない私が観ても圧巻でした。
惜しむべくは私に音楽についての知識も素養も皆無なので、”音楽の神様”の凄さや影響力、作中の演奏が全く分からず雰囲気で凄いという感想で評価せざるを得ないため、その分は未評価として☆4つとしました。
役者、映像、構成どれをとっても素晴らしい
天才4人達の演技は非常に良い。
特に松岡茉優の過去を克服したときの演技はあからさまではないが確実に内側が変わっているのが感じられその演技の緻密さにただただ圧倒された。
栄伝亜夜の演奏シーンにおける母親の描写、月の下での連弾などは重みがありかつ美しいものだった。
あまり多くを伝えすぎに確実に心情を描写していて、順位発表の後に無駄な演出が無くて安心した。
子育て中に夜な夜な出かけてまで見に行ってよかった
原作恩田陸さんのファンで映画化とても楽しみにしていました。栄伝亜夜を松岡さんが演じられるということで既に期待大でしたが、期待を上回る内容で、とても心地良く映画館を後にしました。
特に栄伝亜矢と風間塵の2人がかかわるシーンはどれも宝物のようでした。
他の方も書かれていますが、風間塵役の役者さんが小説を読んだ時のイメージそのままで驚きました。
-0.5なのは、個人的に塵とホフマン先生のシーンを具体的に描いて欲しかったという期待があったので。
育児中なのでそうそう映画館に足を運ぶことはないのですが、夫にお願いしてレイトショーで見にきて本当に良かった…素敵な時間になりました。
原作未読で音楽無知の私が観た場合
ピアノ!ピアノ!ピアノ!!怒涛のピアノ演奏の連続で前のめりにグッと引き込まれました。
しいて言えば絵に描いたような型破りの神童キャラと、仲良く砂浜にお出かけシーンがちょっとクドくて気になる。
『セッション』ほどの鳥肌が立った怒涛のラストとは行かないが、それでも最後はスタンディングオーベーション!
わくわく感がなかった・・・
原作既読です。基本的に、小説のイメージと映画が重なる必要はないと思っています。映画には映画の表現方法があるからです。
しかし、今回は映画を見ながら、「一体何を表現したいのか」と疑問に思いました。
ピアノ演奏のシーンは、出演者の練習の成果が表れていて、実際に弾いているように見えるだけでなく、迫力があります。
演奏シーンを除くと、各シーンは出演者の動きが少なく、ほぼ台詞やモノローグで進行します。しかも、台詞で「説明」ばかりしているので、退屈です。雨だれ、海岸などを映像で挿入していますが、カラオケの映像を見ているようで、訴えかけてくるものはなかったです。
この映画の失敗は、脚本です。脚本は監督ではなく、プロの脚本家に任せるべきだったでしょう。最後に、作品の大切なメッセージ「世界は音楽に満ちている」を台詞で伝えたのには、笑うしかなかったです。メッセージは映像から感じさせるべきです。さまざまな見方を聴衆に与えるのが映画で、説明や解説は不要です。
蜜蜂はどこ?/音楽に身を浸す喜び(原作未読)
塵くんとお姉さんがピアノ工場で弾く、月の光〜イッツオンリーアペーパームーン〜ムーンライトソナタの即興連弾がとてもステキでした。海辺の満月の黄色と薄闇の青(ピアノ工場へ向かう道)もきれいだったし、二次予選であーちゃんが弾くピアノに映り込むお母さんと幼きあーちゃんの映像も良かった。
印象的な演出、映像がいくつもあって胸が踊りました。
水の跳ねるところ、馬が駆けるところも、意味は分からなかったけど、印象に残る映像でした。
原作は未読です。松岡茉優に惹かれてみることにしたのです。
桐島といい、あまちゃんといい、問題のあるレストラン、真田丸、万引き家族…と、出演作品のどれを取っても印象的で、数年前に出演したボクらの時代で、10年以内に映画賞を獲りたいと言っていたハングリーな感じが好きで、密かに応援しているのです。なので観ました。観て良かったです。
役者でいえば、風間塵くん役の子も良かったです。誰の手も及ばぬ処にある強い個性が感じられ、魅了されました。
あとは喋らないクロークにいるはいりちゃん。
あと、審査員のひとりの演奏中にパン食べてた人、のだめカンタービレでマルレオケのコンマスの人やと思います。テオが困ってるんちゃうか?と思いました。
音楽については、プロコフィエフのコンチェルト2曲ってなかなか並ばない演目ちゃうかな?とか、バルトークのコンチェルト、好きかもって思いました。
プロコフィエフはバレエ音楽でしか知らなかったけど、コンポーザーピアニストだったんですね。
あと、カデンツァを自由に作曲しましょうなんて課題、でるんですねー。へー、と思いました。
わたしは本当に演奏するセンスが全くないので、長く習ったピアノもろくに弾けません。部活で始めたクラシックギターもソロで聴かせる技術は得られませんでした。でも音楽は大好きです。ポップスもロックもクラシックも詳しくないけど好きです。なので、良い音響でかっこいい音楽が味わえて、それだけでだいぶ元が取れました。
このように映画はほんと、なかなかよかったですが、タイトルにある蜜蜂が羽音さえしませんでした。遠雷は出てきましたが。
劇場から出るとき、原作既読と思しきの方々が、色々愚痴っておられたので、小説に置き去りにされた要素も色々あったんでしょうね。
でもなんせ上下巻のぶあつーい長編小説を2時間にしたんだから、多少はね。
もちろん、私が盗み聞きをしたお客さんたちも、好意的な感想の上で、あーだこーだ言っておられました。
原作は、、、上下巻、、読んでみたいけども、、長、、うーん。
何回かみると評価がかわるかも
それこそ風間のように、何度か観賞すると良さがわかってくる作品なのかもしれません。初見では△という感じです。
どうしても原作とくらべてしまいました。自分のなかである程度イメージができていたから余計に。。。
作品においてキャラクターを重視するタイプなので、キャラクターの登場有無や性格改変は特に気になりました。奏や綿貫先生がいないこと、三枝子が他キャラの役割まで引き受けたゆえに異なる印象であること、小野さんが過度にいじわるになっていたこと等々。
独特というか、なかなかスローな盛り上げ方だったためか、すこしやきもきしました。原作は亜夜が早々に開花してどんどん神格化していくイメージだったのですが、映画だと...「ピークを絶対に1ヶ所に持ってこないとダメ!」みたいな空気が伝わってきました。短時間でカタルシスを味わってもらうためには仕方がないのかな。
もちろん楽しめた部分もあります!
亜夜、風間くん、明石、田久保さんはイメージ以上のはまり役でした。あと斉藤由貴さんの英語にしびれた!
そしてやはり実際に音が聴けるのは映像ならではの醍醐味でした。ラスト、"万雷"の表現が見事でした。
映画館を出たあと、身の回りの様々な音や音楽がよく聴こえるようになりました。すこしだけ作品との境界線に立てたような気がしました。
原作未読組です。つまらなくて疲れました。
吹き替えのピアノが四者四様(という言葉はありませんが)で素晴らしかった。
思わず立ち上がってブラボーと叫び拍手を贈りたかったです。
それ以外はひどく、時間がもったいなかったです。
ただただ長いだけ。
原作をうまく読み取れなかった…?
「蜜蜂」と「遠雷」の所以は…?
やたらとある雨描写と黒い馬は…?
何度も何度も同じ過去の映像に引き戻す意図は?
松岡茉優の演技が下手くそすぎて(ピアノ演奏シーンも1人だけ真横ありませんでしたね)「影のある」じゃなくてただの「コミュ障」にしか映らない。「フフフ」がただただ気持ち悪い。
コンクール本選に至るまでの人物描写が浅いため、最終盤のシーンでも全く感情移入できませんでした。
あえて俳優名で書きますが、平田満さんが素晴らしかったです。
「栄伝さん、時間です」 7年前と全く変わらない所作に思わず涙がこぼれました。
片桐はいりとブルゾンちえみの出てるシーンは一切いりません。
特にブルゾンちえみはなぜキャスティングされたのかも不思議で仕方ありません。
彼女じゃなくてもいいし、あの密着取材もどきの描写自体必要ない気がします。
ピアノコンクールに出場するようなピアニストが、音の鳴らない鍵盤楽器で練習するとか非現実的で、そういう「適当さ」が作品自体をダメにしている気がします。
最後に明石がたどりついた答え的に、「私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?」のキャプションはあえてつける意味があったのか?疑問が残ります。
退屈でした
本は読んでいませんが、昔ピアノを嗜んでいたのもあり、とても楽しみにしていた作品でした
が、前半は眠くて眠くて……
と言うのも、グッと引き込まれる、心を鷲掴みされる描写がなくて、見終わってみると、ダラダラ長い映画だったなと言った感想でした
タイトルと物語が合致しない感もあるような……
指揮者ですが、指揮を覚えたての小学生がいっちにーさんしーと、振ってるみたいで、少し違和感……
あと、黒い馬!あれはなんだったのでしょうか??(どなたか教えてくださーい!)
最後に……塵役の鈴鹿央士くん、愛らしかったですねー.゚+.(・∀・)゚+.゚
彼が使っていたピアノ……昔の大映ドラマ、少女に何が起こったかを思い出しました笑
今後の活躍に期待したいと思います
原作を読んだ方が良かったのかな
ピアニストを目指す4人がフューチャーされているが、全員にスポットを当てているため部分部分がわかりづらい。あと片桐はいりの描写はけっこう謎だったりする。
原作読んで予備知識があったらもっと深く入り込めて楽しい映画だったのかもしれない。
蜜蜂は?修羅は?
原作より登場人物がコンパクトにまとめられていて良かった。
しかし主役4人の描写が不満。
・タイトルにある蜜蜂は、「父が養蜂家」このセリフだけ?
ジンは、練習風景よりも自然児たる姿を見せて欲しい。麦わら帽子被せてお終いにしないで。
・明石は、やけに比重が大きいように感じた。「生活者の音楽」というセリフも多すぎる。
・アヤについては、ジンから触発される様が分かりにくいのではないかと思う。
修羅と母、このセリフを必ず入れるべきだっだと思う。
・マサルの葛藤は、先生との衝突だけで良かったのでは?オケの描写の蛇足感。
・後は審査員が中途半端な感じ。いっそ一切発言させずに権威的に描けば良いのに。
「元天才少女からのアドバイス」も唐突。
含みのあるセリフ(離婚の慰謝料)は、原作読んでなきゃ伝わらないと思う。
・雨(ギャロップ)の映像がやたらと出ていたけど、あまり効果をなさないのでは?
・音楽については、ひとつだけ。
ジンがサティを間奏に使うの、聴きたかったなぁ〜
・純粋に楽しみに行った。物語や音楽に没頭したくて。だから残念。もっとのみ込まれたかった。
・最後に、英語のセリフが多々あり、その間字幕です。お子さんと見る方ご注意を。
映像も演技も最高!なんだけど…
オイラには
ハードルの高い映画でした…
映像はいったいどうやって
撮ってんだうというほどの迫力がある演奏シーン!
実際に
弾いてるように見えるシーンなど
基本的に最高でした。
でも…
んー
オイラだからでしょうか?
音楽てきについてこないというか…
天才少年の何者にも縛られない
天真爛漫自由奔放な演奏!
ミスターパーフェクトな
楽譜に忠実な演奏!
元天才少女のどこか悲しげな
何か羽ばたけない傷を抱えた演奏!
音楽だけやってる場合じゃない
普通の人間の演奏!
に、差を感じる事ができない…
音の差を感じないのです!
どれも素敵に聴こえるというか…
言っちゃえば
松岡茉優が殻を破る前後も…
演技的な差や映像的な差は
わかるつもりなんですが…
音的にどう変わったのかはよくわからんのです。
ピアノオンリーの曲から
オーケストラの曲に変わってるし
オーケストラで弾くことが
こころの傷になっていてそれを
振り払うことにカタルシスがあるのは
わかるのですが…
オイラにはわからんのですよねー
うーむ
全部すごい演奏に聴こえてしまうのです。
小説や漫画なら
自分で何となく想像で
脳内音楽を奏でるんですが…
実際に映画として流れちゃうと
差を感じれないオイラには
この映画を最高に楽しめてないなーって
感じちゃいます。
あと原作未読組みなんですが…
蜂蜜と遠雷とい意味ありげな
タイトルなんですが…
この映画を見てもあまり
タイトルに直結しないなーと
思っちゃいました。
素晴らしかった
コンテストを目指して若者たちがひたむきに頑張る姿は素晴らしい。そもそもが高いレベルにいる天才たちがさらなる高みを目指して努力を惜しまない。演奏が素晴らしいのだけど、コンテスト向けなのかやたらと演奏が難しそうで、普段聴きたい感じではなかったし、あまり印象に残らなかった。映画館の素晴らしい音響で聴けてよかった。
原作小説を妻のお母さんにいただいて、読もうと思っていたのだけどお母さんが、音楽よく分からないとおっしゃっていて、どんな音楽なのか映画のおかげでよく分かったので、これから読んでみたい。
斉藤由貴がすごい存在感で出ていたのだけど、どうしても愛人がパンツを被っている画像が脳裏をよぎる。現場でも「僕も一度被ってみたいと思っていました」などとからかわれることはなかったのだろうか。
どうやって小説にした?
私は音楽についてはほとんど素人で、映画同様、心を楽しませてくれればクラシックでも演歌でもJ-POPでもこだわりはない。というか、違いを理解するほど見識がない。その程度なので音楽コンクールなどというものは皆目見当がつかないが、この映画で思い起こされたのは2010年のショパンコンクールだった。ユリアンナ・アヴェデーエワがアルゲリッチ依頼の女性で1位となったことでニュースとなり、それまで音楽コンクールなんて聞いたこともない私でも耳にした。その他の参加者(コンテスタントと呼ぶことをこの映画で知った)もタレントぞろいで話題だった。ヴェンダー、ゲニューシャス、トリフォノフ、デュモン、ネットくらいでしか聴けなかったが、個性豊かな面々なのは私でもわかった。アヴェデーエワを筆頭に何人かの入賞者が日本で行ったガラ・コンサートにミーハー根性丸出しで聴きに行った。若い才能が伸び伸びと観衆を魅了していた。彼らがどれくらいお互い親しいのかは知らないが、1つのコンサートを作り上げたsynergyはこの映画で描かれたコンテスタントの関係性となにか相通ずるものを感じた。もちろんフィクションとは違って本選では彼らはライバルとして火花を散らしただろうが。実際のコンクールと似ているのか、かけ離れているのかは別として、ピアノという音楽の美しさ、若い才能の絡まる様を繊細かつ壮大に表現しているところはこの映画で堪能することができた。
おそらく多くのひとが目に留めたであろう、松岡茉優と鈴鹿央士の連弾のシーンは印象的だった。お互いをくすぐり合うかのような音と心の絡み合いは、ベッドでふざけながらイチャイチャするかのように感じられ、いよいよもって私もスケベジジイの仲間入りをしたかと自分にあきれた。
ほとんど満足なのだけれど、ご多分に漏れず、小言も言いたい。
映像と音でこれだけ高い芸術性を表現しているが、解説めいた話のスケールが小さい。
perfectionとは技術レベルを落として安全に演奏することだろうか。
最初にユリアンナ・アヴェデーエワのピアノを聴いたとき、抱いた印象は”perfection”だった。冷戦時代の東欧諸国の体操選手がオリンピックで技や着地を完璧に止める、あの絶対性を彼女のピアノを聴いて思い起こした。実際彼女はロシア人であることも影響していたかもしれないが。だが、ミスがないわけではなかった。前述のショパンコンクールのときはコンチェルトで初っぱなミスタッチがあった。その後ショパンの時代のピアノでアヴェデーエワが同じコンチェルトを日本で弾いたがそのときも同じところでミスタッチをした。しかし、ミスタッチしたからといって彼女のピアノのperfectionが崩れたとは思わなかった。難易度を下げてミスなく演奏することとperfectionというのは別次元のことだと思う。
日本で行われる1コンクールとはいえ、世界中から参加して音楽の天才云々を語るというのに、主要な参加者がみなアジア系、しかもみな日本にゆかりがあって悠長に日本語を話す「内輪のメンバー」というのはぐっとスケールが小さく感じられる。対照的に審査員たちがヨーロッパ系で、斉藤由貴の話す英語の背伸び感が心もとない。
鈴鹿央士、天才だっていうのはいいけど、お偉いさんの推薦つきってちょっといやな感じ。伝統的に権威主義的な世界なのかもしれないけれど、コンクールの審査に亡きレジェンドからの推薦って出来レースでは。対象は違うけれど福島リラのお怒りごもっとも。
片桐はいり、うまいのはわかるけど、いかにも。平田満さん、いつも見ますよね…見たことがある人が多いと、どんなに名優でも天才と音楽の話が一気にお茶の間感覚になっちゃう。眞島秀和、チョイ役なのに「あ、杏ちゃんの彼氏の先生」となっちゃう。無名のひとでよかったのでは?究極はブルゾンちえみ。本人がかわいそう。キャスティングの責任。
ともかく、最後は音楽も楽しめてよかったです。
これ、どうやって小説にできたんでしょう?読みたくなります。
帰ってからAnna Vinnitskayaのプロコフィエフを聴きました。
今日はユジャ・ワンが聴きたくなりました。
素晴らしい。
間の取り方のうまい監督さんだなと思う。
映像、セリフ、動作、感情。
すべてが美しい。繊細。
劇中に出てくる文字情報の書体、文字組みまで美しい。
松岡茉優さん、素晴らしかった。
彼女を素晴らしいなと思ったのは、
「部長!」と迫る元気なOL役のCM以来。
それが彼女の初見だったから、
久々に素敵だと思えて、とてもうれしい。
ひとつ残念な点。
松岡茉優のラストの演奏シーンで、
斉藤由貴に設定回収をさせるシーンを挿入しないでほしかった。
演奏シーンが素晴らしかっただけに
一気に見せてほしかった。
ただそれは瑣末なことで、
映画はとても繊細で素晴らしいものでした。
月光のなかの連弾の美しさ。
画としても、時間経過を伴った映像としても美しい。
それを実現するのは難しいことだと思う。
いろんな軸から俯瞰で見えているということかな。
この監督さんの次回作も見たい。
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