蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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4人の演技の天才が魅せるピアニストの苦悩
原作ファンとしても完成度の高い映画だった。 まず見終えて思った事がピアノの演奏シーンはまるでアクション映画のクライマックスシーンのように(それもロック様が魅せるような)手に汗握る興奮と感動があるシーンだった。 クラシックでこれほど魅せることができるとは〜 感嘆の一言です! そして3人のピアノの天才と1人の努力の天才を演じている4人の役者も演技の天才だった。 彼ら以外は考えられない。
この映画の魅力
この映画の魅力が本当にわかる人は少ないのではないかと思ったが、僕自身も素晴らしいと思ったけど、本当の魅力が理解できなかった。でも言葉少なく心情表現の例えシーンとかも少なくて画力に引き込まれた。 サントラが欲しくなり、フルで交響曲が聞きたいと思った。 コンクールの結果が最後字幕で出たが、誰もが納得な結果だったと思う。
素晴らしい
原作は未読です。 普段は絶対に観ないジャンルなのですが、なぜが気になって仕方がなく、とうとう鑑賞してきました。 今はただただ自分の勘を褒めたたえるばかりです。 素晴らしかった。まずこの言葉が出てきます。 ピアノもクラシックも全く縁がない日々を過ごしてきましたが、そんな素養皆無な私でも大変に楽しめました。 まずメインのピアニスト4人組を演じる役者さんが皆さん良い仕事をしていらっしゃいます。 特に栄伝亜夜役の松岡茉優さん。陰のある女性を見事に表現されていました。それに加えて声がいいですよね。「ほらできた」で打ち抜かれました。 本戦のピアノ演奏には感動して、涙腺が緩んでしまいました。これまでの展開があってからのあの演奏は本当にずるい。最後の拍手もずるい。 ピアノの良し悪しはよく分かりませんが、演奏を担当されていたピアニストの方々、皆さんすごく良かった。耳が幸せでした。 音楽系、それもクラシックとくれば、演出の方は相当悩んだのではないでしょうか。その集大成もあっての、あの感動だと思います。 タイトルから映像から演奏も音も、何から何まで美しい体験でした。 クラシックには全くといっていいほど興味がなかったのですが、この作品のせいでプロコフィエフをあさる始末です。 鑑賞後には感動をそのままにパンフレットを買って、書店に直行して原作も購入しました。今は、アルバムはCDかダウンロードか悩んでいるところです。 原作者と同じく「よくこれを映像化しようと思ったな」と呆れる気持ちもありますが、映像化しようと思ってくれて本当にありがとうございます。 注意点としては、英語で話す場面が多いので、字幕が予想以上に出てくる事です。ご年配の方、視力が弱い方はご留意ください。
ピアノも映像もとても綺麗
普段はクラッシックは聴かない生活なので、どれだけ理解出来るか不安でしたが、そんな私でもとても解りやすく、感動させて頂きました 4人それぞれへの想いが入っていたのか 演奏を聴いてるだけで涙が出てきて... コンテスト以外でも 明石の『春と修羅』を聴いたあとの 亜夜と塵のデュエットは凄く美しかった! 欲を言えば、あと10分くらい延長して欲しいかな。 2時間でコンテストの日々が完結していたのですが、その後にもう少しだけその後のストーリーが見たかったな
美しい
映像が美しいのはもちろんのこと、役者さんにとても品があった。 原作を数年前に読んだ時は、頭には情景が浮かび、それがまた非日常的なところが好きだったが、今回の映画化によってそのイメージが崩れることもなかった。 ピアノの音やオケと合わせたその音楽が好きな私にとって、映画館で綺麗な音が聴けたこと、そしてそれと同時に綺麗な映像が観れたことはとても嬉しいことでした。 松岡茉優さんの演技は普段そこまで好きではないけど、この映画では役にフィットしている気がして、松坂桃李さんはいつも通り演技が上手だった。
観終わった後に拍手したくなりました。
長大な原作をうまく整理、脚色し、映画の強みである音楽と映像を最大限に活かした作品で、2時間があっと言う間でした。4人のキャスト全員が役柄にぴったりで、その天才たちの個性、焦燥、迷いをセリフに頼ることなく、巧みなショットで表現しながら、コンクールでの演奏シーンのカタルシスにつなげる監督の手腕は見事です。特に月光の下の連弾やピアノに母親との思い出が映りこむショットはジーンときました。全く無駄なショットがないと思ったら、監督さん、脚本、編集もこなされていました。なるほど、ブラーヴォ!
栄伝亜矢に恋💛
恩田陸の原作は、音楽そのものを描いたものだ。小説では実際に音楽を聴いているようなリアルな表現が魅力であったが、映画では実際の演奏でその魅力を伝える必要がある。ピアノの演奏シーンは素晴らしいものがあった。四人の個性的なピアニストたちの姿勢や指の使い方、熱中の仕方などがよく描き切れていた。「春と修羅」では曲調の違いも良く出ていた。 これは音楽の魅力を伝えると共に、若き天才たちの人間ドラマでもある。内面まで深く描くことはできなくても、個性の違いと物語の中での役割はよくわかるように丁寧に作ってある。また、栄伝亜矢の「再生」を話の中心にしたいという意図はいいと思うが、四人を同じ重要度で描いているため、一人一人の印象が薄くなり「再生」のインパクトも弱い。本来なら四人が絡み合うことによって、より高い次元に達する姿を描くのが正解だろう。他の三人は引き立て役として、栄伝亜矢をメインにした話の展開にすればスッキリして映画としての完成度はあがったかもしれないと思う。
音楽素人でも
なかなかに楽しめると思います。 日本って、子供の頃にピアノをかじった人は多いですよねー 私もそのクチですが、かじっただけの人でも充分ゾクゾク出来る作品です。 原作を読もう読もうと思っていたのに(他に読みたい本が多すぎて)未だ読めていないうちに映画になってしまいました。 でもレンタルではなく、劇場の大音響で見られて良かったです🎶
音に包まれる快感
原作も知らずクラシック音楽もあまり知らないのですが、予告で気になり評判も良く、今日時間がちょうど合ったので見に行きました。 同じ曲でも独自の即興部分ですごい個性が出るねーとか、コンクールで即興審査するんだーとか、うまくいかないところやトラウマを仲間(ライバル)達との交流で克服していくところとか、面白かったです。 必死に努力してきた人たちが天才たちの才能に打ちのめされる姿に共感。 全体的にずーっといい音楽を聴かせてもらったなーという感想です。 もう一度音に特化したシアターで観て(聴いて)みたいな、と思いました。
自信、迷い、解放感、楽しさ、発見。 無限に広がり続ける彼らの心情が...
自信、迷い、解放感、楽しさ、発見。 無限に広がり続ける彼らの心情が、手に取るようにわかるピアノの音に泣きっぱなしだった。 天才たちの演奏って設定だが、本当に手の届かない境地の音を聴かせてもらった気分になる。 ピアノ吹替のアーティスト達も雰囲気がそっくりで、さらに現実味が増す。 美しくて涙が出る、こういう感覚ってあるんだな。 凄く特別な物を見させてもらった気分。
音楽コンクールも大変だね
音楽コンクールに挑戦する物語。現実的にありそうな話。原作は読んだことない。読んだことある人なら楽しめるかも。 本と違って、映画で心の機微や空気感を表現するのは難しいかも。 内容が登場人物4人に分散して平坦に感じてしまう。4人の物語。 映画としては、悪くもないが、すごくいいという感じでもないので星2.5。
雨音で家電ツアーにでかける賢者 by宮沢賢治(違います)
天才の書く詩や奏でる音楽は天才にしかわからないというのか!ただドビュッシーの月の光とベートーベンの月光の曲の間に入れた「It's Only a Paper Moon」に痺れてしまいましたよ。クラシックはわからないのですが、やっぱり映画音楽とかポップスを使ってくれるとありがたい。 蜜蜂はいったいどこに出てるんだ?と疑問を持ちながら観てたのですが、登場はほんの一瞬じゃないですか(あれはハエじゃないよね?)。まぁ、塵くんの父親が養蜂業やってたというのだから、蜜蜂に関してはもっと奥が深いのかもしれません。栄伝は雨音、マサルはエリート、高島は土臭さと努力家、そして塵くんはまさしく謎の少年でした。そんな個性的な4人が紡ぎ奏でる壮大な頂上決戦。しかし、そこにはギトギトしたライバル心なんてものは感じられず、互いをリスペクトし合う姿に心地よさを感じてしまいます。 お笑いの方も出演されてましたが、良かったのはブルゾンよりも片桐はいり。全くセリフもないのに、ぽつんと座っているだけで、シンメトリーな背景とマッチしていたし、ストーリー全体からも絶妙なアクセントになっていたと感じました。 久しぶりに見た気がする、森喜朗と同じ高校出身の鹿賀丈史。嫌味な指揮者でしたが、かつては合唱団にも所属していたし、ミュージカルにも出演しているので、音楽的には素養がある俳優です。いや、石川県の誇りです・・・ 全体的にはダイナミクスを感じられない平坦なストーリーなのですが、松岡茉優の最後の演奏には鳥肌が立つくらい圧倒されました。ちょっとやばいくらいに陶酔しきってピアノを弾く姿は美しくエロく、おっさんの心を鷲掴みにしてしまいます!やばかった・・・
松坂桃李の「正しいサリエリ」が心に響く〜
原作未読なので映画のみの感想です。 クラシックには疎いので、今更ですが 当たり前だけど音楽がすごい! クラシックを聴きなれない人にも とても聴きやすい リズミカルでダナミックな選曲になってるので コンテストシーンの盛り上がりが素直に感動できます。 相変わらず松岡茉優が良くて〜〜 こう言う内面重視の映画で しっかり表現できる女優さんは凄いな〜〜 セリフは少ないけど、ちょっとした表情や話し方で 彼女の精神状態が十分伝わって来て観ている方も緊張の連続!! で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては ピアノやピアニストの動きにも詳しく無いけど 主要の四人の演奏中の頭や体の動きが 素人目にはとても自然に見えました。 もちろん実際の音や指先のアップは それなりの実力者がやってるんでしょうが ピアノの指使いに合わせて体が動く様は しっかりとピアノ練習をしないとできないですよね〜 ライムスター宇多丸の「アフターシックスジャンクション」の 映画評論の中で、ちゃんと専門家が観ても 演奏のシーンの評価は高い!との事なので、 プロが観ても納得なら素人でも自信もって感動を語れますね〜 そして松坂桃李が良い!!まるで、正しいサリエリ! 「アマデウス」のサリエリは モーツアルトの才能を誰よりも解っていて 心の底では賛美しているのに その社会的成功は嫉妬のあまり握りつぶしてしまう。 「蜜蜂と遠雷」の松坂桃李は 天才達の才能を解りすぎるが故に 天才たちの行く末を人一倍案じてしまう。 その潔い美しさが観ていて心地よい〜 音楽は勝ち負けじゃない! そして新人の鈴鹿央士! その役柄と本人が完全にシンクロしていて フレッシュ!フレッシュ!フレッシュ!(笑) 斉藤由貴も良かった! 彼女なりの屈折を抱えながら、 やはり圧倒的な才能の出現を 求めずにはいられない審査員を クールに演じてました。 @お勧めの鑑賞方法は? オーケストラとの演奏シーンの迫力は映画館の音響で観ないと損だわ!!
執着と呪縛と好きの解放
コンクールとは不公平で残酷なものである。 どれだけ打ち込んで練習しようとも、審査員に評価されなければ意味がない。 どれだけ情熱を込め気持ちを昂らせて演奏しても、クールな正確さや緻密さがないと点数は上がらない。 かといって完璧なだけでも物足りない。 審査員の好みや何を評価するかも人によってバラバラだし、絶対的な数値で結果は出ないので本当に難しい。 と、学生の頃に団体でコンクールに出場していた身なので、痛いほどの実感がある。 本番直前のステージ裏の風景に見覚えがありすぎて、まるであの頃に戻ったかのようにドキドキした。 ピアノのような個人戦なら見られる点も格段に多いだろうし、プレッシャーも格段に大きいだろう。 母の死をきっかけに舞台から遠ざかっていた亜夜、米国で技術を磨き「完璧」を背負うマサル、妻子持ちで仕事と両立している明石、ピアノを愛しピアノに愛されている塵。 予選を重ねるごとにだんだん混ざり合い変化していく4人の様子と、彼らがたどり着く至高の演奏を描いた作品。 ストーリーやキャラ設定自体はわりとベタなものの、繊細で説得力のある演出と演技がスッと入ってきて、とても面白く観られた。 ほとんどピアノの前で進む物語。 明石以外のプライベートの生活にはほとんど触れず、ただひたすらに彼ら彼女らとピアノとの距離を徹底的に詰めた描き方が印象的。 ピアノに対面する人間というものが濃縮して伝わってくるし、明石が目指した「生活者の音楽」というものが際立って感じられる。 課題、練習、苦悩、本番、の順で繰り返されるたびに成長して何かを掴み取っていく姿に、一つ一つ涙してしまった。 最後の圧巻の演奏には号泣。 それぞれがたどり着いた答えの形があまりにもかっこよくて、惚れ惚れとしてしまった。 私からしたら全員超絶レベルの演奏。 しかし四人とも音の聴こえ方がちゃんと違っていて、各人の目指すものや感情がビンビン響いてくることに感動した。 ほとんど執着や呪縛とも思える「ピアノを弾きたい」「ピアノが好き」の気持ちが、これでもかというほど身体に伝わってくる。 あーちゃんとまーくんの再会の時が好き。 亜夜のちょっと子供っぽい話し方が好き。 月夜の連番で目を合わせる表情と、月光の当たり方が好き。 互いを認め合い影響し合い、仲の良い四人の関係性が好き。 子供に微笑みかける劇場入り口のスタッフのお兄さんが大好き。 飢餓感すら覚える潔い締め方も本当に好き。 ダラダラしない美しさ。 シンプルな結果発表からまた色々と読み解ける。 深読みと希望を重ねて余白を楽しめる最高のラストシーンだった。 ショートボブの髪の毛がちょっとした動きでサラサラと揺れうねる様子がとても好きで、そんなちょっとしたフェチ的なものを満たせる映画でもあった。 亜夜の綺麗なボブヘアーがピアノを弾く時に乱れに乱れる様子、もう本当に堪らない。存分に堪能させていただきました。 ロングや段付きのショートヘアよりも切り揃えられたボブヘアって、少しの振動や動きであちこちに揺れるんだよね。ハァーー好きだなーーー! 身を切るようなコンクールの緊張はもう勘弁かも…と思いつつ、あの頃の一生懸命さって今ではなかなか経験できないよな、と改めて思った。 あーあ、またティンパニ叩きたいしまたボンゴコンガ叩きたいしティンバレス叩きたいしサッシン叩きたいしまたバリサク吹きたいなーーー。 でもあれね、演奏聴いてる時にベラベラ私語する審査員って絶対嫌だね。
原作が読みたくなる作品
「原作を読んでからの映画」の順番だったら、 ここまでの高評価はしなかったかも。 しかし、「映画を見てからの原作を」なので、 細かいところが気にならず、 良かったです。 観るか?を悩んでいるなら、観てほしい作品でした。
原作と映画が違いすぐる
原作ファンは、期待しないほうがいい。まったくの別物と心得ましょう。 音楽ファンは、最後の30分まで我慢だ!! 映画ファンは、訳のわからない馬の疾走シーンと、最初の10数分間の手振れ映像を亡き者にしましょう。
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