「世界は音楽で満ち溢れている」蜜蜂と遠雷 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
世界は音楽で満ち溢れている
音楽であり、詩であり、小説であり、絵画であり、演劇であり、映画である。
この作品には芸術の全てが詰まっていたように感じます。
映画を観ていながら、小説を読み、美術館で美しい詩と共にピアノの演奏を聴いているような、そんな不思議な感覚。
原作は未読
なのが恥ずかしい、勿体なかった。
必ず読もうと思います。
原作がベストセラーともあって、ストーリーが素晴らしい。
軽い気持ちで観始めましたが、集中しないとついていけないとわかる、意外にも難解かつ深いテーマでした。
明石も言っていたように、一般人には分からないプロの世界の話です。
それでも、人間的な葛藤や苦しみなどがとてもリアルで素晴らしい人間ドラマだと思いました。
最後の栄伝亜夜のピアノ演奏には自然と涙が出ました。
キャストも魅力的です。
演技力お化けの松岡茉優さん、松坂桃李さんを始め、非常に好演だった森崎ウィン、不思議な少年がぴったりだった鈴鹿央士さん、主要の4人以外の方々もそれぞれの役者にしかできない演技を見せてくれました。
特に、斉藤由貴さんの英語と鹿賀丈史さんの笑顔は忘れられません。
音楽と人間の結びつき、芸術とは何かを再確認させてくれる作品でした。
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