「映画観てから原作読んだ結果」蜜蜂と遠雷 ちゃんるーさんの映画レビュー(感想・評価)
映画観てから原作読んだ結果
映画の内容は原作の2割程しか描かれていないと感じたが、映画だけ観る分には十分楽しめる。演奏シーンも素晴らしいし、2時間程度という限られたなかでうまくまとめてあると思う。
しかし原作の細かい描写があっての風間塵の存在感だったり、栄伝亜夜の葛藤だったりが生きてくる点は否めない。原作読んでから映画を観た人には物足りなさを感じるかもしれない。
とは言え先に原作を読んだ人も音楽は楽しめるし、あの風間塵の実写化、しかもまるで本から出てきたようなハマり具合で再現されているので、そういう視点では楽しめると思う。というか全体的にキャスティングがいい。ただ、映画には奏が出てこないので今思えばそこは残念だった。
本選の演奏曲、マサル(プロコフィエフ3番)と亜夜(プロコフィエフ2番)の曲が映画では逆になっていた。映画を先に観たもんだから、あたしのなかでプロコフィエフの3番(CMで流れていたあの曲)はどうしても亜夜のイメージになってしまっていて多少違和感が…(その他にも原作との違いは結構ある。)
もしかしたら3番の方が大衆ウケするからという理由で逆にしたのかもしれないが、そうだとすると原作内で描写されていた'音楽で集客するには人気のある曲を選ばないと'というジレンマがそのまま表れているようで面白い。
映画を観て面白いと感じた人はぜひ原作を読むことをおすすめしたい。映画よりももっと泣けるし、音楽ってこんなに素晴らしいんだなと、とても幸せな気持ちになれるから。
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