劇場公開日 2019年10月4日

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「音楽はやや難解」蜜蜂と遠雷 TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0音楽はやや難解

2019年12月9日
iPhoneアプリから投稿

国際音楽コンクールでの4人の軌跡を追う。
天才3人と凡才のストーリーを上手く絡ませながら、
決勝までの行方を描いている。

原作は読んでいないが、ここまで音楽を聴かせながら2時間に纏めるのは至難の技だっただろう。どこを取ってどこを削るかの連続だったと思われる。

映像もイメージカットは非常にインパクトがあり、グレーディングにもこだわっている。

音もドルビーサラウンド7.1chにしてあり、臨場感が出るようにそれぞれの楽器ごとに収録してあるというのだから驚きだ。

最も重要な音楽のファクターは、藤倉大が作曲しているため、超絶かつ難解だと感じる。もう少し一般に親しみがあるメロディラインを展開しても良かった。プロコフィエフのピアノ協奏曲3番はプロコが日本に来た際にインスパイアされて創作されたものであるので、最後に持ってくるあたりは分かってるなーと思わされてしまう。2番は最も現代音楽感強めなので、親しみにくい感が出てしまう。むしろ個人的には1番の方が断然ゾワる。リストは一瞬しか出てこないし、もう少し古典的な曲も聴きたかった。

プロコフィエフは天才作曲家であり、ピアノ曲やバレエ曲も数多く残しているが、プロコの曲がここまでクローズアップされたのは本当に嬉しい限りである。

風間くんの木製のピアノや指から血が出るシーンは、脚色し過ぎで現実離れしているのでマイナスポイント。

キャスティングはよくできている。
あなたが世界を鳴らすのよ、は名言。

TOKIES