「自分でも思っても見なかったタイミングで感情がさらわれて涙が出る」蜜蜂と遠雷 ゆきこさんの映画レビュー(感想・評価)
自分でも思っても見なかったタイミングで感情がさらわれて涙が出る
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本選のマサルの演奏、明石とあやがピアノが好きという会話を交わすシーン、ラストのあやの演奏で涙が出たんだけど、どうしてかと言われても、なんか勝手に出た、という感じ。ヒューマンドラマに感動してとかじゃなくて、各俳優のふとした表情と音楽を見て聞いてたら、何かが琴線に触れてこっちも自然と音が出ました、みたいな感覚。原作を読んだ時に、凡人が、天才の片鱗に触れられる本だと思う、と感想を持ったけれど、その世界観が見事に切り取られて立体的になった映画だった。なんか分かんないけど、見終わって映画館を出た後もまだ泣きそうになる、感覚の奥がまだ震わされてるような気分。あとは、海で遠雷を眺めるシーン、塵が木製の鍵盤で練習するシーン、マサルとあやの連弾のシーン、あやと母親が世界の音を一つ一つ見つけていくシーンが好き。海のシーンでは凡人代表、ブルゾンちえみと明石のやりとりも良かったな。
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