「黒い馬は壁だ。」蜜蜂と遠雷 アッサミーさんの映画レビュー(感想・評価)
黒い馬は壁だ。
蜜蜂と遠雷を見た。
コンテスタントのコンペティションの話だが、神からのギフトを得た天才達も実はそれぞれに壁を抱えて闘っており、そういう意味では私と変わらない。
私はピアノを弾く時、人前に出ると手が震え、足がガクガクなり、練習してきたことの半分位しか演奏できない。
この映画には黒い馬がモチーフとして何度も出てくる。原作にはなかったと思う。馬の足音は二拍子であったり、三拍子、四拍子と動く速度で変わる。黒い馬は壁だ。それはピアノであり、指揮者であり、自分の過去であり、未来だと思った。
その壁を乗り越えて行った先に、新たな世界が広がり、また次の壁がそびえている。そんな光景は、私がピアノを弾く時と同じ様な気がした。
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