「自らの高みを目指す若者たち」蜜蜂と遠雷 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
自らの高みを目指す若者たち
国際ピアノコンクールに参加する4人を中心に、自らの高みを目指す若者たちとそれに関わる人々を描く。
松岡茉優と森崎ウィンの再会を軸に、宮沢賢治のような松坂桃李、謎の少年、風間塵がからむ。主役は松岡茉優だが、少女時代の母との連弾を繰り返し描いているが、最終審査に臨む葛藤や覚悟を決めたあたりの描き方は、少し弱かった。雨中の馬のスローモーションは、「愚行録」のバスのシーンを思い出させもするが、今ひとつ意味が読み取れなかった。
タイトルの意味は、他の若者たちに刺激を与える陰の主役、風間塵を現しているのだろうか。
ピアノシーン、オーケストラとの協奏シーンなど、音楽は良かった。特にラストのプロコフィエフ第3番が素晴らしかった。
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