劇場公開日 2019年10月4日

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「魂を揺さぶるピアノの世界」蜜蜂と遠雷 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0魂を揺さぶるピアノの世界

2019年10月14日
iPhoneアプリから投稿

恩田陸さんの原作は、単行本発売時に既読。本屋大賞にも選ばれ、ここ数年、ずっと読書メーターの上位に顔を出していた作品。いつか映画になればと思いながら、ピアノ演奏場面が難しいだろうと思っていましたが、待望の映画化でした。

一流ピアニストへの登竜門とも言える若手のクラッシック・ピアノ・コンクールが舞台。そう言うと少し堅い感じがしますが、そうした隙を与えない4人の個性ある登場人物とストーリー展開に思わず引き込まれます。

母のトラウマに苦しむ栄伝、天才ピアニストのマサル、破天荒な演奏をする風間、家庭持ちの明石、俳優陣も原作通りの配役でした。それぞれの立場で、コンクールにかける思いとお互いの演奏に魂を揺さぶられ、新たな感動を生みます。

特に、最後の栄伝が弾くプロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26 第1楽章は、凄まじまでの気迫が伝わり、それを演じた松岡茉優は、鬼気迫るものかありました。

全体的には、静かなストーリー展開の中にも、ピアノにかける、若きピアニストの熱き情熱がほとばしる作品に仕上がっています。

「狭い所の音楽を、広い世界に解き放す」それがこの作品の主題かな…。

bunmei21