「台無し」蜜蜂と遠雷 こたさんの映画レビュー(感想・評価)
台無し
いやもうストーリーとか演技とか間の取り方とかマジで最高だった。
張り詰めた感じが最後までずっとあるのに全然見にくくない。
メインの4人が4人ともしっかりと印象に残るし、かと言ってクドくない最高の演技だった。
塵役の鈴鹿央士さんは新人とありましたが「本当に新人?」と思うような素晴らしい演技でした。これから凄く楽しみです!
松坂桃李さんは流石!日本アカデミー賞俳優!って感じの演技でした。高島明石の一般人としての優しさとピアニストとしての葛藤というか狂気みたいのが凄い伝わってきました。
森崎ウィンさんもレディプレイヤー1のイメージが強くて大味な感じかと思いましたが、とても繊細でかつ自分の中の完璧を目指すエゴがとても良かったです。
そして松岡茉優さん!いやもう良い意味で裏切られた!
過去のトラウマを乗り越えたくて、乗り越えられなくて。
でもそれを塵、明石、マサルの演奏を聴いて力をもらい、最後は自分で閉じこもっていた感情を解き放った感じがしました。
最近の彼女の演技を見ていませんでしたが、どこかもう一押し足りない俳優さんだと思っていましたが、今回はガツンと!胸を打つ演技でした!
が
もう本当に残念なんですが、
松岡さんの演奏シーンが露骨に弾いてない!
完全に当てぶりだし、違う人が弾いているというのがあまりにも!分かり易すぎる!
これだけ素晴らしい作品なのに!
もう少し何とかならなかったんですかね?
あとの3人は何とか違和感も少なく見れましたが、もう本当に残念でした。
それさえ見なければとても良い作品でした。
次の日本アカデミー賞には是非ともノミネートしてほしい素晴らしい作品です。
それだけに本当に惜しい。