「役者さんは誰も悪くない。しかし惜しい。」蜜蜂と遠雷 Hinotamaさんの映画レビュー(感想・評価)
役者さんは誰も悪くない。しかし惜しい。
まずは、良いところから。
新人の鈴鹿くんが凄いぞ。これが演技なのか?
自分の素の姿なのかわからない。
特にインタビューシーンは、急にドキュメンタリーになっなのか?と思うほどだ。とりあえずビックリだ!
松岡は、そこそこのレベルの演技、悪いわけじゃない。
だけど、こんなんじゃオレは認めない。もっと凄いはず。
松坂はそこそこ。森崎だって自然で上手いし。
音楽だって、素晴らしいし、映像もいい。
だけど、全体的には感動が薄い。
なんでだか、考えたけど、やっぱり脚本だと思う。
この時間で、4人の物語すべて平等に描いて、
すべての人間に共感するってのが、多分無理なんだろう。
長いテレビシリーズなら、もっと掘り下げた人間描写が
可能で、それぞれの感動も深まったはずだ。
もし、映画にするなら、映画が答え言ってるよ。
4人の起爆剤となる人間にフォーカス当てないと。
いくら松岡頑張っても、母の死のトラウトからの脱却だから、静かで、重いテーマになる。
この映画では成功してない感じ。
風間こと、鈴鹿に絞ってもっとなぜ、養蜂家の出身で、
有名ピアニストからの推薦状もらう事になったのか?
具体的なエピソードもっとないと、
素人には、わからない。
音楽に詳しい人には、あの演奏が、それほどレベルの違うものだとすぐわかるのか?
風間の天才ぶりを描く映画で、それに触発される
ピアニストを描くものにすればよかったかも。
そのへんが、惜しいところなのかな?
多分原作の小説なら、ひとりひとりに感情移入出来るし、
感動も深まるのかな?と思うんだけど。
どうしても、のだめと比べてしまう。
あっちの方が面白くて、音楽の素晴らしさ伝えるのに
成功している気がしてしまう。