「月川監督の「キミスイ」への"懺悔作"」君は月夜に光り輝く マシューさんの映画レビュー(感想・評価)
月川監督の「キミスイ」への"懺悔作"
永野芽郁さん演じるまみずが残り少ない命の中でやりたいことを同級生の男子に代行してもらうことから、互いに心を通わせる物語。
その男子同級生・卓也役が「キミスイ」の北村匠海さん。
「キミスイ」の桜良が表面的には死を達観していたのに対し、本作のまみずは卓也との恋を通して、徐々に死への恐怖を表現していたことでスムーズに感情移入。
死の直前、卓也の夢の中に現れた教室のまみずの姿は、透き通るほど美しく、余りにも儚すぎた。
月川翔×北村匠海ということで、否応がなく「キミスイ」を彷彿とさせたが、違うのは…
・死ぬ前にお互いが相手への想いを告白
・生前叶わなかったことをラストで好きな男性と共に体験する幻想シーンが描かれていた
愛する卓也と巨大パフェを食べ、ジェットコースターに乗るまみずの笑顔を見て、何の悔いもなく天命を全うしたと素直に感動。
さらに葬式シーンまであったので、個人的にはまみずの死を映画の中だけで完結、無事成仏させることができた。
(「キミスイ」では桜良の"喪失感"が激しく、しばらく落ち込んだ)
個人的には、本作では脚本も兼ねた月川監督が、余りにも不憫過ぎた「キミスイ」桜良に懺悔し、その"救い"として、「君月」のまみずを描いたのかなと感じた。
まるで、主人公の男女が心を通わせていたにもかかわらず、最後は結ばれなかった「秒速5センチメートル」の"救い"として「君の名は」を作った新海誠監督のように。
(あくまでも私の憶測ですが…)
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