「う~ん、中途半端だ」君は月夜に光り輝く さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)
う~ん、中途半端だ
この映画の原作小説は僕持っていまして、そこまで良くはないけど印象的であったので興味はありました。
永野芽郁演じる余命僅かな渡良瀬まみずと、北村匠海演じるクラスメイトの卓也の恋愛ものです。
一応東宝のシネマイレージの特典で無料になったので観ました。
...はい、感想は星の数を見ていただければ解るとは思いますが(笑)
まずは好きだった点から話したいと思います。
ヒロインの渡良瀬まみずの周りの関係性と境遇は割りと良く描かれていたと思います。
自分がいつ死ぬか解らないという状態で、人と接しようとする怖さと生きる事への執着を諦めてしまってる所から卓也の出会いを経て少しずつ変わっていく姿が小説通りに描けていたと思います。
あとは、人に接するときの明るさが出ていれば完璧だったと思います。
また、キャストで最も良かったのがメイドのリコちゃん役である今田美桜です。
この子のメイド姿がとても可愛かったし、演技も良くて存在感も抜群に放っていました。
この子の今後の活躍が楽しみです。
良かったところは、それくらいです(笑)
最近、主要人物が死ぬ系の作品も流行っている中でのありきたりな感じに終わってしまいました。
ちなみに今回は「発行病」についての突っ込みは触れません。
細かい所は多くなりますが、
まずダメだったのは北村匠海の演技です。台詞回しが微妙です。
卓也のナイーブさはありますが、別に友達がいないくらい内気という訳でも無いです。
話せる友達はいるし、女子ともそこそこ話せるのに、北村匠海の卓也はコミュ障のように感じてしまいました。
また、さっき挙げたリコちゃんは映画でただのバイト仲間というだけだったのも残念です。
原作だと卓也ともっと絡むし、卓也の異常さを説明してくれるキャラでした。
せっかく今田美桜が素晴らしかったのに、リコちゃんを活用しないでどうするんですか!?
また、今「卓也の異常さ」と言ったのですが、卓也は実は正常に見えて実は壊れているところがあります。
それは劇中でも触れた通り、お姉ちゃんを亡くした事が原因です。
卓也はそれ以来、「死」そのものに執着してしまった人物なので、生きる事に意味を見出だせていません。
その卓也がまみずと出会って「まみずの死」と向き合う事で心が救われます。
でも、映画にはそれがかなり中途半端で全然描かれないのでガッカリしました。
なので、この話はまみずが卓也と触れあう事で「生きたい」と思い、卓也もまたまみずと出会う事で「生きる」事への希望を持つという話なのに、この映画ではまみずだけしか救われない展開になってしまいました。
非常に残念です。
また、劇中で夜に忍び込んで屋上に行くのですが、それが原因で容態が悪くなってしまう展開があるのですが、突っ込みどころも満載だしこんな展開原作にはありません。
何を忖度したのかは知りませんが、作品が悪くなるだけの改変なんてしないでほしいです。
久々にガッカリした作品を観てしまったので愚痴が長くなってしまいましたが、観るか迷っている方は、少なくとも僕からはオススメは出来ません。