「これがアメリカの現実なんだね。」ヘイト・ユー・ギブ 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
これがアメリカの現実なんだね。
劇場未公開作品ながら、すごく感動させられた。民主主義とか、人権があるとか言っていても、こういう事件が起きてしまう。きれいごとでは済まされない。主人公の女子高生の気持ちをていねいに描いているところが、好感を持てた。映画を観る前は、タイトルの意味が理解できなかったが、私立の高校に通っていて、地元の現実には目を背けていたヒロインに幼なじみが教えてくれたということなんだね。スターは悲劇に直面したけど、私はある意味よかった点もあったと思う。それまで隠してきた本当の自分を友だちや恋人にさらけ出すことができたのだから。それで失った友もいたけれど… スターが叔父の警官と台所て話すシーンが象徴的だ。白人で高級車には乗っている人に対しては、しないだろう事を、アフリカ系でそうではない車に乗っている人に対しては対応が違うのだ。ヒロインは最初は黙っていようと思っていたのに、黙っていては問題が解決しないことに気づいて変わっていく。ラスト弟を庇った行動に彼女の変化が見てとれる。憎しみの連鎖を断ち切りたい。そんな彼女の必死な気持ちがビンビン伝わってきた。こういう事件が二度と起こらないことを切に願う。
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