劇場公開日 2019年1月12日

「深い愛情に包まれた詩的でファンタジックな時間」マチルド、翼を広げ こうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0深い愛情に包まれた詩的でファンタジックな時間

2019年1月12日
iPhoneアプリから投稿

別の世界に生きているかのような、自分は世の中から取り残されてしまうんじゃないかという気持ちを必死に整理するママ。そのママに愛されたいと思っているマチルド。
個人的に少し境遇が似ているから、自分に重ねて物語を観ていました。

ママは情緒不安定で「?」な発言が多いけど、ふいに心に刺さる(残る)言葉が端々にあり、マチルドへの愛が垣間見える。
マチルドの事を愛しているがゆえに、後半の決断はママの心情を思うと切なくて悲しい。

雷雨の中で踊るダンスは、これまでの物語を総括するかのような何とも言えない心地いい時間に。
お風呂場でマチルドがママを抱きしめる姿はグッときて、涙を誘う。
普通の物語だったら「マチルド可哀想」だと思うのだろうけど、そうは思わせない。だってマチルドは終始笑顔だったから。

初日に行われた枝優花監督とライター月永さんのトークショーで物語の新たな発見も!
もう一度観たいなぁと思わせる作品。おすすめです。もちろんフクロウの役割とバランスは言うまでもなく素晴らしい!

KO