劇場公開日 2019年4月19日

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「キャラクター、アクション、BGM申し分なし!」キングダム にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0キャラクター、アクション、BGM申し分なし!

2023年1月9日
PCから投稿

原作のファンなので、ためらいがあったのと、
シリーズものになりそうだったので、
全部出尽くしてから見たいと思っていたが、
ひょんなことから見てしまいました。

大ヒット原作を映画化って不安しかないんですよね。
この映画はその不安要素をほぼ解消している時点で
良作決定でした。
大概こういう映画化って原作に寄せれば寄せるほど
アンチの声が大きくなるものですが、
この映画は寄せにいっているにもかかわらず
及第点までいっているのがポイントです。
その理由としてまずはキャラクター。
俳優に頼りすぎず任せつつという絶妙な演出が見事。
つまりドラマに焦点を当てずアクションを見どころに
しているのが最大の要因です。

左慈役の格闘家坂口拓がどこまでアクションに加担しているか
知りませんが、全体の剣術アクションが素晴らしいため、
各カット、カメラワークに”キレ”がありました。
中途半端な邦画アクションだとこうはいかない。
アイドル俳優の稚拙アクションを誤魔化すためのカメラワークに
終始してしまいますが、この映画はちゃんと魅せるアクションを
撮っていました。
もちろんCGやワイヤーなどの映画技術は多用されていますが、
それは漫画原作のダイナミズムを表現するためのものとして有効。
リアルな人斬りを見せる映画ではないので。

主役の山崎賢人の漫画演技には目をつぶりましょう。
信というキャラクターを表すには、
ホントはもっと派手な漫画演技をしなきゃいけないのですが、
そうすると”映画化”としてのクオリティが下がり、
「アニメでいいじゃん」となってしまうからです。

史実→伝承→漫画化→アニメ化→映画化となれば
そこにリアルさを求めるのはナンセンス。
漫画原作に忠実かどうかを求めるのも言語道断。
1本の歴史アクション大作映画として面白いかどうか。
に関しては、ある到達点にたどり着いたと思う映画でした。

となると、次回作に期待せざると得ない。
私がいつ見たいと思うかはまた別の話なのですが。

にゃろめ