「実写化は原作を貶める事が多いので期待してなかったが…」キングダム Mr. BARYONさんの映画レビュー(感想・評価)
実写化は原作を貶める事が多いので期待してなかったが…
キングダムの実写版は正直侮っていました。
なかなか違和感無いキャスティングに、原作で思い描いていた古代中華の雰囲気とそのままリンクしてきた形で、日本人が中国人を演じている「そもそも」な懸念も跳ね除けてきた印象です。
原作キングダムの「掴み」は、やはり漂(ひょう)が瀕死で信の元に戻ってくるという展開だと思います。
突然の友との決別に、漂と全く同じ顔の秦王との邂逅…
そこから、玉座奪還までの展開に進んでいく部分で、原作を知る者としてはどうしても納得がいかなかったのが、脇役達の扱いの低さですね。
特にバジオウとタジフの見せ場や、河了貂が実は女性だったという件も置き去りに…。
壁のあんちゃんに関しては、エキストラに混じってただのモブキャラに成り果ててた印象…。
バジオウの強さも、実写版のアレではただのヤラレキャラになってますし、原作でも素顔は殆ど明かされてないのに、実写版では仮面が一部割れて髭面があらわに…笑(髭生えてたなんて初耳)
タジフに関しては名前すら紹介されてなかった印象。
それから、王騎演じた大沢たかおさんは、ちょっとアニメ版の王騎に引っ張られてる印象があり、要するに声優の小山力也氏を参考にした演技に見えました。
王騎が一番コスプレ感が強く、加えて身につけてる甲冑の割に二の腕が細過ぎな点に関しては、やはり巨躯な筋肉隆々の大将軍を演じるわけだから、もう少し役作りに徹してビルドアップしてくるべきだったのではと思う次第です。
正直、強そうには見えなかったので…。
楊端和役の長澤まさみさんも、やはりちょっとアニメ版の楊端和に引っ張られてる印象…。
秦王との初対面の会話(この時点ではまだ男か女か分からない)による、あの仮面ごしの音声もアニメ版と一緒でした。
信役の山崎賢人さんにしても、アニメ版のあの威勢の良い口調や声の抑揚が、少し物真似感を想起させます。
…と、結構ツッコミどころはあるものの、ワイヤーアクションや軍勢vs軍勢による群舞もなかなか様になっていました。
次回作も決定したとの事なので、次はいよいよ羌瘣(キョウカイ)が見れそうですね。
大好きなキャラだという人はおそらくかなり多いはずなので、キャスティングとアクションは特に期待しておきます。