「壮大な作品。ぜひ続編を。」キングダム さなさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大な作品。ぜひ続編を。
いつか読もう読もうと思って読まないままでいた原作。映画なら気軽に観れるし、スケールの大きさを感じさせる映像と、半分は本当に中国で撮影されたとの情報に惹かれ観に行ってみました。
一度観た感想としては、エンターテインメント性に優れた作品だなという印象です。
王位をめぐる身内の反乱、そして圧倒的不利な立場からの逆転という展開を戦闘シーンを主体に派手に描いてくれています。
王宮奪還には遺恨のある第三勢力と手を結ぶこと、王宮という地を生かした作戦などなど多くの胸が熱くなる展開にあっという間に時間が過ぎました。このストーリーはきっと原作準拠だと思うので原作の描き方が素晴らしいということなんでしょう。
実写映画として見ると役者さんが素晴らしい。
山﨑賢人さんが出ている作品は初めて観ましたが、役に入り込んでいる感じが凄いなあと思いました。
山﨑さん演じる信は大望を抱く少年で、力はあるけれど感情のまま敵を倒すことだけしか考えておらず、やきもきさせられる場面も多々ありました。ずっと奴隷であったために数の大小もわからない少年が夢に向かってこれから成長をしていく過程がどんな風に描かれるのか気になります。
成蟜を演じていた本郷さんも、いかにも人を人とも思わない為政者という感じでとても良かったです。
あと個人的には長澤まさみさんの美しさに心を持っていかれました。
他にはいかにも漫画ならではの登場人物が何人かいて、漫画の実写映画だということを思い出しました。大沢たかおさん演じる王騎や橋本環奈さん演じる貂などは顕著で、この二人が出てきたときは「濃いな~」ってなりました。こういうキャラクターの扱いが漫画原作の実写映画の成否を分けるところがあると思うんですが、この作品ではいい味として受け取れました。
山の民の戦士の名前など、一回観ただけでは「紹介あったっけ……?」ってなるとこもあったのでやっぱり原作を読んでおいた方が良かったかなあと思ったりもしましたが、まっさらな状態で楽しめたのはそれはそれで良かったです。
他にも感想はいっぱいありますが、本当にぜひ続編をやってもらいたい!と思わせる映画でした。始皇帝というゴールを思えばまだまだ導入部分で、今後スケールはもっと大きくなるんでしょうから、続編を製作するのであればまた観に行きたいです。
でもその前に原作を買いに行きつつ、映画ももう一度観に行きたいと思います。