僕たちは希望という名の列車に乗ったのレビュー・感想・評価
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なんと力強いドラマなことか。彼らのその後の人生が知りたくてたまらなくなる。
様々な書籍やTVドキュメンタリー、または映画などを見て、第二次大戦後の東ドイツにまつわる歴史は大方知っているつもりでいた。が、本作で描かれた史実に愕然とさせられた。ほんのちょっとしたボタンの掛け違いのような出来事がやがて大きな騒動にまで発展していく皮肉————いや、これは皮肉という言葉では片付けられるものではなく、むしろこの一点にこそ、社会や幅広い世代をめぐる大きな問題や歪みが集約されていたと考えるべきだろう。その意味で若者たちの戦いは無駄ではなかった、と。
『アイヒマンを追え!』ではナチス追跡人の懸命なる捜索を骨太に描ききった監督が、今回は若手とベテランを巧妙に配しながら丹念なるヒューマンドラマを紡ぎあげる。そこで巻き起こる感情線が決して単調ではなく、幾重にも絡まり合って社会の矛盾を織りなしていく様が実に見事だ。彼らはどのような人生を歩んだろう。物語のその後を知りたくてたまらなくなる。
実話なのね
やけに大げさな話でこれ実話じゃなかったら下手な作り話だなと思ったら実話のようなので良かった。緊迫した空気とか伝わっていいとは思うんだけどちょっと中だるみ感が...あと子どもたちはちゃんと個性がたってて丁寧に描かれてるのに大臣と女同志の漫画的敵役キャラが乱暴で残念でした。
本来の自由を保持する困難
指導者がヒットラーからスターリンに代わった時代のベルリン近郊の小さな町。まだ東西の壁は無く、若者たちにとっては列車に乗り、西ベルリンのディスコへ行くのが大いなる楽しみ。
そんなある日、二人の若者は映画館でハンガリー動乱のニュースを目にすると、教室に戻りささやかな抵抗を呼びかける。
しかし、その抵抗はやがて教室中の自由の蹂躙し、彼らの日常を困難なものに変えていく。そして、彼らは友や親と離れ、街を出ることを決意するのだ。
見どころの多い映画だが、ポイントは生き方の選択は各々個々人に架せられた個々人の問題であり、ナチそしてスターリンの時代を生き抜いてきた親たちもまた全く同じであった。
本来の自由が持つ意味と価値はかなり尊い。しかし、それを我が身が保持し続けることは、かなりの苦難と犠牲を強いられる。
なんと胸打たれる青春群像劇だろうか
TSUTAYAのレンタル棚に陳列されていたのを見て、全く内容知らないで借りた映画です。
結論ですが、めちゃくちゃ面白かったし、胸を打たれました。日本にも「子供が大人の束縛から抜け出すため、自由のために闘争(逃走)する」というストーリーの映画やドラマは多くありますが、「1956年の西ベルリンと東ドイツ」という舞台がその闘争をより深刻で過激なものにしている印象です。しかも、この物語が「実話を元にしている」ということも衝撃的でした。
最低限、冷戦についての知識は持っていたほうがいいかもしれませんね。東ドイツと西ベルリンの関係は言わずもがな、劇中で重要なキーとなるハンガリー動乱とか、作中に頻出する「ファシスト」という言葉とか。ある程度知っていれば引っかからずに観れますけど、知らないと「何それ?」と頭の中で引っかかってしまってストーリーに置いていかれますので。
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1956年、ベルリンの壁が建設される少し前の物語。アメリカを盟主とする資本主義国の西ベルリンとソ連を盟主とする共産主義国の東ドイツは対立状態にあった。東ドイツの高校の進学クラスに通う学生であるテオ(レオナルド・シェイヒャー)とクルト(トム・グラメンツ)は西ベルリンの映画館に忍び込み、そこでハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュースを目にした。ハンガリーの若者たちの行動に胸を打たれた二人はクラスメイト達にハンガリーのために黙祷を捧げることを提案し、多数決により黙祷は行なわれた。しかしこの黙祷が「反革命」と見做されてしまい、人民教育相から首謀者を明らかにしなければ進学クラスを閉鎖するとの警告を受けてしまった。仲間を密告してエリートとなるか、信念を貫いて大学進学を諦めるか。彼らは選択を迫られることとなった…。
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共産主義の圧迫感というか束縛や思想弾圧についてかなり否定的な描かれ方をしているな~という印象。「当時の思想弾圧はここまで酷いものだったのか」という恐怖みたいなものを感じました。
この映画の素晴らしいところは、登場人物それぞれの考え方や感情の動きを実に丁寧に描いているところです。
「何とか言い訳をして罪を免れよう」とするテオに対して「自分がやったことなのだから責任を取ろう」とするクルト。言い訳がましい彼氏のテオに呆れてしまい逆にクルトに惹かれるレナ。自分は黙祷に反対していたのに、何故か首謀者と疑われてしまったエリック。そして彼らの家族たちの立場と考え方。
それぞれの登場人物がきちんと考えきちんと行動することで、「生きている人間のリアルな葛藤」というのが見えてくるのです。それぞれの登場人物に感情移入し、時に彼らと共に喜び悲しむことができるのです。
「1956年の東ドイツと西ベルリン」という絶妙な舞台設定によって、「この後彼らがどうなったのか」が何となく察することができるところも本当に素晴らしかった。設定を100%活かした物語だったと思います。
是非この作品を家で観るときは、途中退席せずに、トイレ休憩とか挟まないで、なるべく一気に観た方がいい。本当に面白い作品でした。オススメです!!
壁が壊れたことは知っているけど、できた頃のことは知らない。
一言「大人って、てなわん(方言で意地が悪い。卑怯)!」。
実話を元にと冒頭にあって。
ちょっと待て、こんなことあったらアカンやろうと憤慨しました。
ベルリンの壁が崩壊した(1989)のはニュースで知っているけど。
壊れるということは、作られた時の話があったわけで。
その5年前の設定で話が進んでいきます。
統制下に置かれた東ドイツの18才の学生たち。
秘密基地風の爺さん宅で聞いた西側のラジオ。
事故で亡くなったサッカー選手に対して「授業の2分間だけ黙祷をしよう」。
たったこれだけで、政治的意思だとして騒ぐ大人たち。
「首謀者は誰だ?」と、家族のことを持ち出したりして脅す。
社会主義の敵は潰す、と。
大人気ない(怒)。
でもそういう時代だったのですね。
それに対して生徒たちは、白状するのか。それとも。
楽しい映画ではありません。
でも、こういう時代があって、今の時代があることを。
知っておくべきでしょう。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「(嘘も方便だと親に言われ)一生つきまとう嘘だ」。
最初はサッカー選手の死だったのに・・・
18歳で進学コースに進んでいた彼らの純粋な行動。しかし、ハンガリーの民衆蜂起はソ連軍を排除しようとする運動であり、ソ連追従の東ドイツとしては、ハンガリーの蜂起を支持することは反革命・反逆罪にあたるとするものだった。
クラスから一人一人校長室に呼ばれていく様子はちょっと恐怖。首謀者の名前を密告したらそれで終わりなのだ。そーいや、高校のときも喫煙問題でひとりひとり呼び出された経験があったっけ・・・思い出しましたよ。あのいやーな雰囲気。結局五分刈り命令が下されましたが。
まぁ、政治的にはハンガリーも東ドイツも社会主義国だったわけで、同志の死を悼むというのは悪いことじゃなさそうな気もするんですけどね。結局は聞いちゃいけない西ドイツのラジオ番組から情報を得たことが問題視された。ラウルのおじさんもいい迷惑を被ってしまったのだ。で、サッカー選手は西のデマだったのか。両方でデマ合戦やってるみたい・・・
ただ、民主蜂起のニュースがそもそもファシスト残党によるものだったという東ドイツの新聞記事や、思想統制の発展段階だったことからも、取り締まりの甘さも散見。結局は学校側からの密告でしか黙祷問題を報告するしかない・・・。サッカー選手もそうだったけど、とにかく余計な情報を与えないようにする政府の施策。って、なんだか今の日本もそう変わりないけどな。粛清がないだけマシだけど。
人差し指を立てて挙手するシーンもあったし、反ナチという共通項があるだけにドイツの両極思想は難しい。しかも、多数決というものを否定していないし、扇動する者だけが罰せられる。クラスではエリックだけが禁固刑を食らいそうだったが、一人の罪にせず、みなで協力し合ったところが青春を感じた。みんな頭いいから、結構考えてたんですね。ただ、西に親せきがいない子が可哀そう。どうなったんだろ?
明日があるさ❗️
いつも私の頭が悪いレビューを読んで頂きありがとうございます。今は映画館はやっていません。家にいる時間が増えました。STAY HOMEでございます。
それでも気がつまります。少しだけ遠出をしました。葛飾は柴又の江戸川の向かいにある公園に行きました。里見公園です。
そこそこ人はいます。みんな初夏の陽気に誘われたんだね。マスクはしてます。ソーシャルディスタンスは保ってね。
薔薇園ではベンチで若い夫婦がワインを飲んでいます。うーん、満喫してるね。薔薇の香りに包まれてワイン🍷ですか。そうですか。
さてここで問題です。この夫婦が飲んでいたワインは赤ワインでしょうか?白ワインでしょうか?考えて下さいね。正解は・・・
ロゼでーす❗️(ややずるい)
シロツメグサ(クローバー)☘の群生を発見した。まるで白い絨毯。昔からの習性なのだがクローバーの四つ葉を探してしまうのです。しかしなかなか見つからない。すると、突然・・・
「なにをさがしているんですか?」
えっ?誰?小さな男の子。推定3歳。あのね〜
四つ葉を探してるんだよ。敬語を使えるんだね、偉いね〜 その子は良く分からないのかお花を一輪摘んで私にくれた。お母さんが謝りに来た。その後四つ葉の説明をしている。男の子は、よつば🍀よつば🍀・・・呟いている。
花言葉はgood luck(幸運)だ。
大人になったら君は私の事なんか忘れるだろう、でも私は君の事を忘れないよ。
さて長い枕を終わります。すみません。5月は映画館が休館中です。故にDVD視聴のみです。
邦画中心ですが、この映画をチョイスした理由は仲良くして頂いている、もみじまんじゅうの里の方の推薦があったからです。
この方は本当に凄い。生粋のメカマニア。ある映画で拳銃の情報が異常に細かかったのでコメント欄でツッコミを入れた事がある。
さいとうたかをプロの銃担当か❗️
返答は「秋元治プロの車担当です!」だった❗️センス抜群!いや、この映画には銃は出てきません。大体アクション映画を観ていて、あの銃はベレッタとかS&Wとかルガーとか…カンガエタコトナカッタ。私の知ってる銃は・・・
竹原ピストル❗️
♩よー、そこの若いの
君だけの花の咲かせ方で
君だけの花を咲かせたらいいさ
舞台は1956年の東ドイツ。まだベルリンの壁は出来ていません。進学校に通うテオとクルトは高校三年生です。テオは彼女に四つ葉のクローバーをプレゼントしたりします。ただインチキですが。
時には墓参りと言って西ドイツに行ったりします。忍びこんだ映画館でハンガリーのソ連に対する武装蜂起を知ります。そしてクラスメートと共にハンガリーのサッカー選手プスカシュの死を知り授業中に黙祷をします。しかしその結果、大変な事態が起こります。
実話ベースなのですが、まじっすか?ソ連に忖度しすぎじゃないっすか?
当局は首謀者を特定しようとします。信念か友情か?メッチャ、サスペンスフルです。会話劇なのに。「12人の怒れる男」以来の感じ。観て損はないですよ。
こんな長文を読んで頂き感謝いたします。最後に皆様に言いたい言葉があります。
Good Luck‼️
高校生の問題意識の高さに感激!
本当の話をベースにしているようだが、第二次大戦後ナチス崩壊のドイツではベルリンの壁ができる前は東西両ベルリンは行き来はできたわけで、映画ではクリスマス/正月シーズンは両ベルリンの往来も厳しくはなかったと言っている。
この時代の東側で生きていた人々の話だが、社会主義国家にするために思想の統一、ナチスの全体主義をいいスケープゴートにしてロシアの力を借りて、(ロシアが抑圧していたのかも?)ロシア体制を東ドイツに作っていく過程。東の見解ではロシアがハンガリーブダペストの動乱を抑止する力があるとみているし、西は全体主義の賜物になっている。
そして、米国、英国などの西ドイツと国を完全に二分する思想抑制下の東の人の心を描いているので、興味深い。ドイツ映画はナチスの全体主義時代や批判、そして、現在の統一後の映画しか鑑賞したことがなかったし、この1956年の時代の東西ベルリンの境界線(Stadtgrenze)に住んでいた人々の生活の 映画は皆無だったのでドイツ映画の別の政治的思想弾圧の一面を見た気がする。
好奇心のある高校卒業を控えている生徒たちの情報収拾力、多数決で行動を起こす民主主義(?)問題意識の高さ、自分の周り以外にも目を向けることができる(意識化できる)などが、大多数の生徒を西ベルリンに向かわせたんだと思う。
ここで、テオ(労働者の息子で、兄弟が彼を含めて三人の役)の多数決という捉え方が経験により成長したのがいい。全員退学させられた時、テオの案で、西に向かおうと。でも、彼は一言、自分の意思で行きたい人だけがいこうと。そこで、そこで多数決に従うやりかたを取らず、自分の意思を尊重するもっと民主主義的なやり方で他の生徒に話している。そこがテオの将来をより明るくしている気がする。
戦前のドイツはヒットラーの全体主義や連合国、ロシアの侵略、ユダヤ迫害など自分の立ち位置をどこに置いたかで人生が変わってくる動乱の時代だったようだ。そこから、はびこる『裏切り』も日常茶飯事のようだったに違いない。その中で、テオの父親だけは労働階級の動乱(Uprising 53)について一切、口にしないが、テオの友達カートを裏切る行為を自分の子供可愛さで興奮のあまりテオに進めたが(テオはそれをしないことは承知だった。)結局、父親本人も密告しなかった。テオを見ていると父親と同様に善悪をよく理解しているし、それにそって行動をしている。カエルの子はカエルということわざがあるが、倫理的な精神構造を引き継いでいる。
サッカーで有名なハンガリーの選手Ferenc Puskas が殺されたと西のニュースで伝えられたが実際は死んでいなかったと東のニュースが伝えた。後でネットで調べたところプスカスは2006年ごろ他界している。東西でお互いに洗脳しあっていたのかもしれない。
東独ってやはり真面目な共産主義
「グッバイ、レーニン!」「善き人のためのソナタ」など東独ファン?にはたまらないテーマ。ドイツで産まれた共産主義が、ソ連を経て久方ぶりに故郷に帰ってまいりました!というこん平的なブーメラン。
ハンガリー動乱もプラハの春も、ソ連戦車によって蹂躙された。が、ハンガリーもチェコスロバキアも諦めたわけじゃない。ヨーロッパ・ピクニックによって、ベルリンの壁は打ち破られた。東独が必死になって放送した黒いチャンネルも全く徒労に終わった。東独の市民は、必死になって西側陣営の放送をパラボラアンテナで拾っていたからだ。
この作品を観ながら、当時ハンガリー外相だったホルン・ジュラが東独首脳に対して言い放った「国民に逃げられるような国を作ったお前らが悪い」云々を思い出した。まことに東欧共産主義の崩壊は面白い。
そうでありたいと思う。
悪役の裏事情物語が映画が何本か上映中である。事情があれば悪事も裏切りもしょうがないというのが、現在の世の風潮だと思う。
今どきの高校生なら、普通に真実をのべるのだろうし
それが何か悪いことだとは、私も思わない。
でも、この映画を見終わった今は
彼らのようでありたいと思っています。
ウッカリしてた。そうだった。
そうでなくちゃいけないぞ私。と。
ベルリンの壁建設前の東ドイツ。 進学クラスの学生達がハンガリーへ黙...
ベルリンの壁建設前の東ドイツ。
進学クラスの学生達がハンガリーへ黙祷を行ったことから国から反逆者とみなされてしまう話。
知識不足で理解できなかった部分も多々あり;
実話ってのがすごいなー
フランス映画に比べてドイツ映画はまだ見やすくて自分には合ってます。
緊迫感がなかなか。
男子学生達がイケメン揃い。
ヤダ、カッコいい……ってなカットがいくつもありました。
二本立て一本目。光り輝く青春ものかと。 違いますやん、どころか、重...
二本立て一本目。光り輝く青春ものかと。
違いますやん、どころか、重すぎますやん。
ハンガリー動乱の犠牲者に追悼の黙祷をしただけで…東ドイツ、ソ連、怖すぎ。
誰が首謀者かを探る為の密告奨励。ほぼ恫喝の聞き取り。なんて汚い圧のかけ方。仕事で似た経験のある私は虫唾が走りました。
浮気姉ちゃんはじめ、ラストの若者の決断はなかなかグッときます。最後まで同調せん奴もおったな、あれはあれで勇気がいると思う。彼らが、そして家族がその後どうなったのかが知りたい。
社会主義って怖いイメージだけど、実際はどうなんだろう。知らずに安易には否定できないですよね。共産主義とは何か違う?ちゃんと勉強しとけば良かった。
それも含めて若者に見て何かを感じて欲しい素晴らしい作品でした。見るべし!
青春映画、体制映画、歴史映画、半ノンフィクション。紋切り型ともいえ...
青春映画、体制映画、歴史映画、半ノンフィクション。紋切り型ともいえそうなキャラクターがうまく動いていて、それが映画を成立させる。邦題はどうか?
最も恐ろしこと
学生が、自由な思想を剥奪され、校内で弾圧を受ける。社会主義への反革命に、国家が怯え慄き思想を抑圧する行動が当たり前にとられていた長く苦しい時代があり、学生もまた被害者となっていた真実。希望とは、自由な思想を抱くことに直結する。故郷を捨てない選択と、家族と別れる選択、共に抑制を受けない自由な選択であり、学生が飛び乗る車内には、自分達で手繰り寄せた希望の光が射し込んでいた。
若者の決断
たった2分間、黙祷をしただけで。
この現代ではただそれだけのことが、東ドイツという国で帯びる意味。最初は内々に済まそうという展開だったはずが、あっという間に追い詰められていく若者たち。追い詰め方が半端ない。何としても首謀者を見つけ出そうとする政府。「言論の自由がない」という状況をリアルに実感させられる。
自分たちだけではなく、家族にも影響が及ぶ尋問。決断し行動すること、思っていることを言うことが、あの時代、あの国ではまさに命がけと言っても良い。
最初選んだように弁解し逃げ切るのも取り得る道ではあったと思う。まあ、それはあっという間に塞がれてしまうのではあるが...。私だったらどうにか逃げようとしてしまう気がして、とても葛藤した。
若者それぞれの、親との関係性も非常に興味深かった。親への反発、畏敬、そして真実。本当に「上の者」は情報を巧みに扱うのが上手い。若者を的確に揺さぶる。
その中でも、母の言葉、父の表情、握手の重みが親の感情をひどく感じさせた。行く方も残される方も、覚悟が要るのだ。
しかし最後に提示されるのが「希望」でよかったと思う。とても難しいけれど、唯々諾々と生きるより、自分で考えることは大切なのだ、と感じた。
正義とは
自分の信念、自分の正義をどこまで貫けるかって話
家族、恋人、友人、そして未来の自分、大切なモノを差し出しても、それを貫くのか?
何が大切なのかを否応なしに考えさせられる作品
素晴らしかった、おすすめ!
自由、自由、自由!
私たちが当たり前に享受している自由、それが奪われた社会の実像を伝えてくれる傑作。自由を欲する若者たちの心の叫び、魂の慟哭がスクリーンから響いてくる。人間の自由意志に対する敬意なき社会のおぞましさ、恐ろしさ、グロテスクさ。同調を強制するか、自由意志に基づいて連帯するか。外面的には同じ集団行動でも、内実は100パーセント異なる。願わくば前者を退け、後者を良しとする社会であってほしい。今、香港では映画と同じことが起きているのではないだろうか。
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