YUKIGUNIのレビュー・感想・評価
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人を幸せにすること~happy
このサイトの上映館情報には無く、映画館のオリジナルサイトで上映を知り鑑賞(こういうケースもあるんですね)
《つづく》
ひとりの東北人のぶれない幸せな人生。
日本海に面する東北の港町に生まれた主人公は、戦後の復興期に社交ダンサーの夢を経てバーテンダーを目指す。
冷蔵庫が無い時代、天然氷を砕く修業からスタートし、研究熱心さを買われ、先人の支援を受け、カクテルコンクールに応募したオリジナル作品がグランプリを授賞。
そのカクテル『雪国』は、やがて日本のスタンダードカクテルに。
92歳の今も現役で、一人カウンターの中に立つ。
「Barは人なり」という評論家の名文句の如く、マスターとの会話と陶酔のカクテルを求めて、全国からファンが集う。
客のある女性は、仕事で行き詰まった時に店を訪れ、マスターの話を聞くうちに仕事の悩みが小さくなり、このマスターのように人を幸せにすることができれば、あとの仕事のあれこれは大したことはないと思えたという。
マスターは、客の一人一人に合わせて、カクテルの配合を微妙に変えるという。同じく、会話の内容も、相手に応じてあらゆる話題を提供し、さながらマスターの独壇場になるという。
枯れない話の泉とオーダーメイドの極上カクテル。それが皆を幸せにする。そして、マスター自ら「私は日本一幸せなバーテンダーです」と言う。
半世紀以上作り続けているカクテル『雪国』は、少ない日で10-20杯。その総数は数える術が無い。
そして、そのカクテルは、半世紀以上前に創作された物とは思えないと欧米のバーテンダーをも驚かせ、シェイキングの所作までが美しいと『マエストロ(巨匠)』と称される。
海を越えて愛されるカクテル故に題名が『YUKIGUNI』なのであろう。
なんというぶれない幸せな人生!
過剰な演出とは無縁のドキュメンタリーは、素材の良さを最高に引き出し、極上のカクテルや雪国『酒田』に降り積もる粉雪のように静かに身体に染み渡り、温かくhappyな気持ちにさせてくれるのであった。
「雪国」飲んでみようっと!
若い頃、いわゆるバーに時々行ってた時期はあったけれど、「雪国」を飲んだことがない。その頃は、カウンターで一人で静かに飲みながら、バーテンダーって格好いいなあと思っていたけれど、本作を観て、やっぱりバーテンダーって格好いいって思った。
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