空の瞳とカタツムリのレビュー・感想・評価
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メインの二人がビジュアル抜群に良し
かなり実験的な映画でしたが、、二人が美しいので最後迄ついていけました。LGBT,潔癖症、アレルギーのひどい方、リストカット、カタツムリの交尾、マザコン、ファザコン等、潔癖症の貴女、野良猫抱きしめたり、ビンの回し飲みしたり克服したのですね。小説も完成、大変よく出来ました。
逃れることが出来ないもの
カタツムリは雌雄同体で、本来は、一個体で子孫を残す事が可能なのだが、どうしてなのか、相手を求めて交尾をする。それが自身の寿命を縮めてもだ。
何か自分に不足・欠如しているものを、補おうとしているのだろうか。
多くの男性と寝てしまう夢鹿と、潔癖症でヴァージンの十百子の関係は、不足したものを求め合う補完関係なのだろうか。
自分を傷つけ、十百子と愛し合っても回答など見つからない。
夢鹿の言う通り、貴也や男性と行為をしようとしても、十百子の身体も気持ちも、それを拒否する。
自分に無いものを求めあっても、それが補完されることなどなく、自分そのものが、より大きく感じられるようになるだけだ。
追いかけると逃げられる。
追うのを止めると追いかけられる。
いつも自分の側にあると思っていても、その手からこぼれ落ちることもある。
相手に良かれと思っても、相手を深く傷付けることもある。
常に矛盾が付きまとい、そして、いつも心はアンバランスのままなのだ。
そんな、揺らぎが感じられる作品だ。
夢鹿が貴也に言う。
母親と自分は同じ男性に逃げられたと。
それは、父親だと。
貴也の母親にはなれないと言った夢鹿が、実は、父親を追い求めていたのかもしれない。
ふと、海辺のカフカを思い出した。
性的マイノリティーというカテゴリーでもこぼれ落ちる苦悩やタブーはある。
結局、どんなに抗っても、自分自身から逃れるのは難しいのだ。
ジェンダレスな社会とは言うが、逆に、ジェンダレスが新たな枠組みとなって、窮屈になることだってあるはずだ。
カタツムリは雌雄同体だ。
ある意味、ジェンダレスだ。
しかし、人間はカタツムリではない。
ジェンダーからも、自分からも逃れることは容易ではないのだ。
Love dart
確かに奇妙な生態である。恐らくそれを論理的に説明すれば理解しなくもないが、もっと方法があるんじゃないかと気持は割り切れない。そんなモヤモヤした想いを全編に塗したような作品である。
一応、“三位一体”と揶揄されていた女性2人と男1人のグループ。しかし実はその関係性は卒業後に崩れてゆく。元々が歪な間柄であるのだが、作品では女性二人の関係性の変化を主に取り扱っている。1人は自由奔放、片や潔癖症。そしてお互いが惹かれ合っているのに、それを素直に表現出来ず、相手を傷付け合う。それぞれが自分の存在を相手に認めさせたいといういじらしい気持が、丸で自傷行為にように傷付けてゆく。
そのお互いの認識確認を交互に行ないながらストーリーが“カタツムリ”の如く、ノロノロと進んでいく。ラスト近くに訪れる唐突な男の死、その前に登場している、第4の男(アトピー肌の男娼)等、二人の女性にとっては単なる道具やきっかけでしかない。あくまでも二人の女性の狂おしい愛の確認、恋矢で穴を埋め合うことを表現する、コラージュ作品のワンピースなのである。そして二人はめでたく一緒になるかと予想すると、それもない。結局離れてしまう。しかし憑物が取れたように、潔癖症が治ってしまう。『恋は病』であるから、終われば治るのであろう。そういう繊細でナイーブな作りである。
自分の感想としてはこの作品の中身はそれ程練り込んでいるとは思えない。結局メッセージ性も薄ければ、心に響くモノもない。
それよりも今作の最大の注目は、2人の女優のそれこそ体当たり演技の披露なのではないだろうか。とにかく脱ぎまくり、そして交ぐ合う。一寸前に流行った女性モノのAVのようなプロットなのではないかと思う位である。中でも百合プレイは非常に官能的で淫靡であった。この二人の裸一貫の努力のみが今作品の評価そのものであろう事は間違いない。それ程、美しい裸体と演技を堪能させて貰った。
鑑賞後に、出入口付近で挨拶をしていた、飛び切りな容姿淡麗の女性が、初め気付かなかったが主演の女性であったのが驚愕した。女優はこうも化粧や髪型一つで別の美しさを表現できるものであるとしっかり思い知らされた。本当に大変な美人で、すっかり目の保養をさせて頂いた。スクリーンもリアルも、大変お美しい方でしたよ、『縄田かのん』さん・・・
最低最悪の作品
いくらなんでもレベルの低い映画だなと感じました。
画面から伝わる低予算ぶり。
低予算なのはいいんです。低予算映画でも面白い映画は沢山あります。
これはただ低予算なだけで中身を伴わない酷い映画でした。
何が一番ひどいってその内容。
シナリオが支離滅裂なので登場人物の気持ちの流れが全く見えないのとそもそも起承転結が出来ていない為、見るに堪えらません。
オープニングから内容がとにかくひどく頭の中に???が大量に浮かび、大雑把で雑なシナリオ展開がとにかくひどいと感じました。
また酷いと思ったのが役者達の演技です。
無名の素人役者が主演なのですがまず何を言っているか分からない。せめて何を言っているか分かる人をキャスティングしてほしいと思ったらプロデュ―サ―の人の劇団出身の女の人なのね…
裏事情が透けて見えます。
出てくる登場人物全員棒、棒、棒読み。学生の演技の方がまだましです。
これでせめてビジュアルのいい方揃いであればまだ見れたのですが電車で隣に乗っていてもおかしくない一般人顔の素人軍団なのがまた頂けないと感じました。
見るに堪えない映画というのもおこがましい作品です。
脚本、演出、縁起、役者、映像、音楽全てが最低最悪な作品だと感じました。
時間やお金を無駄にしたいと感じた方にはおすすめです。
女性のための映画
とても女性的で繊細な映画でした。
さすが斎藤監督、映像全体にキャラクターの心情がにじみ出るようで、時に息苦しくもあり、時に突き放すように開放的で、
観るというより感じる映画でした。
印象的な台詞が多く、何より言葉が美しかった。
濡れ場が多いですが煽情的ではなく、もの悲しさすら漂う裸、ラブシーンで、そのあまりのリアルさに胸が痛くなりました。
合う人には合う映画、合わない人にはとことん合わない映画だと思いますが、この登場人物たちのような人、現実にはけっこういると思います。そういう人たちに思いをはせるきっかけになりました。
20代の日常に疲れた女性たちに観てほしい!
東京フィルメックス映画祭で観ました。
まず、主演女優さんの方が綺麗で名前を確認したら浅野忠信さんと同じ事務所の女優さんだった。相手役の女優さんも細くて可愛かったです。映画は少し長く感じましたが、内容が深くてポジティブに生きられない人に一度観てほしい。そうでない方も最近の映画にはない世界観だと思います。おすすめしたいですね!
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