草の葉

解説・あらすじ

韓国の名匠ホン・サンスが2018年に発表した22作目の長編監督作。ホン・サンス監督と公私にわたるパートナーであるキム・ミニとの、5本目のコラボレーション作品。

ある路地裏の喫茶店。何組かの男と女が会話を交わしているが、そのほとんどは俳優や作家たちだ。自殺した女性のことを話す売り出し中の俳優とその友人女性、若い後輩女優に家の一室を貸して欲しいと頼むベテラン俳優、若い女性脚本家と数日間一緒に同じ部屋で共作しないかと相談する脚本家。そして、彼らの会話を耳にしながらパソコンに向かう1人の女性。やがて女性の弟が年上の恋人を連れて現れ、女性に恋人を紹介するが……。

シューベルトやワーグナーなどのクラシック曲がBGMに使用され、物語を彩る。第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品。日本では第19回東京フィルメックスで上映された。

2018年製作/66分/韓国
原題または英題:Grass

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映画レビュー

3.0【ホン・サンス監督お得意の重層的会話劇。そして、いつものようにホン・サンス監督あるあるを記すの巻。】

2025年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

ー ホン・サンス監督の作品は、今作で何作観たであろう。10数作は観ているはずである。そして、その全てが複数男女の会話劇である。
  今作も、その一作として数えて良いだろう。-

■いつもの通り、ホン・サンス監督作品あるあるを記す。

 1.上記の様に複数男女の会話劇を、シーンの切り替え早くテンポよく見せる。

 2.登場人物は、今作の様に俳優、作家、映画監督(ホン・サンスらしき設定多数)、大学教授である事が多い。

 3.大抵、ショットは固定カメラで横から撮る。が、今作では珍しく男の背後から撮る会話劇がある。

 4.向き合った男女2-5人は、酒を飲みながら何かを食べている事が多い。珈琲の事も多い。

 5.会話は、抑揚があり、時に誰かが激昂したり、涙を流す。けれども、又元に戻る。

 6.監督のミューズである、キム・ミニの登場回数は多い。今作でも喫茶店で複数男女の会話を盗み聞きする女性を演じている。

 7.映画館で、監督作品を観ると7-8割の確率で、オジサンが上映20分くらいから寝息を立て始める。マア、仕方がないであろう。

 8.カンヌ、ベルリン、ロカルノ国際映画祭での評価は高い。だが、アカデミー賞には無縁である。マア、そうであろう。

<で、一番困るのが、監督の映画製作本数の多さと、制作ピッチの速さである。とても、追いつかないのである。というか、結構観たぞ!と思っていると過去作がドンドンドンドン出てくるのである。一体、ホン・サンス監督は今までに何本の映画を製作したのだろうか・・。イヤハヤ。>

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NOBU

4.0自虐と楽園。

2024年7月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

難しい

登場人物のおじいさん達は監督自身の分身だと思うけど、よくもあんなにも情けなく恥ずかしく描けるものだと感心してしまう。
まったく芸術家って奴は凄い。
恥ずかしくてたまらんが最後に楽園が待っている良い映画でした。

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春