劇場公開日 2020年2月28日

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「地球最後の夜に」ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5地球最後の夜に

2025年6月28日
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鑑賞方法:映画館

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正直言ってストーリーどうこうという映画ではない。感覚的な映画というか、雰囲気はホウ・シャオシェン×ウォン・カーウァイといった感じ。映画の肝は80分過ぎたあたりで2Dから3Dに切り替わった後半1時間のワンショットノーカット撮影シーンだろう。その3Dシーンはなんというか主人公の見てる夢を主人公と共有体験してるようなシーン。前半に散りばめられていた現実や記憶の断片が、現実や記憶とは違う形に変容して次々に登場し、内容があれからこれへと全く別なものにするりと変わったり元のところに戻ってきたり、現実にはあり得ないことが起こったりという、まさに眠りの中で見る夢そのもの。それを自分が見てるかのように3D体験するというのが最大の見どころというか体験のしどころ……なんだが、残念ながら僕が観た映画館では3Dじゃなく2D上映なのであった。2Dでも十分面白かったが、できれば3Dで観てみたかった。それにしても10年代にあれほど流行った3Dも今ではすっかり廃れちゃいましたね。

弱冠30歳のビー・ガン監督の監督第2作だそうで、各国の一流映画人から絶賛されたとのこと。ファム・ファタール的ヒロインを演じたタン・ウェイは、個人的には後半の夢の中の赤髪ショートボブ女性役が良かった。

なおコロナ禍の緊急事態宣言で映画館が全館休業する前に僕が最後に映画館で観た映画で、そういう意味でも個人的に非常に感慨深い映画である。客は僕1人だった。それにしてもたった5年前のことなのにあの頃のことを少々忘れかけているようでちょっと反省。

バラージ
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