デッドエンドの思い出のレビュー・感想・評価
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【”幸せは、ふいに訪れる。そして、心の中の宝物を蘇らせる。”人生の袋小路に入ってしまった時に出会った、名古屋の下町の人達の優しさに癒されていく韓国女性の姿を描いた作品。】
■30歳を目前にして、韓国でごく普通の日々を送るユミ(少女時代のチェ・スヨン)。
仕事で日本の名古屋へ行ってしまった婚約者・テギュ(アン・ボヒョン)との未来を気にかけていたユミは、彼に会いに名古屋へ向かう。
ところが、再会を待ちわびていたユミがテギュのアパートで見たのは、見知らぬ女性の姿だった。
ー 今作は、愛知県のミニシアターを牽引するシネマスコーレが製作・配給に関わっている事は、敢えて記す。観たかったのであるが、物理的に、映画館では観れなかった作品である。
TV塔や、円頓寺商店街などが映し出されるが、今作でも描かれているように、名古屋の(愛知の)人は、基本的に優しいのである。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・優しさに包まれた映画である。恋人に会いにわざわざ日本までやって来たユミが、婚約者の家に行くと見知らぬ女性がいたら、それは深く落ち込むだろう。
フラフラと町を彷徨う彼女が、辿り着いたのは、「デッド・ポイント」というナカナカの名前のカフェ&ゲストハウスであった。
・「デッド・ポイント」には、常に町の誰かがいてお喋りをしている。愛知には、そんなカフェが沢山ある。居心地が良いのである。自分の家にいるより落ち着くという、おじさんを私は数名知っている。
・「デッド・ポイント」の優しい主、西山(BOYS AND MENの田中俊介)には、哀しい過去がある。皆それを知っている。だが、彼も含めてそのことを隠したりはしない。彼は言う。
”ガリガリだったけれど、親父もガリガリだった。ちょっと変わった人だっただけなんだ。逆にマスコミに色々言われる方が、嫌だったよ。親父とは今でも会っているよ・・。”
・西山は、ユミを支えるジンソンから、ユミと同年という事を聞き、友達の様に彼女に接し、彼女の心を少しづつ自然に癒していく過程が良い。
そして、ユミがテギュに100万円も貸したままだと知った西山は、デギュの所に行って100万円で買った車に乗って帰ってくる。そして、二人は名古屋の町に車で出かけるのである。
<ドラマティックな展開がある訳ではないが、今作はユミとともに、心癒される作品である。名古屋の風景が映し出されるのも嬉しい。
シネマスコーレという名古屋を代表するミニシアターが、今作の製作、公開に関わった意義は大きいとも思わされた作品でもある。>
立ち止まること
人生誰だってどん詰まることがある。私も主人公と同じ経験したから分かるなあ。私のエンドポイントは、沖縄の民宿でオーナーはオバアでしたが、知らない街と一期一会の人達に癒されていくのは凄く良く分かります。30歳でちょっと立ち止まって寄り道したけど、私は今日も元気に生きてます。
チェスヨンさん美しく田中さん爽やか
出演者が外国人大半なのに日本語が流暢で、日本の映画のようでした。名古屋ならではのモーニングコーヒーにパンがサービスでついていたり、味噌XXのトーストも登場します。大きな展開はないですが、いきずまった時に、鑑賞するのもありかなと思いました。
男に捨てられるところに、"Hilary and Jackie" を...
男に捨てられるところに、"Hilary and Jackie" を思い出したが、そこはこの映画では瑣末なところだった。
失意の主人公が転がり込むゲストハウスの人達がよい。
シネマスコーレの存在感を感じました
35年前名古屋で学生生活をおくっていた、という理由で名古屋オールロケの本作を観ました 原作と名古屋は関係がないのでしょうが、興奮や緊張の場面がなくても、観終わった後前向きになれる作品でした 35年前名古屋駅近くに「シネマスコーレ」がオープンし、立ち上げた若松監督の思いが強かったことで大きな話題になりました 当時名古屋駅前にあった映画館はすべてシネコンになってしまったのに、「シネマスコーレ」は今日も頑張っているだけでなく、こういった映画製作もされていたのですね 函館のシネマアイリスも地元での映画づくりに取り組まれていますが、シネマスコーレさんも名古屋から今後も発信して欲しいものです 隣の国との関係がいろいろと報道されていても、人が人を癒すことのできるあたたかさを信じてみたくなる作品でした(3月1日 テアトル梅田にて鑑賞)
誰も悪くないけど辛いわな
日本に行った恋人から連絡がない!ってことで韓国から女の人が追いかけて来るのね。で、行ってみたら「他の女がいて、しかも結婚するとか言ってる!」って話なの。
それでまあ、訳ありっぽい外国の人が集まるゲストハウスで色んな人と接して、次の一歩を踏み出すために韓国へ帰るのね。
なんじゃそりゃ!というか、良くある話というかなんだけど、面白いの。スヨンの韓国語訛りのある日本語がいいのかな。
淡々と進む感じは韓国映画っぽくて、その感じと作品がうまくあったのかな。
今ひとつ響かない映画
ひと言で言うと…
なんか"軽い"んですよねぇ(笑)
物語に深みが無いというか…
観ていて、あまり心にグッと来るものが無い、ちょっと残念な映画でした。
*「ご飯食べた?」という言葉掛けが、韓国ではご挨拶というのを初めて知りました…どうりで、よく言われると思ってました(笑)
実はなかなか深い作品だと思う。
田中俊介、はじめて知った。
すごくいい。彼のほとばしる情熱が、複雑すぎる過去を突き抜けていこうとする宿の主人のもがきとシンクロしている。
シンプルなリスタートの物語の予想を越えて、切なすぎる読後感をもつ作品にしている。
実は児童虐待をめぐる地域社会への批判もある。やわらかに社会批判を織り混ぜて、そしてそこ(デッドエンド=行き止まり)から抜け出そうとする人間の姿まで描いている。
とても奥行きのある作品に仕上げている。佳作だと思う。
デッドエンド?
『デッドエンド=行き止まり』の意味も知らずに観に行ったので
まさか最後は修羅場そして悲しい結末に?
などと独りで密かにドキドキしていました(ーー;
人生は辛いことも多々あるけれど。そんな時は一度全てを終わらせて、新しい自分に生まれ変わって歩き出せばいい。一回りもふた回りも成長した自分を見つけられたら感謝ですね✌️
昔、小説を読んだことがある人こそ見に行って欲しい。
学生時代に大大大好きだった小説でした。
何度も読みました。
大人になってから読むと、学生時代とは違った感想を持ったりして、いろんな味わい方をした物語です。
その映画化ということで、とっても楽しみにしていました。
結論からいうと、原作と内容は違っています。
でも設定は面白かったです。
日韓共同製作。
ゲストハウス。
ありだと思いました。
西山君が映画の中でもいいやつだったのが嬉しかった。
主役の女の子、かわいかったし、演技がとてもナチュラルではまっていました。
小説と内容は異なっていても、心が優しく暖かくなることに変わりはない映画です。
きっと吉本ばななさんも、それを認めたから映画化ができたんだろうなと思いました。
韓国人女性の話に翻案したことで魅力的で素敵な映画になった
"dead end=行き止まり(袋小路)"の思い出・・・吉本ばなな原作と知るまでは、敬遠されそうな、あまりにも息苦しいタイトル。
もともとは吉本ばななの短編集(5話収録)のタイトル作品。著者はあとがきにおいて、「自分のいちばん苦手でつらいことを書いていて」、「つらく切ないラブストーリーばかりです」と記しているが、実際はとても爽やかな気分を得られる、再出発の作品である。
原作のファンだった韓国の映画プロデューサーであるイ・ウンギョンの発案で、舞台を名古屋に設定し、韓国人の女性と、ゲストハウスの日本人オーナーの話に置き換えて、翻案したのが成功している。ここがこの映画の最大の魅力。
日本で働く、遠距離恋愛中の婚約者テギュに会うため、韓国から名古屋へやって来たユミ。しかし彼のアパートには、見知らぬ日本人女性の姿があった。しかも結婚するという衝撃的な宣告。
前半はこんなに切ない失恋映画はあるかと思うくらい。ユミの行動や家族との電話のようすに揺さぶられる。互いのSNSをフォローしていることで知る事実など、理にかなっていて、とても感心する。
あまりの傷心に、帰国の意欲もなくなっユミは、そのまま名古屋にとどまる。たどり着いたゲストハウスは、路地のドン詰まりにあり、名前は"エンドポイント"(原作では"袋小路"という喫茶店)。
オーナーの西山は不思議な魅力を持ち、常連客たちに慕われている。ゲストハウスの他の宿泊客との国際的な会話があったり、地元名古屋の人々との交流で、ユミの心は徐々に癒やされていく。
主人公ユミを韓国のガールズグループ、"少女時代"のスヨンが演じ、日本人オーナー西山役には、名古屋を活動拠点とするボーイズグループBOYS AND MENの田中俊介が選ばれた。日韓共同製作で、演出を韓国出身の女性監督チェ・ヒョニョンが務めた。
スヨンのキャスティングの理由は、"日本語が上手い"ということらしいが、そうでもない。むしろ、日本語勉強中の韓国人という設定に合わせているだけかも知れない。
同じアイドル出身女優では、"KARA"の元メンバー、知英(ジヨン)の日本語のほうが信じられないくらいペラペラである。
失恋から立ち直り、新しい人生を始めていく、素敵な映画である。
(2019/2/16/ユナイテッドシネマ アクアシティお台場/シネスコ/日本語翻訳:北村裕美)
桜、海水浴場、名古屋タワー、下町、味噌トースト
あなたの心の中にある美しさに気づかない人間は、あなたの人生から追い出してしまえば良い。そして少しづつあなたの世界を広げて行けば良い。
遠距離恋愛に破れた女性が、立ち直っていく様を描いた、昭和感溢れるマッタリドラマは、感動も何もなく淡々と進んで桜咲く公園で終わります。
映画館でのんびりしたい方には、お勧めですが、俺は、も少し切ないドラマを期待してたので、物足りなく感じました。
名古屋ならでは!トースト付きカフェ映画
なんと、韓国フードを食べながらの試写会でした!
ホットク ハチミツ味。
いや、映画が観たいのであって、別に食べ物はいらないのですが…。
しかも、同時に二つの事が出来ない単細胞なので、鑑賞中にはポップコーンですら上手く食べられない私…(^◇^;)
でも、せっかくご準備くださったのだから有り難く頂きましょう。(-人-)
モチモチした生地に、シナモンたっぷりのハチミツ。
一口食べて、そのシンプルで懐かしい味にハマりました。
…この試写会に間に合うように仕事の段取りを付けて、とても慌ただしい一日でしたが、優しい甘さに肩の力が抜けて癒されるぅ〜。(*´꒳`*)
美味しいものって、手っ取り早く人を幸せにしますよね。
名古屋が舞台の映画なのですが、傷心のヒロインがコーヒーを頼むとトーストが付いてくるww
「頼んでもいないのに…」と思いつつ、食べ始めるヒロイン。
「頼んでもいない」優しさは、時に迷惑で鬱陶しくもあるけど、素直に受け入れると心が元気になってゆく近道かも。
ホットクを食べたからか、ストンと腑に落ちました。胃袋は正直です(^-^;
ヒロインが、カラッポになってしまった心と向き合い、自分なりのリスタートを切るまでを描いた作品でしたが、
古民家カフェが、ただの“ホッコリ癒しカフェ”ではないところにも惹かれました。
オーナーの西山くんは、お節介な常連さん達とも家族ぐるみの付き合いで、誰にでも優しく、細やかな気配りがあって、街を歩けば皆んなが彼を知っている人気者。
完璧すぎてリアリティーのない人間に見えるのですが、実はそれには訳があって…。
誰も知らない場所でのリスタートを望んでいる。
そんな二人が出会う生暖かいカフェ。デッドエンド(行き止まり)
当事者本人の思いとは関係なく、勝手なイメージを押し付けてくる社会。
私も同じイメージを抱いてしまう一人なので、耳が痛かったです。
「頼んでもいない」優しさは、与える側の自己満足で偽善かもしれないけれど…それでもやっぱり人と人との出会いの中で何かが生まれることもある。
知らない土地の人々や異文化に触れることで、今まで気づかなかった新しい自分を発見していくヒロインの姿に、西山くん自身も勇気付けられたと思います。
#デッドエンドの思い出
(余談)
とにかく1本でも多くの映画に出逢いたい!
その為には手段を選ばない私ですので、ゴリゴリの劇場主義者では御座いません。
ただ、配信でも手軽に映画を見られる時代になって改めて感じるのは「劇場で観た映画は、記憶の残り方が全く違う!」
映画館は、映画を観る為に作られた空間なので、見ている最中の集中力が違うのは当たり前ですが、
忙しい時間をやりくりして劇場に足を運ぶところから始まるプチイベント感が一種の“非日常体験”として記憶に残るからかもしれませんね。
最近は応援上映も盛り上がっていますが、逆に『クワイエット・プレイス』で劇場中が水を打ったような静けさに包まれる非日常体験にも興奮しました。
今回のフード付き試写会で、更に映画の楽しみ方が広がった気がします♪
素晴らしい
大胆に翻案されていますが、原作小説のエッセンスを徹底的に抽出して構築された物語を、丁寧に美麗に撮影された映像で魅せてくれる。小説の実写化の最良の例ではないでしょうか。観た人の心にながく残り、人生の彩りに、あるいは支えになり得る、そんな名品だと思います。
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