劇場公開日 2019年2月16日

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「【”幸せは、ふいに訪れる。そして、心の中の宝物を蘇らせる。”人生の袋小路に入ってしまった時に出会った、名古屋の下町の人達の優しさに癒されていく韓国女性の姿を描いた作品。】」デッドエンドの思い出 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”幸せは、ふいに訪れる。そして、心の中の宝物を蘇らせる。”人生の袋小路に入ってしまった時に出会った、名古屋の下町の人達の優しさに癒されていく韓国女性の姿を描いた作品。】

2022年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

萌える

■30歳を目前にして、韓国でごく普通の日々を送るユミ(少女時代のチェ・スヨン)。
 仕事で日本の名古屋へ行ってしまった婚約者・テギュ(アン・ボヒョン)との未来を気にかけていたユミは、彼に会いに名古屋へ向かう。
 ところが、再会を待ちわびていたユミがテギュのアパートで見たのは、見知らぬ女性の姿だった。

ー 今作は、愛知県のミニシアターを牽引するシネマスコーレが製作・配給に関わっている事は、敢えて記す。観たかったのであるが、物理的に、映画館では観れなかった作品である。
  TV塔や、円頓寺商店街などが映し出されるが、今作でも描かれているように、名古屋の(愛知の)人は、基本的に優しいのである。-

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・優しさに包まれた映画である。恋人に会いにわざわざ日本までやって来たユミが、婚約者の家に行くと見知らぬ女性がいたら、それは深く落ち込むだろう。
フラフラと町を彷徨う彼女が、辿り着いたのは、「デッド・ポイント」というナカナカの名前のカフェ&ゲストハウスであった。

・「デッド・ポイント」には、常に町の誰かがいてお喋りをしている。愛知には、そんなカフェが沢山ある。居心地が良いのである。自分の家にいるより落ち着くという、おじさんを私は数名知っている。

・「デッド・ポイント」の優しい主、西山(BOYS AND MENの田中俊介)には、哀しい過去がある。皆それを知っている。だが、彼も含めてそのことを隠したりはしない。彼は言う。
”ガリガリだったけれど、親父もガリガリだった。ちょっと変わった人だっただけなんだ。逆にマスコミに色々言われる方が、嫌だったよ。親父とは今でも会っているよ・・。”

・西山は、ユミを支えるジンソンから、ユミと同年という事を聞き、友達の様に彼女に接し、彼女の心を少しづつ自然に癒していく過程が良い。
そして、ユミがテギュに100万円も貸したままだと知った西山は、デギュの所に行って100万円で買った車に乗って帰ってくる。そして、二人は名古屋の町に車で出かけるのである。

<ドラマティックな展開がある訳ではないが、今作はユミとともに、心癒される作品である。名古屋の風景が映し出されるのも嬉しい。
 シネマスコーレという名古屋を代表するミニシアターが、今作の製作、公開に関わった意義は大きいとも思わされた作品でもある。>

NOBU