「娯楽作品の粗野な魅力が詰まっている」麻雀放浪記2020 grantorinoさんの映画レビュー(感想・評価)
娯楽作品の粗野な魅力が詰まっている
くだらないを突き詰めた結果、よりくだらない作品となっている。
そのくだらなさは、この世の中の節操のなさ、利己的な人間の愚かしさを浮き彫りにする。
社会風刺的な要素もあるが、それ以上にいろんな方向にケンカを売っているようで危なっかしい。
でも、本来娯楽とはバカバカしいものだし、誰かの気分を損ねても気を使うことなくバカをやり抜くんだという意志のようなものを感じた。
泣かせる話、考えさせられる話、タメになる話、映画に限らずまるで正座しながら正しさを享受することが良しとされるような時代の空気に対して、そんな人達を怒らせて、呆れされて、その後に何故居心地が悪かったのか考えさせることが監督の意図なのか、と邪推してしまう。
それほどにこの映画は粗野な魅力が詰まっている。
あと、個人的にベッキーの艶やかさにやられた。
どん底を見た人間の底力も感じた。
ピエール瀧の演技もまた見たい。
その時はまた白石監督作品で。
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