劇場公開日 2019年5月17日

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「「騙された」とは言い難い構成だが、ドラマ延長のコメディとしては秀作。」コンフィデンスマンJP ねーやんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5「騙された」とは言い難い構成だが、ドラマ延長のコメディとしては秀作。

2019年12月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

そもコメディ。そもTVドラマのゴリゴリの延長作。
それらが前提となる作品なだけに、そう見るか、いち映画作品として見るかで評価は先ず2分される。

少なくともTVドラマの延長として見れば、ファンへのサービスや更なるグレードアップしたトリックは、楽しめると思われる。

逆に、一つの映画作品として見た場合、ただの盛大な身内ネタを見せられるハメになる。

主に「視聴者を騙す」ことに終始した構成で、見事などんでん返しと言うよりはデウスエクスマキナを組み込んだトリックで、その部分に関し、正直面白味は全く無い。
そもこれはミステリでは無い。
読み手に正解を導かせる巧みなヒントは与えず、繋がらない(あるいは繋げるには補完が必要な)ピースをいくつか見せるだけで、犯人やトリックは推理出来ない作品である(予想は可能)。
だから、ラストの種明かしには一切のカタルシスは無いし、怒涛の後出しジャンケンはコメディとして楽しめるかどうか、でしか無い。

ざっくり言えば、アニメのルパン三世がこれに近い。

特にこの映画版は、全てがウソだったと引っくり返されるので、その盛大さは面白いのだが、ただの展開に過ぎないので「騙された」とはとても思えない。
これをもって「騙された」と感想する方はミステリ系はむいていない。

またドラマ版にあった悪役の「一理ある部分」が今回は限りなく薄く、結局小物だったのが勿体無く感じた。

ねーやん