デーモン・インサイドのレビュー・感想・評価
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ヤンデレ百合な煽り文は詐欺。でも許す…!!
まず、怖さを期待してはいけない。
そして表紙に大きく「愛してる、殺したい」って書いてあるので、どんなヤンデレガチレズどつき愛カップルの血にまみれたじゃれあいなのかと期待して見てみたら、なんとその実は只のどこにでもいるサイコなシリアルキラー。しかも次から次へと妻を殺して取っ替え引っ替えするようなすごいビッチ。
…なんだけど、本人は環境のせいじゃなくて生まれた時からこうだったって言うんだけど、絶対クマを殺し損なったトラウマが影響してるよ…。死の間際でフラッシュバックするくらいだし。あの時にジャッキーの心は死んでしまって何も感じられなくなってしまって、自分では気づいてないけどそれでも何かを感じたくて変わりたくて変われなくて、何度も結婚をしては殺してを繰り返してるのかもしれない…。ギターを弾きながら歌ってた歌すごく良かったけど、「悪魔が私の中にいる、あなたはもう一度私を愛せるの?」って切ない。自分の過去も本性も知った上でそれでも愛してくれる人を探してたのかもしれない。そのくせ全て知った上で「大丈夫よ」って言ってくれたジュールズを信じられなかったくせに。ジュールズのような愛が自分にないから理解できないのかもしれない。切ない。
ジャッキーは保険金のためだって格好つけてたけど、何人も殺しまくってて別荘も持ってて浪費家でもなくてそもそもお金に執着なさそうなくせに無理があると思う…。
ジュールズはなんとなくそれが解ってるから、何度殺されかかっても結局ジャッキーを見捨てられなかった。ジュールズのいつ殺されてもおかしくないくらいの脇の甘さにハラハライライラしたりもするけど、それを差し引いてもその愛情深いところに好感が持てる。観てる側にとってはジャッキーは油断ならないサイコな悪魔でもジュールズにとっては本性を知ってもなお、結婚して一年にもなる特別な人で。元医者としてはそばで支えて治療させてあげたいし、それが無理ならせめて自分の手で止めてあげたいし。一度逃げた時は警察を呼んでくることも出来たのに…。
と、ここまで考えて来るとまさか、表紙のあの煽り文ってジャッキーじゃなくて最後の最後ジュールズの心の叫びだったのではと深読みしたり。表紙の顔はジャッキーなのに。それならなお許すわ、期待してたのとは違ったけど。愛した相手のために自分の命をなげうってまで戻った重すぎるジュールズの愛に好評価あげちゃう。
でもそう言えばジャッキーのなぜ医者をやめたの?って問いにその話はしたくないって返してたからもしかしてジュールズも昔何かの理由で大切な人をやっちまってたのかもしれませんね。推測に過ぎませんが、あまりにもジュールズが愛情深すぎて全然ありえるとか思っちゃう。
感情を失ったはずのジャッキーだったけど、最後は生理的なものかは知らないけど涙を流したり出来て良かったねと思う。「罪悪感にとらわれることもない」って自分で言っちゃうほど逆に何も感じないことを気にしてたんじゃないのと感じたから、クマ殺しへの後悔でも自分が死ぬことへの恐怖でも何でもよくて、とにかく何かを感じられて良かった。
ジュールズが物理的にもっと強くて何度も殺しにくるジャッキーを余裕で制することが出来ればあるいは…。
ジャッキーの美しい顔と背中とジュールズの人柄を楽しむ映画でした。
レビュー長っ、スミマセン
相当ジュールズのこと好きかもしれません。
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