劇場公開日 2020年1月3日

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「【自らも、母親からの虐待を受けていた女性が、同じく虐待を受けていた小さな娘を命懸けで助ける姿が心に響く作品。】」虐待の証明 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【自らも、母親からの虐待を受けていた女性が、同じく虐待を受けていた小さな娘を命懸けで助ける姿が心に響く作品。】

2025年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

幸せ

ー 韓国でも児童虐待が頻繁に行われている事は知っているし、映画でも「幼い依頼人」「トガニ 幼き瞳の告発」など秀作が幾つかある。この一作もそれに加えても良いと思う。-

■母親から虐待されて育ったペク・サンア(ハン・ジミン)。レイプ事件に巻き込まれるが、犯人を刺した事と犯人の親が有力者で刑に服すことになった。
 出所後も彼女はすさんだ生活を続けていたが、ある日、道路の片隅で震える少女・ジウンと出会う。ペクは過去の自分を重ね、ジウンに手を差し伸べるが、彼女の引きこもりのゲームばかりしている愚かしき父キム・イルゴン(ペク・スジャン)と、彼の姉のミンギュン(クォン・ソヒョン)からの虐待を止められない。
 切羽詰まった彼女は、ジウンを連れ出し逃がそうとする。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ハッキリ言って、観賞するのがキツイ映画であるが、それはミンギュンを演じたクォン・ソヒョンの演技の凄さである。だって、あんな役は演じたくはないでしょう。この女優さんは、他の作品だとコミカルな役も演じているからね。

・今作での救いは、勿論ペク・サンアの、決死の思いでジウンを助けようとする姿と、彼女を助ける刑事チャン・ソプ(イ・ヒジュン)の善なる姿である。

■ハン・ジミンという女優さんは初めて観たのだが、哀しみと優しさの入り混じった表情が絶妙に上手いし、心に響く。この女優さんは、自らも虐待されていたのに、それを克服して且つての自分の様な境遇であるジウンを助けようとする姿を、体当たりで演じている。

■最近は余りニュースでは見なくなったが、数年前、今作のキム・イルゴンの様に、自分の娘を躾と称して虐待して殺した男が居た事を覚えている方も多いと思う。
 量刑は可なり重いモノであったが、私は”一罰百戒で死刑にしろ!”と思い、友人の弁護士数名に聞いたが、あれが現在の刑法では最高の処罰と聞いて愕然とした事を苦々しく思い出す。

<今作の救いは、事件の一年後に父キム・イルゴンと、彼の姉のミンギュンが重刑に処された事がニュースで流れる居間で、刑事チャン・ソプの家で幸せそうにご飯を食べているジウンが映されるシーンと、ジウンが学校の門の前でペク・サンアと再会するシーンである。素直に良かったなと思ったし、ペク・サンアをじっと見るジウンに対し、優しく微笑むペク・サンアの表情が心に響く作品でありました。>

NOBU
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