「誰かの子であること、誰かの親であること」母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 けんぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かの子であること、誰かの親であること
タイトルだけで内容が分かる。
そう、母が死んでしまうお話。
皆がいずれ経験、または既に経験している“悲しい”出来事なんだけれど、鑑賞後はBEGINの心地よい歌とともに少し前向きになれる作品。
過度に演出してるのではなくて、我らが北海道のスター安田顕を中心に実力派俳優陣が醸し出す“自然感““日常感“が、このストーリーを観客皆の“自分ごと”にさせる。倍賞美智子さんが皆んなのお母さんになるのだ。
母と息子の関係って、やっぱり少し特別で。マザコンとかって揶揄される事も多いけれど、個人的には母親を大事にする事って生きるうえで重要な事ベスト3には入ると思っている。
誰かの子どもであること、誰かの親であることは他の誰にも代わりがいない。自分が生まれてきた意味、生かされてる意味を最も強く感じることができる瞬間であるはずだ。
社会人として生きていれば、夢敗れること、思い通りにならないことだらけだ。幼い頃は自分は大人になれば特別な存在になると信じて疑わなかったけれど、現実ではごく普通の社会の一員で、会社の駒となりあくせく働く姿に嫌気がさすことも多いだろう。
時に自分の存在価値や意義を失いそうになるけれど、そんな僕らには必ず親がいる。自分の家族が理想の家族であろうとなかろうと、れっきとした家族だ。家族を大事に生きていくこと、それを全うすることはとても尊いことであり、人生に生きる意味を与えてくれる。
母さんの葬式の時に、笑顔で送り出せるような息子でありたい。
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