「民族間対立を背景にゲラゲラ笑わす秀作」テルアビブ・オン・ファイア りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
民族間対立を背景にゲラゲラ笑わす秀作
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パレスチナの人気ソープドラマ『テルアビブ・オン・ファイア』。
第三次中東戦争前夜を舞台にした、パレスチナ人女性スパイを主人公にした物語で、パレスチナ人の活動家とイスラエル人将校との間で揺れ動く波乱万丈の恋愛劇。
その製作現場で働き始めたパレスチナ人青年サラーム(カイス・ナシェフ)。
プロデューサーである伯父のコネで、ヘブライ語のチェックという役割。
けれども、毎日通る検問所で、イスラエル軍の検問所主任軍人のアッシ(ヤニブ・ビトン)から、事もあろうか脚本家と間違えられしまう・・・
といったところからはじまる物語で、ひょんなことから脚本を書く羽目になったサラームはドラマと同じく、イスラエルとパレスチナの間で板挟みになり、そこへ心を寄せる女性との恋愛が絡み・・・と展開する。
イスラエル軍人アッシとパレスチナのドラマ制作陣との間で、件のドラマは先が読めない展開となっていく・・・
と、民族問題を背景にして、『ラジヲの時間』ばりのコメディが展開されます。
とにかく、面白い。
ドラマのラストがどうなるか、サラームの恋愛がどうなるか、その前にサラームの生命が無事なのか、と関心事が目白押し。
最後まで、どうなるのかのハラハラと、ハハハハハ、ゲラゲラが続きます。
ルクセンブルク、 フランス、イスラエル、ベルギーの合作だが、米国製コメディ以上に洗練された感じ。
社会問題に対する意識もかなり感じるけれど、背景に疎くとも、面白く観れると思います。
背景を知っていれば、さらに面白いことでしょう。
なお、ドラマの主人公を演じるのは『灼熱の魂』のルブナ・アザバル。
どこかでみた女優さんだと思っていました。
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