ザ・リバー

ザ・リバー

解説

長編デビュー作「ハーモニー・レッスン」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したエミール・バイガジン監督が、カザフスタンの辺境の地に暮らす少年たちを描く「アスラン3部作」の最終章。カザフスタンの田舎の村で暮らす5人兄弟。13歳の長男アスランは父親の跡継ぎとして全ての仕事と権限を任されていた。ある日、アスランは弟たちを連れて川へ泳ぎに出かけ、幸せなひとときを過ごす。そんな兄弟の平穏な日常が、都会からやって来た従兄弟の存在によって大きく揺らぎはじめる。2018年・第31回東京国際映画祭コンペティション部門出品作品。

2018年製作/108分/カザフスタン・ポーランド・ノルウェー合作
原題または英題:Ozen

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映画レビュー

3.5美しく個性的で魅力的だが難しい

2018年10月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

31st TIFF コンペティション

美しくなおかつオリジナリティ溢れる映像に非常に魅力を感じたものの、同時にかなりの難しさも覚えた。
一風変わった構図や絵づくり、演出に、はじめは慣れずに、置いていかれそうになったけれど、川を中心とした美しい絵づくりをきっかけに、徐々にのめり込んでいった気がする。
映像の中にあらゆるシンボリックな記号が鏤められていて、しかも一つ一つに意味が込められていると漠然とながら感じるが故に、なかなか一筋縄ではいかない作品だと思う。それらが何を表現しているのか理解できたり、あるいは創造する事ができたとき、作品の深みを凄く感じるわけで、出来ることならば一見して読み解きたいところではあったけれど、あまりに哲学的であったため、非力な自分にはすべてを理解することなど無理であった。
難解に感じるし相当忍耐も必要だと思うけれど、何かしらの目論見は明確であり、─例えば、違和感ある構図、衣装、光、対比やシンメトリー、自然の表情、等々─、それらを少しでも拾い上げることができれば、この上なく素晴らしい作品だと思えるかもしれない。
内容や設定は完全に虚構だという認識でも、そこで描かれている内容はかなりのレベルで現実世界に関わりを持ったものだと思う。

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