「この上質な作品に触れるとハリウッド物が大味(おおあじ)に見えてくる。」アマンダと僕 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
この上質な作品に触れるとハリウッド物が大味(おおあじ)に見えてくる。
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主人公の彼(ダヴィッド)の口元が、フランス語話してるとこういう感じになるよね的なくちびるだわー。と思って見ていた。
もちゃっとした感じのアマンダの、7歳の少女の体つきが愛おしいと思って微笑ましかった。
突然 なんの前触れもなく母親に死なれた少女と
身近にいた母親の弟の
唐突な悲しみが もう本当にリアルでリアルで。
ほんとうにかなしい時 涙は簡単に出て来ない。
悲しみは深ければ深いほど
簡単に顔を出さない。
仕事(やらねば生きていけない)の合間に
客を待つ駅のエントランスで、どうしようもなく滲む涙。
溢れて抑えきれない慟哭。
彼の涙には また
多くの戸惑いと絶望も含まれる。
今まではちょっとしたサポートで済んでいた事が、今後は姪の人生全てが彼の肩にのしかかるのか?と。
でも だからと言ってこの幼く愛すべきものを手離すべきか否か。
アマンダは センターコートの観客席で初めて
彼女の生きるべき道が見える。
そしてそこに含まれない母を思い
誰に何を言うことも出来ない事を理解し、涙が溢れ出す。
本当に良い映画と言うのは
こういうのなんだなあと 心に出来た染みを握りしめたくなるような映画だった。
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グレシャムの法則さんのコメント
2021年3月10日
コメントありがとうございます。
実際に意識してるのかどうかは知る由もありませんが、フランス映画には多くの場合、人間を描くためのある種のプライドがあって、地に足のついたというか、土台のしっかりした感動を呼ぶのかな、などと考えたりもします。言葉足らずでうまく説明出来ませんが。