アマンダと僕のレビュー・感想・評価
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思い返せば思い返すほどいい作品
家族を失うという悲しいテーマだけど、自転車や徒歩、学校に遅刻しそうな時はダッシュで巡るパリの風景の美しさのおかげか、余計な重たさは無いです。
身を引き裂かれるようなことがあってもなお、人生は素晴らしいものになり得ると思える、いい1本でした。
ラストのウィンブルドン観戦のシーン。
アマンダは自分の想いをあのプレイヤーに重ねたのでしょうか。嘆き、悲しみ、そして歓喜に打ち震える、このアマンダの表情を映し続けたラストシーンは子供嫌いのわたしでも、おもいっきり揺さぶられました。
ほんのちょっとのやりとりでしたが印象的だったのは、公園でムスリムのカップルが罵声を浴びせられているところを通り過ぎたシーン。
テロ事件の犯人と同じ神を信じているというだけで、ふつうの人間が理由もなく攻撃される。この状況に深入りしすぎることはせず、子供の素朴な疑問にカラッと答える形で、子供に植え付けられようとしている独断的な思想を取り払う。
なんて爽やかな軽さ。見習おう。
思い返すと本当に、感心することばかり。またしばらくしたら観てみようと思います。
ミカエル・アース監督の作品、日本に入ってくるときに ハートウォーミ...
ミカエル・アース監督の作品、日本に入ってくるときに
ハートウォーミングな作品のような見た目になってしまうのはなんでなんだ。
おかげでこんな良作を見逃してしまうところだった。
パリの街中で生きる人のリアルな生活感。
喪失と再生の話ですごく良かった。
パリに普通に住む人の、すぐ隣にある影と、
影に飲み込まれない生命力のある土地なんだな
と思う。面白い。
フィルムっぽいザラつきのあるルックも良い。
“エルビスは建物を出た”の慣用句はじめて知ったけど
忘れられないな。
アマンダの大人っぽくもあり、子供らしい繊細さが誠実に描かれているし、演技も素晴らしい。
人の繊細さや人間関係の微妙な力関係や問題や希望などの色々が映っている。
私は何も前情報なしに観たので
ほんとうに、静かにショックを受けた。
一瞬何が起こっているのか分からなかったけど、ほんとうに何も知らずに観れたのが
特別な体験になった。
配信で鑑賞
人生を揺るがす甚大な出来事があったとしても 時は淡々と進み日常は止...
人生を揺るがす甚大な出来事があったとしても
時は淡々と進み日常は止まらない
リアルな雰囲気がパリの美しい風景とともに流れる
立ち止まる時間もなく辛い現実と共に歩まなくてはいけない2人がその時の中で成長していく様子が現実的だ
だが未来は明るい
ただただ静かに
無差別テロの犠牲になった姉。その娘と主人公の切ない交流を描く物語。
切なさと仄かな希望を感じ取れる人間ドラマです。
大切な人の突然の死に戸惑う二人。ふと瞬間に溢れ出す涙が胸に迫ります。
私自身が情に薄い部分があり、また身内や親しい人を亡くした経験がないので、この情感は悲しくも羨ましく感じます。
物語は、主人公と姪を中心に、恋人、生き別れた母親との関係にも触れながら進みます。
その分、姪との深化エピソードがあまり描かれておらず、あっさりとした印象も持ちました。しかし、人間関係って特別なエピソードは必要なく、「いつの間にか」なんでしょうね。
私的評価は普通にしました。サスペンス好きな私なので、趣向に沿わない分、やや厳しめかもしれません。
テロ事件に巻き込まれた家族の物語
パリでのテロ。主人公と彼の姉と姪の暮らしが一変する。
特に小学校低学年の女の子の様子が哀れを誘う。そしてラストシーンの彼女の表情の変遷がとても良い。このカットを見るための作品かも、とさえ思った。
フランス人に偏見を持っていたかも
本当に良い映画だったと思います
ダビットの優しさが無ければどんな展開になっていたか?
たいがい映画鑑賞していると2,3回眠ってしまうが、この映画は派手さがないにもかかわらず眠くならなかった 入り込みやすい映画で出てくる俳優が親近感があり、とくにアマンダはかわいくないと思いながら見たけれど、進むにつれかわいく愛おしくなった自分がいた 続編も作れそうな映画でした 見終わった後、予告編を見て本編を見ていたときよりも涙涙でした
子ども好きじゃないんです
けどこのアマンダは愛おしいなー。いかにも売れっ子子役って感じの美人顔じゃないから、泣いたり怒ったりすると鬼みたいな顔になるのがリアルで愛おしい。テニスの試合でなぜか勝手に泣き出しちゃうのとか子どもの得体のしれない心情らしいし、最小限の出演者で事件やデビッドのまわりの人間関係を説明しすぎず描くのとか、いろいろ地味だけど満足度の高い映画でした。
フランス映画ってなんか意味不明の哲学的な会話が展開して置いてけぼり...
フランス映画ってなんか意味不明の哲学的な会話が展開して置いてけぼりになるイメージあるんだけど、これはいい意味で普通のヒューマンドラマだった。世相を反映したメッセージ性もありつつ、事件をきっかけに関係性が大転換する家族に寄り添って泣いたり笑ったり。プレスリーが元になった慣用句がキーワードになっているんだけど、母親と娘の絆をひしひしと感じる良い場面でした。
物語が生まれる時
ウインブルドン・センターコートの試合は世界へ放送される。
40-0で追い込まれた選手が持ちこたえてジュースに持ち込んだ時、カメラの映像が観客の中にいる一人の少女の表情を捉える。
カメラマンは何かを感じ映像をアップして行く・・・TVで見た誰かがこのストーリーを描いたように思った。
淡々と
思いがけない、テロにより姉を亡くした、主人公と母を亡くした姪っ子のお話。周りの人々は決して積極的では無いけれど暖かく手を添える。
生と死はいつでも隣り合わせと言いつつも実際は起こって初めて慌ててふためく。仲がいくら良かったとはいえ、まだ10歳にも満たない子供を引き取り保護者となる覚悟、自分は出来るかどうか考えた。
この上質な作品に触れるとハリウッド物が大味(おおあじ)に見えてくる。
主人公の彼(ダヴィッド)の口元が、フランス語話してるとこういう感じになるよね的なくちびるだわー。と思って見ていた。
もちゃっとした感じのアマンダの、7歳の少女の体つきが愛おしいと思って微笑ましかった。
突然 なんの前触れもなく母親に死なれた少女と
身近にいた母親の弟の
唐突な悲しみが もう本当にリアルでリアルで。
ほんとうにかなしい時 涙は簡単に出て来ない。
悲しみは深ければ深いほど
簡単に顔を出さない。
仕事(やらねば生きていけない)の合間に
客を待つ駅のエントランスで、どうしようもなく滲む涙。
溢れて抑えきれない慟哭。
彼の涙には また
多くの戸惑いと絶望も含まれる。
今まではちょっとしたサポートで済んでいた事が、今後は姪の人生全てが彼の肩にのしかかるのか?と。
でも だからと言ってこの幼く愛すべきものを手離すべきか否か。
アマンダは センターコートの観客席で初めて
彼女の生きるべき道が見える。
そしてそこに含まれない母を思い
誰に何を言うことも出来ない事を理解し、涙が溢れ出す。
本当に良い映画と言うのは
こういうのなんだなあと 心に出来た染みを握りしめたくなるような映画だった。
遺されたチケット
ラストにウィンブルドンへ
そこで娘のアマンダは
《エルヴィスは建物を出た》
と自分と母にしか分からない理由の涙を流します
その後デュースに持ち込んで終わるまで
アマンダの晴れていく表情が素晴らしく
この物語の締めとしてとてもよかったです。
また、ダヴィッドが涙するシーンが泣けました。
というのも、私が彼でも同じ瞬間に泣くし
もはや代わりに泣いてくれている
気にすらなってしまうというか
それくらい人の心情の変化、悲しみのスイッチを
描くのが上手い映画だと思います
人混みで自分にしか分からない
誰にも理由が分からない涙を流すのが印象的な、
優しく寄り添ってくれる作品でした
私ごとですがコロナ前はよくライブに行ったりしていました。
チケットって力があってその紙切れのおかげで
出不精な私でも計画を立てて時間を作って
移動して目的を果たすという行為までやれてしまう
強い力を持つ約束の紙切れだと思います
遺されたウィンブルドンのチケットでロンドンへ行き
アマンダは母親との思い出を
ダヴィッドは母親との確執を
共に昇華でき、姉であり母である彼女の
心残りは消えたのではないかと思います。
タイトルなし
ダヴィットは
突然の悲劇で仲のよかった姉を失い
残された7歳の姪アマンダの
後見人に…
.
『Elvis has left the Building』
(英語の慣用句:楽しいことはもう終わり)
母が教えてくれたこの言葉を口にし
涙したアマンダ
多く語らないアマンダのその姿に😢
.
パリの街中 日常の景色
普通に暮らしている人に影を落とす
テロに限らず
いつ何がおこるかわからない今
悲しみを抱えながらも
また生きていく姿を描いた
心が温まる作品 良作✨
一寸先は闇…でも
人は生きていかなければならない。順風満帆、普通に生活していても、ある日突然、不幸が起きる。デヴィッドはテロによる銃撃で姉を亡くし、その娘アマンダの面倒を見ることに。負傷した恋人レナも田舎に帰ってしまった。アマンダも幼く、自分も若く生活に一杯一杯。何でこんなことになってしまったのだろう。。全てはテロのせいだが、人生は立ち止まれない。ラストシーン、ウィンブルドンでのテニスの試合において、一方が負けそうなゲーム展開となり、アマンダが今の自分たちの境遇に擬え、もうおしまいと泣くが、まだ始まったばかり、これからとデヴィッドが答えるところは感動的。過度にドラマチックにせず、台詞もそこそこに余韻で見せる作りに好感がもてた。デヴィッド、アマンダ、レナいずれの出演者も良かった。
考えさせられる
自分の乏しい語彙力では上手く表現できないが
とても奥深い映画だった、物語をよく知らずにWOWOWでみた。エッフェル塔は映らない代わりにパリのアパートやマンション、日常が映し出され、悲観な事件によって運命を翻弄されるアマンダと主人公。それぞれに感情移入出来た。
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