劇場公開日 2019年6月8日

  • 予告編を見る

「済🙂」月極オトコトモダチ KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0済🙂

2019年6月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

焼き付き縛り付けられるような強烈な恋慕は無いものの、サラッとしつつ妙に絡みついてくる。
なんだかドキドキしちゃう映画だった。

金銭と契約を交わしている時点で本当の友達とはいえないじゃない!と思ってしまったけど、何も本気で「異性間の友情は成立するか」の検証をやろうってものではなく、ちょっと変わった始まり方をした人間関係がゆっくりと変遷していく様子を描いた作品。

異性間の友情について深く考えたことがなかった。
改めてこう取り上げられるとたしかに、恋愛感情に発展する可能性の高さという点で見れば難しいところもあるのかも。
同性愛者同士の友達とか色々なパターンも考えられる。
時々二人で会って遊ぶ男性の友達数人を思ってウーンウーンとなってしまった。
実は案外絶妙な関係なのかも。これからも彼らとの距離感は変わらないだろうけど。

「手頃なイケメン」柳瀬のふんわりした自然体の態度が心地良く、こんな人すぐ側に欲しいなぁなんてつい思ってしまう。
家のシーンは結構やばい。油断してるとすぐ少女漫画モードになりそう。
彼の心情吐露や望むことをもっと知りたかった。
‪レンタルだろうとそうじゃなかろうと他人の頭の中が分からないのは変わらないことだけど。

自分からの依頼と金銭の契約で成り立っている関係の隣で、自然発生かつ素で関係を築き上げていく様子を見続けるなんて耐えられない。
その目が居た堪れない。
済🙂じゃねーよ!っていう。
スタンプ帳を出すときの気まずさを覆うような声色がまたリアルで胸に刺さった。

ぐらついた人間関係のバランスを取る為にそれぞれ役割を付けてしまうのが好き。
‪やってみる→やっていくの微調整には細やかな決心を感じて、そのいじらしい気持ちの表れを可愛く思った。

割とリアルなタッチだったのに急に詩的なセリフが出てくるとびっくりしてしまうけど。
言葉への思い入れがあまり伝わってこなかったので、那沙と柳瀬のやり取りには少し戸惑った。

最後の余白は爽やかないやらしさを感じた。好き。
飛び越えてみせるも良し、結局転んでしまっても良し、だと思う。
まだ出会って1ヶ月。色々な発展の方向があるでしょう。どうなっちゃってもいいよ。

「恋愛感情を抱いたこともあったけど叶えるのは無理で、友達のまま接しているのが楽で楽しい(側に居られるし)」みたいな、微かな切なさを孕んだ関係、私は好きよ。
友達と唇くっつけたり身体重ねたりするくらいしちゃってもいいんじゃない?それで変に傷つかなければ。

珠希の歌声がとても良かった。
芦那すみれ a.k.a. BOMIってこんなに歌上手かったんだ、とちょっとびっくりするくらい。
鑑賞後、A_Bをめちゃくちゃ聴きながら帰った。

給水塔というものを今作で初めて意識した。
ちょっとひらけた団地街とかでたまに見るやつ。給水塔っていうんだ、と突然の学習。
給水塔に似てる、か。背が高くて骨格がしっかりしていて顔がでかかったらもうめちゃくちゃタイプだな。

KinA