「松坂桃李の当たり役見ぃ~っけ!」居眠り磐音 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
松坂桃李の当たり役見ぃ~っけ!
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル)。
原作シリーズは「陽炎の辻」のみ既読です。
テレビドラマ版は完結編のみ観ました。
時代劇エンターテインメントの良作が誕生!―この安定感はやっぱり嬉しい限り。時代劇のドラマはめっきり減ってしまったけれど、こうして映画として公開するだけでなく、人気俳優をキャスティングして若者に向けて敷居を低くしてくれているのも好印象。日本にはやっぱり時代劇が必要だ!
坂崎磐音を体現した松坂桃李が素晴らしかった。彼の演技はどんな種類の役でもどこかナヨっとしている印象でした。固い役でもしかりで、もしかしたら彼本来の性格なのかも…
そんな部分が、「娼年」や「孤狼の血」の時みたいに色気へと転じている好例もありましたが、正直云うと演技に関して特筆するところは無い俳優さんだなと思っていました。
ところが本作の磐音役、松坂桃李の良い意味でのナヨさがキャラクターと見事にマッチングしているな、と…
江戸で浪人として暮らす磐音の、壮絶な過去を秘めていることを感じさせない飄々とした仕草や、真剣な場面での緩急のつけ方が鮮やか。彼の当たり役じゃないかと思いました。
ストーリーの発端となった悲惨極まる事件には、何か裏がありそうなのはあまりにも明白。奥田瑛二が絡んでるのは間違い無い。あれは絶対に悪人面でしょ…。自分の出世の妨げになる者を罠に嵌めて排除したのかもしれん…
それに田沼意次。これまでいろんな作品に登場していますが、その度に悪役。歴史の教科書でも悪政を敷いた老中と習ったような?―今回の金銀相場を巡る事件に関しても、田沼の政策が招いた暗闘が原因でした。真の敵は田沼か?
そして極めつけ。互いを想いながらも、引き裂かれてしまった磐音と奈緒。運命は流転し、奈緒は吉原の花魁に…。ふたりの恋の行方や如何に…。そこにおこんも乱入して…?
いろんなことが解決してない!
つまり、続編つくって下さい!
※修正(2022/07/28)
確実に続編狙いですね! 伏線張りまくりです。面白かったし、是非とも続編製作して欲しいなと思いました。もし、続編してくれないのなら、原作に挑戦します! 51巻もありますけど(笑)